※本稿は、はちみつMIO『30秒引っ張るだけで美肌も健康も手に入る! 魔法の指リンパ』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
■季節の変わり目に免疫力を高めよう
全身を流れるリンパは鎖骨リンパ節で合流し、静脈に流れ込みます。つまり、鎖骨リンパ節はリンパの流れの最終地点です。ここが詰まっていると全身のリンパの流れが悪くなり、免疫力も低下。風邪を引きやすくなったり、疲れがとれにくくなったりします。ケアを欠かさず行い、免疫力向上に努めましょう。
なお、鎖骨の上のくぼみにはリンパが密集していますが、とてもデリケートな部分なのでさわらないようにしてください。
1.鎖骨の胸骨側を寄せて引っ張る
左の鎖骨の胸骨側に、右手の親指と人さし指を置く。皮膚をやさしく寄せ、引っ張って戻す。
Point:鎖骨の上のくぼんでいる部分には触れないようにしましょう。
2.鎖骨の真ん中を寄せて引っ張る
左の鎖骨の真ん中あたりを、右手の親指と人さし指ではさむ。
Point:時間があれば、指の位置をずらしながら鎖骨の胸骨側から外側端まで行いましょう。
3.鎖骨の下を寄せて引っ張る
左の鎖骨の胸骨側の下を、右手の親指と人さし指ではさむ。皮膚をやさしく寄せ、引っ張って戻す。右の鎖骨も左手で同様に行う。
■頑固な「肩こり」はリンパを流して軽減
2022年の「国民生活基礎調査の概況」によると、病気やけがなどの自覚症状のうち、肩こりは男女ともに2位でした。肩こりは、首から肩にかけての筋肉が緊張し、血行が悪くなることで起こります。放置するとリンパの流れも悪くなって老廃物がたまり、こりや痛みがますます悪化することに。肩と首の指リンパで、リンパを流しましょう。腕が上がらない人は、無理のない範囲で行ってください。
1.肩を胸側に寄せる
左肩に右の手のひらを置き、右ひじは左手で支える。右の手のひらの下の皮膚を胸側に寄せる。
Point:手のひらの位置は動かしません!
2.第7頸椎を寄せて引っ張る
首のうしろの出っ張った骨(第7頸椎)を、右手の親指、人さし指、中指でつかむ。皮膚をやさしく寄せ、引っ張って戻す。
Point:あごを少し上げて行うと、皮膚を引っ張りやすくなります。
3.第7頸椎の下を寄せて引っ張る
指の位置を2よりやや下にずらし、同様に右手の親指、人さし指、中指で皮膚をやさしく寄せ、引っ張って戻す。指の位置を下にずらしながら、手が届くところまで同様に行う。
■ガチガチな「首こり」は姿勢改善とセットで
パソコン作業をしているときやスマホを見ているとき、うつむいた姿勢になっていませんか? うつむいた姿勢が続くと首のうしろの筋肉に慢性的に負担がかかり、首にこりや痛みが生じます。また、ストレートネックや頭痛、めまい、吐き気などの原因にもなります。
首こり対策には、姿勢改善と首のうしろのリンパケアが有効です。リンパの流れがよくなると血行もよくなり、筋肉のこわばりが改善します。
1.第7頸椎を寄せて引っ張る
首のうしろの出っ張った骨(第7頸椎)を、右手の親指、人さし指、中指でつかむ。皮膚をやさしく寄せ、引っ張って戻す。
2.生え際まで寄せて引っ張る
指の位置を1よりやや上にずらし、右手の親指、人さし指、中指で皮膚をやさしく寄せ、引っ張って戻す。指の位置を上にずらしながら、生え際まで3~4カ所に分けて行う。
3.第7頸椎の両脇を寄せて引っ張る
首のうしろの出っ張った骨(第7頸椎)の両脇に、両手それぞれの人さし指、中指を置く。親指は首の側面に添える。皮膚をやさしく寄せ、引っ張って戻す。
Point:片手で片側ずつ行ってもかまいません。
4.生え際まで寄せて引っ張る
指の位置を3よりやや上にずらし、同様に皮膚をやさしく寄せ、引っ張って戻す。指の位置を上にずらしながら、生え際まで2~3カ所に分けて行う。
■「疲れ目」には目の周りのリンパを流す
