▼第1位 ほめられた時に三流は「ありがとう」、二流は「とんでもない」と言う…頭のいい一流のスマートな返し方
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▼第3位 資産運用でも健康維持でもない…佐藤優が50歳を過ぎたら「決しておろそかにしてはいけない」と話すこと
良い人間関係を築く方法はあるのか。政治・教育ジャーナリストの清水克彦さんは「人間関係の基本はきちんと感謝の気持ちを表すことだ。それだけでなく、ほめ上手の人は人間関係を円滑に進めることができる」という――。
※本稿は、清水克彦『その言語化は一流、二流、それとも三流? 頭のいい“この一言”』(青春文庫)の一部を再編集したものです。
■「ありがとう」より効果的な感謝の言葉
三流は「ありがとう」、二流は「冠言葉+ありがとう」、一流は相手を気遣うひと言をプラスする
感謝の意を表す言葉として、もっとも一般的な言葉が「ありがとう」です。
次の三例は、同じ「ありがとう」でも、言われた相手の反応が違ってくると思いませんか。
A「ありがとうございます」
B「お忙しいのにありがとうございます」
C「お心遣い、ありがとうございます」
Aでも構わないのですが、Bのように、相手の立場や状況を理解したうえで、「お忙しいのに」「ご自身が大変なときに」「わざわざ私どものために」など、冠(かんむり)をつけてお礼を言いたいものです。
相手が部下であっても、「ありがとう」だけで済ませず、「忙しいのに早く処理してくれてありがとう」などと、ひと言添えると効果的です。
Cは、いつも気にかけてくれたり、特別に手助けをしてくれたりした相手に感謝の気持ちを表す言葉で、「ありがとう」の気持ちを、より強く伝えたい場合に使うといいでしょう。
筆者がチーフプロデューサーを務めてきた報道ワイド番組には、筆者が体調などを気遣うと、「いつもお心にかけていただきありがとうございます」と感謝の言葉を、口頭もしくはメールやLINEで返してくるディレクターがいました。
このように言われると、言われた側の私としては、心が温かくなります。困ったことがあれば、いつでも手助けしてあげようという気分にもなりますから、「ありがとう」に何をプラスするかは大切なことだと実感しています。
■最上級の感謝を伝えたい時は…
その一方で、マスメディアという業界には、「ありがとう」が言えない人が数多くいました。「先日はお世話になりました」という声がけをすれば、通常は「こちらこそありがとう」といった言葉が返ってくるはずなのですが、「あ、ども」で済ませたり、こちらに目礼するだけで済ませる人が多い、というのが実感でした。
きちんと謝意を表すことができる=人間関係の基本、と心得ましょう。
きちんと感謝を伝えるときの表現
●「○○さんのおかげです。ありがとうございます」
●「○○していただき、心から感謝しております」
●「お骨折りいただきましてありがとうございます」
●「ご一緒していただき、大変助かりました」
最上級の感謝を伝えるときの表現
●「いつもお心にかけていただきありがとうございます」
●「○○さんのご助言があればこそです。感謝しております」
●「何とお礼を申し上げたらよいか、言葉もございません」
●「ご親切が心に染みました。ありがとうございます」
決めのひと言
「お心遣い、ありがとうございます」
この言葉をかけられた相手の気持ちを温かくしてくれるフレーズ
■一流は見た目に加えて「雰囲気」をほめる
第三者からほめられた記憶は案外残るものです。
「この人、数年前、初めて会ったとき、私の○○をほめてくれた」
筆者自身、日頃、政治家や文化人、トップアスリートなどと会ってきた中で、久しぶりに対面した相手との良い思い出が蘇り、「もう3年前ですか、私、○○さんに『運が強そうな顔をしているね』って言われたんですよ。覚えていらっしゃいますか?」などと、当時の話もしながら楽しくインタビューを終える、といったようなケースが多々あります。
現代社会では、ルッキズム(人を見た目で評価すること)が問題視されがちですが、それでも、ほめられれば良い気分になるものです。
「はじめまして。山田です」
A「はじめまして。
B「はじめまして。山田さん、上背がかなりあるんですね」
C「はじめまして。山田さん、身長が高くて想像以上に凜とされていますね」
■老若男女だれにでも使える高等技術
Aは普通のパターン。Bになると、相手も「上背」に反応し、「185センチあるんですよ」などと返してきますから、コミュニケーションがしやすくなります。
Cは、ただ身長が高いというだけでなく、そこから醸し出す雰囲気までほめていますので、相手はさらに気分を良くして対話に臨んでくれるはずです。
相手の見た目をほめる表現
●「颯爽(さっそう)とされていますね」
●「きょうのお召し物、よくお似合いですね」
●「やはりどこかオーラを感じます」
●「笑顔がとても素敵ですね。皆さんからそう言われませんか?」
相手が女性の場合、見た目を直接ほめると、セクハラと受け取られたりすることもあります。ただ、例に挙げた表現であれば、老若男女を問わず無難に使えます。
カジュアルなもの言いが許される関係であれば、「その服、似合うね」「ネイル、きれいな色だね」などでもOKです。
決めのひと言
「○○が素敵ですね」
ルッキズムに抵触しない程度に、雰囲気な服装、備品などをほめる
