※本稿は、角谷リョウ『仕事の質を高める休養力』(フォレスト出版)の一部を再編集したものです。
■ビジネスで成功したければエナジードリンクは早めに卒業せよ
先日、オフィスに遊びにきた若いドクターが、ミーティング中にエナジードリンクをグビグビ飲んでいました。彼は「絶対会社を上場させる!」と野心むき出しの人。
もちろんその気合いは大切。でも、私は心の中でこうつぶやきました。
「この人、そろそろ“エナドリ依存”から卒業せんとヤバいぞ」
実際、私のオフィスにはベンチャー社長がよく出入りしているのですが、机の上にレッドブルやモンスターが並んでいるのは日常茶飯事です。
でも、声を大にして言いたい。
「今すぐ卒業した方がいいです」
私の生まれ故郷の名古屋弁で言うならこうです。
「そりゃ一時的には気合い入るだがね。でも、それ続けとったら体ぶっ壊れるでよ」
そして……本当に成功する人はこの“エナドリフェーズ”を超えていきます。あの有名なユーチューバーのマコなり社長も、以前はよくエナジードリンクを飲んでいました。でも結果的に体を壊し、今も後遺症が残っていると語っています。
■エナジードリンクの「効いている気がする」ワナ
エナジードリンクの覚醒効果の正体は、カフェインと糖分のダブルパンチ。
エナドリのワナ① 偽りの覚醒メカニズム
カフェインは脳の疲労信号を一時的にブロックします。つまり「疲労を感じないようにしている」だけで、実際は体の奥底で疲労がモリモリ蓄積中。「元気になった!」は、はっきり言えば錯覚なのです。
効果が切れたときに襲う“反動疲労”は、ゾンビみたいなだるさ。モンスターを飲んでいたつもりが、気づけば自分が疲労モンスターになっていたというオチです。
エナドリのワナ② 糖分スパイクの恐怖
エナジードリンク1本に角砂糖10個分(約50グラム)の糖分が含まれています。ドカンと血糖値が上がって「イケる!」と感じた後は……急降下。インスリンが暴走して強烈な眠気と甘いものへの渇望が襲う。
これ、ビジネスでたとえると「短期融資でキャッシュフロー回してたら利息地獄で潰れました」みたいなものです。
特にビジネス立ち上げ初期は「ビジネスハイ」でテンションがおかしくなりがちです。
冷静に考えてみてください。本当に成功していく人は、このフェーズを早く抜けていきます。「ハードシングス」と呼ばれる経営の修羅場。そこをエナドリで無理やり乗り切ろうとする人は、結局どこかで燃え尽きてしまう。
一方で、真の成功者はシンプルな答えを知っています。
「結局、回復力がすべて」
彼らは睡眠、運動、食事、メンタル管理を徹底し、「補助輪なし」でもハードシングスを突破していきます。
ビジネスの世界はシビアです。勝つために短期ブーストが必要な場面もある。でも長期戦を生き抜くには「冷静さ」と「回復力」を鍛えることが重要です。
「もうレッドブル飲まんとやっとれん」
そんなあなたに伝えたい。
「本当の翼はあなた自身にある」
さあ、今日から少しずつ、エナジードリンクから卒業してみませんか? 未来のあなたはきっと「よくやった!」と褒めてくれるはずです。
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角谷 リョウ(すみや・りょう)
睡眠コーチ
LIFREE共同創業者、睡眠・超回復研究所 所長。大手企業を中心に、計160 社、累計16 万人を超えるビジネスパーソンのパフォーマンスを改善してきた上級睡眠健康指導士。日本スポーツ協会公認スポーツ指導者。日本睡眠学会会員。日本サウナ学会学会員。
認知行動療法や心理学をベースにした独自の睡眠改善メソッドによるサポートを行っており、1 回のセミナー参加で不眠症レベルの受講者の約60%が「正常範囲」まで改善。4 週間の睡眠改善プログラムにおいては90%以上が「正常範囲」にまで改善している。テレビ、雑誌などメディア出演も多数。
著書に『エグゼクティブを見せられる体にするトレーナーは密室で何を教えているのか』(ダイヤモンド社)、『働く女子のための睡眠革命』(光文社)、『働く50 代の快眠法則』(フォレスト出版)など多数。
公式note 16 万人改善の睡眠コーチ 角谷リョウ:仕事で差がつく超回復睡眠
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(睡眠コーチ 角谷 リョウ)