疲れ目やかすみ目、老眼、ドライアイ、近眼などに悩んでいる人にぜひ試してほしいのが、鼻、眉毛、まぶたへの指リンパです。目のまわりのリンパの流れがよくなるとむくみや疲れが緩和され、実際に試した方の多くが「指リンパ後は視界がくっきりとクリアになる!」とおっしゃいます。
なお、目のまわりをさわるときは、必ず事前に手を洗っておきましょう。コンタクトレンズも外してください。
1.鼻を寄せて引っ張る
鼻のつけ根(目と目の間)を、右手の親指と人さし指ではさむ。目頭を鼻側に広げるイメージで皮膚をやさしく寄せ、引っ張って戻す。
2.眉毛をたて向きに寄せて引っ張る
右の眉頭を上下からはさむように、右手の親指と人さし指を置く。皮膚をやさしく寄せ、引っ張って戻す。眉尻まで3カ所くらいに分けて行ったら、左眉も同様に行う。
3.上まぶたを寄せて引っ張る
右の上まぶたの真ん中に、右手の親指と人さし指を置く。皮膚をやさしく寄せ、引っ張って戻す。
Point:3、4はまぶたの内側に空気を入れるイメージで行いましょう。
4.下まぶたを寄せて引っ張る
右の下まぶたの真ん中に、右手の親指と人さし指を置く。皮膚をやさしく寄せ、引っ張って戻す。3、4を左のまぶたも同様に行う。
■便秘は「おでこ」とつながっている
「便秘対策なのに、おでこに指リンパをするの?」と驚く人もいるかもしれません。
1.おでこの下半分を寄せて引っ張る
右の眉尻の上あたりに、右手の親指と人さし指を置く。皮膚をやさしく寄せ、引っ張って戻す。指の位置をずらしながら、おでこの下半分を6カ所くらいに分けて行う。
2.おでこの上半分を寄せて引っ張る
髪の生え際に、右手の親指と人さし指を置く。皮膚をやさしく寄せ、引っ張って戻す。指の位置をずらしながら、おでこの上半分を4カ所くらいに分けて行う。
3.下行結腸上部を寄せて引っ張る
左の腰骨の出っ張りを探す。出っ張りのやや内側下(下行結腸上部)に両手を置く。両手の親指、人さし指、中指で皮膚をやさしく寄せ、引っ張って戻す。
4.下行結腸下部を寄せて引っ張る
3よりもさらに内側下(下行結腸下部)に手を置く。両手の親指、人さし指、中指で皮膚をやさしく寄せ、引っ張って戻す。
Point:素肌の状態で行うほうがやりやすいのでおすすめです。
■せき・のどの痛みには「のどぼとけ」をマッサージ
のどが乾燥していると、ウイルスや細菌が粘膜に付着しやすくなり、炎症が生じます。また、せきが出たり、痛みが現れたりします。したがって、せきやのどの痛み対策には、のどにうるおいを与えることが重要です。のどぼとけとその上下に指リンパを行って余分な水分の排出を促し、新鮮な水分が細胞に届きやすい環境をつくりましょう。感染症予防にもおすすめなので、冬の感染症シーズンにもぜひやってみてください。
1.のどぼとけの上を寄せて引っ張る
のどぼとけの少し上に、右手の親指、人さし指、中指を置く。親指、人さし指、中指の3本で皮膚をやさしく寄せ、引っ張って戻す。
2.のどぼとけを寄せて引っ張る
のどぼとけに、右手の親指、人さし指、中指を置く。親指、人さし指、中指の3本で皮膚をやさしく寄せ、引っ張って戻す。
3.のどぼとけの下を寄せて引っ張る
のどぼとけの少し下に、右手の親指と人さし指を置く。親指と人さし指の2本で皮膚をやさしく寄せ、引っ張って戻す。
Point:のどぼとけの少し下には甲状腺があります。デリケートな場所なので指2本でやさしく行います。
■「食いしばり」はあご周りの筋肉をほぐす
食いしばりとは、上下の歯をぎゅっと強くかみしめる行為のこと。ストレスや不安などで口のまわりの筋肉が無意識に緊張すると、食いしばりが起こりやすくなります。指リンパであごまわりの筋肉をほぐしましょう。歯ぎしりの予防・改善にも有効です。なお、食いしばりは、歯の摩耗や破損、かみ合わせの変化だけでなく、顎(がく)関節症や頭痛、肩こり、えらが張るなどのおそれもあるため、放置は禁物です。
1.あごを寄せて引っ張る
あごの骨のすぐ下に、両手の親指と人さし指を置く。手のひらは上に向ける。皮膚をやさしく寄せ、引っ張って戻す。
Point:あごのたるみが気になる人にもおすすめ!