■語彙を増やして「ほめ上手」に
相手の気分を乗せ、コミュニケーションを円滑に進めるには、話の内容や仕事ぶり、そしてキャリアや見識をほめることがポイントです。
「私は○○だと思うんです」
A「そうですか」
B「確かに、おっしゃるとおりですね」
C「経験に裏打ちされた、深い見方ですね」
単に相槌を打つだけでなく、また相手の話に迎合するだけでなく、「読みが深いですね」「説得力のあるお話です」「数字に強いですね」といった言葉をつけ加えたいものです。
相手の話をほめる表現
●「何でも本当によくご存じですね」
●「さすが早耳ですね(さすが情報ツウと言われる○○さんですね)」
●「発想が豊かですね」
●「意志が強いですね(努力家なんですね、芯が強いですね)
相手の動作をほめる表現
●「物腰がやわらかい方ですね」
●「本当に聞き上手な方ですね」
●「思いやりがある方ですね(人の痛みがわかる方ですね)」
●「仕事が早いですね(行動力がありますね、エネルギッシュですね)」相手の見識をほめる表現
●「たくさんの引き出しをお持ちですね」
●「意外な一面をお持ちなんですね」
●「やはり経験が違いますね(やはり目のつけどころが違いますね)」
●「それはやはり、○○さんの人徳やキャリアによるものだと思います」
決めのひと言
「説得力がありますね」
「見識の深さ」や「説明能力」を評価する
■三流と二流は直接、一流は間接的にほめる
誰かに直接、「お前、いいやつだね」とか「根性があるね」などとほめられると嬉しくなるものです。
「○○部長、君のことを『本当に芯の強いやつだ』とほめていたよ」
「取引先のA社の専務が、あなたのことを『可能性が低いことでもあきらめないアグレッシブな人間だ』って高く評価していたよ」
などと言われると、部長から直接、ほめられた以上に嬉しくなって、「また頑張ろう」という気持ちになるものです。
逆を言えば、誰かを間接的にほめるという行為は、直接ほめるのと同じか、それ以上に、人間関係を円滑にする、ということになります。
■本人に伝わったときに喜ばれる言葉
A「彼(彼女)は、とてもいいね」
B「彼(彼女)は、気が利くところがとてもいいね」
C「彼(彼女)は、細やかな気配りができ、気が利くところがとてもいいね」
これらの言葉が、第三者を介して、彼(彼女)本人に伝わった場合、もっとも嬉しく感じるのはCです。A~Cの中でもっとも具体的にほめているからです。
「よく頑張る」「面倒見がいい」「包容力がある」など、ほめる内容はケースバイケースだとしても、その内容を具体的にほめたいものです。
相手が耳にしたとき嬉しくなる間接的にほめる表現
●「彼(彼女)は、会う人によって発言を変えたりしない裏表がない人だ」
●「彼(彼女)は、後輩のミスを細かくあげつらったりしない器の大きい人だ」
●「彼(彼女)は、多様な意見にしっかり耳を傾ける包容力のある人だ」
●「彼(彼女)は、企画も営業もこなせる、なくてはならない存在だ」
●「彼(彼女)は、けっして実績をひけらかしたりしない、良くできた人間だ」
●「彼(彼女)は、欲しいものをサッと出してくる、実に気が利く人だ」
決めのひと言
「彼(彼女)は○○の点がいいね」
第三者を介して相手の耳に入れば、彼(彼女)との関係が好転する
■ほめられた時、あなたはなんて返す?
相手からのほめ言葉に対して、きちんと反応することも大切なポイントです。ただ照れるのではなく、謙虚に、かつ感謝の意を込めて言葉で返すというのが、ほめてくれた相手への気遣いでもあります。
「今回の成功は、君が先方と粘り強く交渉を続けてくれた成果だよ」
A「ありがとうございます」
B「とんでもないことでございます」
C「とんでもないことでございます。かえって恐縮してしまいます。部長をはじめスタッフ全員の頑張りがあってのことです」
Aの場合、「君のおかげだ」というほめ言葉を、そのまま肯定した形です。Bになると謙虚さが加味されますが、Cには「成功できたのは自分一人の力ではない」という言葉が加わった分、一流の返し方と言えます。
決めのひと言
「成功できたのは、上司やみんなのおかげ」
「自分は普通」と位置づけて他者をほめるのがコミュニケーション強者
(初公開日:2025年11月7日)
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清水 克彦(しみず・かつひこ)
政治・教育ジャーナリスト/びわこ成蹊スポーツ大学教授
愛媛県今治市生まれ。京都大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。文化放送入社後、政治・外信記者。ベルリン特派員や米国留学を経てキャスター、報道ワイド番組チーフプロデューサー、大妻女子大学非常勤講師などを歴任。現在、TBSラジオ「BRAND-NEW MORNING」コメンテーターも務める。専門分野は現代政治と国際関係論。著書は『日本有事』、『台湾有事』、『安倍政権の罠』、『知って得する、すごい法則77』ほか多数。
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(政治・教育ジャーナリスト/びわこ成蹊スポーツ大学教授 清水 克彦)

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