※本稿は、mochan『英語力を伸ばす1%の習慣 好きなことを毎日少しやるだけ』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
■帰国子女は実は英語の語彙数は少ない
突然ですが、問題です。
Q.1 熱心な日本人学習者にあって、英語がペラペラの帰国子女にないものは?
Q.2 英語がペラペラの帰国子女にあって、話す能力が上がらない日本人英語学習者にないものは?
答えはQ.1が「語彙力」、Q.2が「自信」です。
私が海外で生活したなかで感じた傾向として聞いてください。帰国子女は英語を流暢に話す人が多いですが、日常的にはmake, get, go, haveなど、主に基本単語を使って話しています。なので、幼少期から小学生の一時期に海外で生活して帰国、その後、英語の勉強に特に力を入れていない人の習得語彙数は、そこまで高くないのです。
一方で、海外経験がない日本人の方でも、熱心に単語帳などで勉強して、TOEIC900点以上のスコアを取得していたり、英検1級レベルに到達していたりする人もいます。そういう方がインプットしている語彙数は、ものすごく多いはずです。特に、英検1級合格に必要とされる語彙数は10000語~15000語程度と言われ、学術系の専門単語も必須です。
英検1級取得者なら、私よりずっと高度な語彙を知っているはずです。しかし、話すとなるとどうでしょうか。
■結局大事なのは「勇気、慣れ、自信」
語彙数があるのに英語が話せないのは、勇気を出して話していないので、自信がついていないから。これに尽きます。
かくいう私も、昔、英語を話す勇気も自信もゼロでした。当時、サッカーをきっかけに、「えいっ」と勇気を持って話し出さなかったら、話す力は上がらないままだったと思います。
皆さんも、英語を話せるようになりたいなら、まずは勇気を出して1語でも話してください。1語、2語と積み重ねていけば、慣れてきて、徐々に自信がついてきます。熱心に勉強してきた方にはインプットの蓄積があるので、一度話すことに比重を置いたら、パーンっと話す力が一気に跳ね上がるはずなんです。
勇気、慣れ、自信。こう言うとありきたりに聞こえるかもしれません。でも、これらは英語を話せるために一番大事なこと。私は本気でそう思っています。
いかに勇気が重要かということは、英語、フランス語、イタリア語、スペイン語など、7カ国語を話せるサッカーの川島永嗣選手が著作のなかで語っています。
皆さんは、言葉を使ったコミュニケーションで最も大切なものは、何だと思いますか?
僕は、相手に話しかける「勇気」だと思います。
誰かに話しかけなければ、コミュニケーションは始まりません。
(中略)わからないことがあれば、素直にそう伝える。海外生活の体験を通じて、最初は恥ずかしがっていた僕も、まずはそういう勇気を持とうと決めたのです。(中略)勇気を持って話しかけることに慣れてくると、もう恐いものはありません。
『本当に「英語を話したい」キミへ』(世界文化社)より引用
■「もっと◯◯してから」は禁物
勇気に関する話を続けましょう。
「英会話にチャレンジする前に、もっと語彙を増やしておきたい。英会話は、単語帳をあと1 周してから……」「海外交流ボランティアをやってみたい。でも自分はスピーキングもリスニングもまだまだ。もう少し勉強をしてから……」のように理由をつけて、海外の人とリアルに話す機会を遠ざけようとする方は少なくありません。
英語力が足りないというよりも、むしろ、足りないのは勇気ではないでしょうか。
早く話せるようになりたいなら、なるべく早く外国人と話す土俵に立ったほうがいいんです。
だから生徒さんには「勇気をつけるために、あと2週間だけ勉強をしましょう」とよくお伝えしています。
目安として2週間、外国人と話すときに言ってみたいフレーズを学んだり、自己紹介を声に出して言ってみたり、シャドーイングで口を鍛えたりしてください。
独学の期間をとって、それからアウトプットの沖に出ましょう。2週間で自信まではつかないかもしれませんが、心の準備を整える期間になります。1%でも勇気をつけることはできます。
■一度勇気を出して話せば改善点が見つかる
一度土俵に立って話せば、“My wife like running.”(正しくは“My wife likes running.”)と言ってしまった、相手の話が全然聞き取れなかった、travelの発音が通じなかったなど、改善すべき点が嫌というほど見えてきます。そのすべてが大切な気づきです。
そこから1%ずつ改善していくつもりで英語の勉強に励み、「次に会って話すときには、間違えないぞ!」と取り組んでいけばいいのです。
独学→会って話す→独学→会って話す。このサイクルで回していきましょう。
真面目に勉強している皆さんが少しずつ勇気を出して話せば、絶対に英語力は伸びていきます。勇気を出して話せば、英語に慣れて、自信がついてきます。
単純なことかもしれませんが、これは英語を話せるようになった人が全員通ってきた道です。後ろから誰かにドンと押されている感覚で、土俵に立った者勝ちなのです。1%の勇気を積み重ねていくつもりで、英語を話していきましょう。
■英語スピーカーの大半が訛りを持つ
英語を学習する日本人には、発音にコンプレックスを持っている方が多そうです。私の生徒さんたちからも、こんな声をよく聞きます。
「英語で海外の人と話したいけれど、発音が綺麗じゃないから恥ずかしい」「ネイティブっぽく話せないと、外国の人とはしゃべれませんよね」……。
自分の発音が、外国の人にどんな印象を持たれるのか。確かに気になるかもしれません。
ここで皆さんに質問です。「英語の綺麗な発音」ってどんな発音ですか。
アメリカ人の発音でしょうか。日本では学習教材の音源の多くにアメリカ英語が採用されているので、そう考える人が多いかもしれません。
しかし、世界的に見るとイギリス英語で話す国や地域のほうがずっと多いのはご存知ですか。
さらに、イギリスの発音で話す地域が多いといっても、「インド訛りのイギリス英語」「マレーシア訛りのイギリス英語」のように、色々なイギリス英語があるんです。
2025年時点で、英語を話す人の総数は約15億3000万人と推定されています。このうち、英語ネイティブは約3億9000万人で、全体の約25%にすぎません。残りの約75%、つまり約11億4000万人は、英語を第二言語または外国語として話す非ネイティブです。英語スピーカーの大半が訛りを持つと言っていいのです(※)。
※Wikipedia“Official languages of the United Nations”
■LとRが言い分けられなくても汲み取ってくれる
私が通っていたインターナショナルスクールの同級生には、中東、タイ、インド、アメリカなど、様々な国籍の子がいて、英語にアクセントがあるのが当たり前でした。みんな、お互いのアクセントを個性として許容して、気にせずに話していましたよ。
実際、自分の発音って、別に下手でも、LとRの差がちゃんとついていなくても、相手は文脈で理解してくれるんです。
皆さんも、英語でコミュニケーションを取りたいなら、まずは勇気を持って恥ずかしがらずに声に出してみる、発音してみることをお勧めします。
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mochan(もーちゃん)
英語コーチ
幼少期、親の都合で海外生活の機会を得るも8年間も英語が話せず、不便で退屈な毎日を送った。海外生活9年目、あることをきっかけに英語をマスターし、最終的にアメリカの大学を卒業。その後、日本に帰国し不動産業や営業コンサルタントなどの職を経て起業。英会話スクール、プライベート英語レッスン、試験対策クラスなどでの講師を歴任し、現在は英語コーチングに力を注ぐ。通訳、翻訳、英語学習動画制作などにも携わっている。
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(英語コーチ mochan)

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