2.あごの外側を寄せて引っ張る
1よりもやや耳側に手の位置をずらす。手のひらを上に向け、両手の親指と人さし指で皮膚をやさしく寄せ、引っ張って戻す。
3.えらを寄せて引っ張る
えらの骨のすぐ下に、両手の親指と人さし指を置く。手のひらは上に向ける。皮膚をやさしく寄せ、引っ張って戻す。
Point:時間がないときは、3だけを行っても効果があります。
■「副鼻腔炎」の緩和にも役立つ
鼻やおでこ、頬の骨の下には「副鼻腔」と呼ばれる空洞があります。この副鼻腔の粘膜に炎症が起きてはれたり、膿(うみ)がたまったりした状態が副鼻腔炎です。副鼻腔炎になると、鼻が詰まって息苦しくなる、黄色い鼻水が出る、膿がたまっているところに痛みを感じるなどの症状が出ます。予防・改善には、鼻、頬、おでこの指リンパがおすすめ。副鼻腔の炎症が軽減し、膿が排出される効果が期待できます。
1.鼻を寄せて引っ張る
小鼻のふくらみの上あたりを、右手の親指と人さし指ではさむ。皮膚をやさしく寄せたら、引っ張って戻す。
鼻筋の真ん中、鼻のつけ根も同様に行う。
Point:鼻呼吸ができなくなるほど、深くつまむ必要はありません。
2.頬骨を寄せて引っ張る
右の頬骨に、右手の親指と人さし指を上下に並ぶように置く。皮膚をやさしく寄せ、引っ張って戻す。指の位置をずらしながら頬骨全体を行ったら、左頬も同様に行う。
3.おでこの下半分を寄せて引っ張る
右の眉尻の上あたりに、右手の親指と人さし指を置く。皮膚をやさしく寄せ、引っ張って戻す。指の位置をずらしながら、おでこの下半分を6カ所くらいに分けて行う。
Point:シワの原因になるので眉間付近は避けましょう。
■1回10分よりも、「30秒」を繰り返すほうが効果的
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
いま、この瞬間にぜひ鏡をのぞいてみてください。顔の色が少し明るくなり、目元に力が宿っているのではないでしょうか。指リンパは、その場で変化を感じられる、即効性のある魔法です。けれど、魔法をその場限りにしないためには、自分の指を信じて続けることが大切です。指リンパは1パーツ30秒もかかりません。その30秒を毎日積み重ねることで、あなたは必ず望む姿に近づけます。
通勤電車のなか、朝ごはんの前、入浴中など、暮らしのなかに無理なく取り入れられる“習慣のスイッチ”を見つけてください。一度に10分行うよりも、30秒を何度もくり返すほうが、望む姿への道のりをぐんと早く進めます。
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はちみつMIO(はちみつみお)
指リンパセラピスト
管理栄養士、Dr.ボッダー式リンパドレナージ・セラピー1セラピスト、英国IFPAメディカルアロマセラピスト、アロマフランス認定クレイプロフ、直傳靈氣師範格。国際薬膳学院認定講師、中国政府認定国際中医健康管理師、和学薬膳R博士。2012年より医療のリンパの道に入る。皮膚を優しく引っ張ることで表層リンパを流すことが簡単に誰でもできることから、2023年「指リンパ」商標登録。ツヤ肌指導歴10年目。2500人以上にツヤ肌の方法を伝授。
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(指リンパセラピスト はちみつMIO)