■「よかれと思って」その一言が嫌われる
どれだけ仕事ができる上司でも、言葉ひとつで部下の信頼を一気に失うのが会話の怖さ。悪気はなくても、何気ない一言が「威圧的」「古い」「無神経」などと受け取られ、関係をこじらせてしまうケースは少なくありません。
私は仕事柄、さまざまな会食や合コンの場に参加をします。目上の人が発した言葉でその場の空気が一気に凍りついた光景を、幾度となく見てきました。言い方さえ気をつければ好印象にもできるのに、もったいないと思うこともあります。
そこで今回は、職場でよく耳にする「嫌われる上司の余計な一言」を6つピックアップ。言わなきゃいいのに、よかれと思って発した一言が、なぜ部下をモヤッとさせるのか。そしてどう言い換えれば、信頼される上司になれるのかを解説します。
実際に、部下から嫌われる「上司の余計な一言」を見ていきましょう。
■余計な一言1「言ってる意味わかる?」
上司のほうは、丁寧に確認しているつもりかもしれません。でも、言われたほうは上から目線の「理解力チェック」に聞こえてしまう言葉です。部下は「バカにされている」「責められている」と受け取り、萎縮したり憤りを感じてしまいます。
NG文:「僕の言ってる話の意味、わかってる?」「これ理解できてる?」
言い換え文:「伝わっているかな? わかりにくいところがあったら言ってね」
「相手の理解力」ではなく、「自分の説明」にフォーカスすることで、相手を不愉快にすることなく、安心感を与えられます。
ちなみに英語では「Do you understand?」となりますが、やはり会話の内容や二人の上下関係によって、しばし高圧的なニュアンスに聞こえます。パワハラ認定される可能性もあるので、この付け足し表現には気をつけたいところです。
■余計な一言2「わからないかもしれないけど」
「わからない側」を暗に見下す表現で、差別的・排他的に聞こえる危険な一言。
無意識に優越感がにじみ出て、部下の尊厳を失わせ、その場の空気を一瞬で悪くします。
NG文:「本を読まない人にはわからないかも」「東京出身じゃないとこの感覚はね~」
言い換え文:「人によってはわかりにくいかもしれないけど、こういう意図なんだ」
相手を下げずに、自分の言葉を補足する形にすれば、印象が柔らかくなります。同じ感覚ではない人を排除するのではなく、誰もが共感・理解できる会話づくりをしましょう。
■余計な一言3「ハッキリ言って○○」
「ハッキリ言う=正直である」と思っているかもしれません。しかし、そういう印象にはならず、まるでストレートにキツい言葉を言っても良いかのような、最悪の前置きになります。言われた部下はショックを受け、改善意欲を失ってしまうのです。
NG文:「ハッキリ言って、レベルが低い」「率直に、向いてないんじゃない?」
言い換え文:「正直なフィードバックをしてもいいかな?」(と、了承を得る)、「こうするともっと良くなると思う」
「ダメ出し」ではなく「成長するための提案」として伝えると、受け止めてもらいやすくなります。また、良い点を挙げ褒めてからダメな点を言うようにすると、部下の尊厳も保たれて「指摘された部分は改善しよう」という気持ちになります。
■余計な一言4「自分の若い頃は大変だった」
上司のほうは励ますつもりでも、ただの「過去でマウントをとる」のような言い回しになっているフレーズです。時代も働き方もそれぞれ違いますから、比較のしようがありません。部下は「この人には理解されないだろう」と感じ、上司から距離を取っていくでしょう。
NG文:「俺が新人の頃は毎日終電まで仕事していたよ」「最近の若者は根性がない」「これだから最近の若者は……」
言い換え文:「自分の時代とは違うけど、今どう感じてる?」
「比較」ではなく「共感」を軸に話すことで、世代間ギャップを埋める対話を心掛けましょう。相手はどういう感覚を持っているのか、課題や問題点はないかを掘り下げていくことで、違う世代であっても歩み寄ることができます。
■余計な一言5「このくらい普通できるよね」
普通や常識は、人によって違うもの。この言葉は、「できて当たり前」という大前提で、部下の努力や成長段階を無視しているように響きます。その結果、部下は「バカにされている」「どうせ何をしても評価されない」と、モチベーションが低下してしまう言葉です。
NG文:「普通にできるでしょ?」「そんなの常識だろう」「何でこんなことがわからないの?」
言い換え文:「ここの部分はわかるかな? 一緒に確認していこう」
できないことを責めるより「サポートする姿勢」を見せることで、信頼と安心感が生まれます。確認する中で、すでにできている場合には当たり前と思わず、褒めてさらに成長を促す声掛けをしましょう。
■余計な一言6「これ誰がやったの?」
「問題解決」よりも、真っ先に「責任追及」をしているように聞こえる言葉です。「これ誰がやったの?」と責任を追及した後、さらに「俺がやったほうが早いけどな」など追い討ちをかけるダメ上司もいます。
NG文:「誰がやったんだ?」「で、これ誰のミス?」「俺がやったほうが早いな」
言い換え文:「原因は何だろうね?」「次はミスしないように手を打とう」
責任を共有する姿勢を見せれば、部下からも信用され、チーム全体の結束力も上がります。業務上のミスは、犯人探しをすれば解決するわけではありません。今後同じようなトラブルが起こらないように、再発防止に努めていく姿勢が大事です。
■伝え方の工夫で「好かれる上司」になれる
上司が何気なく発した「さりげない一言」は、部下にとって評価にも攻撃にもなります。たとえ正論でも、伝え方次第で印象が180度変わってしまうのが、良くも悪くも“言葉の力”と言えるでしょう。
嫌われる余計な一言を回避し、部下を親身に思っていることがわかる言葉を選べる上司こそ、真のリーダーです。部下のモチベーションが上がる一言を、どんどん付け足していきましょう。
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田中 絵音(たなか・えのん)
一般社団法人日本合コン協会 会長
イベントプロデューサー。恋愛アドバイザー。2000回以上の合コンイベントに携わり、男女の恋愛心理に精通。婚活、デート、合コン、マッチングアプリなど、最新の出会いビジネスに詳しい。
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(一般社団法人日本合コン協会 会長 田中 絵音)

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