※本稿は、堀江昭佳『生命力を高めなさい』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
■昼に短く寝て、夜に長く眠る
昼寝をすると夜、眠れなくなりそうな気もしますが、これは逆です。
30分以内の昼寝は夜の眠りへの悪影響などなく、睡眠中の脳の大掃除をパワーアップし、睡眠の質を高めるのです。
スペインやギリシャなど地中海地方の昼寝習慣であるシエスタは有名ですし、東南アジアや中国、台湾などにも昼寝の習慣があります。
以前、1年ほど台湾に住んでいたときに、中国語の語学学校に通っていたことがあるのですが、お昼になると職員室の電灯が消されて、先生たちが机にうつ伏せになって昼寝をとっている姿がとても印象的でした。
現代人の多くは夜にまとめて眠る生活をしていますが、本来の人間の睡眠リズムは昼に短く寝て、夜に長く眠るスタイルだと言われています。お昼過ぎに眠気が出るのも脳の覚醒レベルが下がる影響で、とても自然なことなのです。
■昼間の眠気は体からの「休め」のサイン
実はこのお昼の眠気には、睡眠ホルモンのメラトニンは関係しません。
朝起きてから生命エネルギーであるATPが使われていくと、アデノシンという分解物が溜まっていきます。このアデノシンが「そろそろ休もう」というサインを出し、覚醒の神経系が抑えられるために眠気がでるようになっているのです。
実際に眠りを促すように、体温、血圧、認知機能も一時的に低下。
アメリカ航空宇宙局(NASA)の研究では、26分間の昼寝が最も効果的で、とらなかった場合と比較して、注意力が54%アップ、作業効率が34%アップすることがわかっています。
それだけでなく、長期的に見ても健康に対してよい影響があります。
2万3681人の健康な成人を平均6.3年追跡調査したギリシャの研究で、週に3回以上、30分の昼寝をする人はしない人に比べて心臓疾患による死亡リスクが37%低下したことが明らかに。さらに、30分以内の昼寝が認知機能の維持や認知症リスクを下げることも示されています。
ただし、昼寝には次の2つの重要なルールがあるので気をつけてください。
■30分以上、午後3時以降の昼寝は逆効果
①30分以内にとどめる
②午後3時までに終える
これを超えると逆効果になります。
30分以上の昼寝や、午後3時以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響を及ぼすだけでなく、心血管死亡率や認知症リスクを高めてしまいます。
特にこの昼寝を特におすすめしたいのは、仕事が終わったら疲れてダウンしてしまう方や、夕食後にうたた寝をしてしまう方です。
漢方相談に来られていたKさんも、そんな方でした。
「7時間寝ているのに、いつもしんどいです」
とお話しされていたので、どうもおかしいなぁと思ってよく聞いてみたところ、まさにこのタイプでした。
夕方の仕事終わりが死にそうに眠くて、なんとか夕食を作るけど、食べたあとはソファで沈没されていたのです。
そこで、昼間にデスクにうつ伏せになって寝ることをおすすめしたところ、劇的に症状は改善。うたた寝もなくなり、まとめて7時間眠れるようになったことで、体調がものすごくよくなられました。
たかが昼寝、されど昼寝です。
気をつける点はありますが、昼寝はしないよりしたほうが断然いいのは間違いありません。昼の短い睡眠を上手に取り入れるのが、夜の熟睡と生命エネルギー回復の秘訣なのです。
■眠気を遠ざける「カフェイン」との付き合い方
眠りによいことを取り入れるだけでなく、眠りを遠ざけるものに気をつけることも大切です。
その代表がカフェインです。
眠気を追い払いたくて飲むカフェインですが、使い方を間違えると熟睡できなくなってしまいます。実際に、夜に目が冴えて眠れなくなってしまった経験がある方も少なくないでしょう。
カフェインで眠気が取れる効果は、生命エネルギーと関係しています。
生命エネルギーであるATPは使われると、アデノシンという分解物が溜まり眠気が出ます。
カフェインは、このアデノシンを体が感じないようにブロックすることで眠気を覚ましています。要は、生命エネルギーの低下を誤魔化して、元気になったように錯覚させているのです。
■カフェインは半分に分解されるのに5~7時間かかる
疲れて眠気が出ているのは、生命エネルギーが足りなくなって体が睡眠を求めているためです。それを無理やり錯覚させてがんばらせることが、体に良いわけがありません。
一時的に元気になった気がしますが、これはあくまで眠気をマスクしている状態です。体のエネルギー不足は解消されないまま無理に活動を続けることになるので、使い方を誤ると回復の妨げになってしまいます。
そのうえ、大量に摂り続けるとなると、もう大変です。
安全なカフェインの摂取量は、1日に400mg、コーヒーだと4杯分までとされます。個人差も大きいので、もっと少ない量でも安全を脅かしたり、不眠につながることもあります。特に、エナジードリンクやサプリなどで大量に摂ることは大きな危険につながりかねません。
くれぐれも気をつけてください。
さらに、カフェインは半分に分解されるのに5~7時間かかるため、血中に長く残る性質があります。
コーヒー1杯に含まれるカフェイン量は約100mgですが、15時にコーヒーを1杯飲むと22時の段階で約50mgが血液中に残ります。これでやっとカフェインの効果が切れるのです。
■「コーヒー1杯を飲んでから30分の昼寝」が最強
寝る時間になってもカフェインが多く血液中に残っていると眠気を感じにくくなるだけでなく、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が抑えられ寝付きが悪くなります。
さらに中途覚醒や深い睡眠が減るため、熟睡感が得られず翌日のだるさや眠気につながってしまうのです。眠りの質が悪いと感じる方は、カフェインの入った飲み物は遅くとも15時までにしておきましょう。
とはいえ、カフェインは決して悪者ではありません。
あえて昼寝をする直前にコーヒーを1杯飲むコーヒーナップという方法もあります。
カフェインは効果が出るのに20~30分かかるので、30分以内の昼寝と組み合わせると、目覚めもすっきりして午後の仕事のパフォーマンスが一段と高まるのです。
美味しいコーヒーはストレス発散になりますし、緑茶や紅茶を楽しむのは暮らしの彩りでもあります。喫茶店やカフェなどカフェインは文化とも深く関わりますし、ぼくももちろん大好きです。
味方にするか敵にするかは、自分次第。カフェインは飲み方に気をつけて、上手に楽しんでいきたいものですね。
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堀江 昭佳(ほりえ・あきよし)
漢方薬剤師
島根県出雲市出身。出雲大社参道で100年続く老舗漢方薬局・堀江薬局の4代目漢方薬剤師、一般社団法人日本漢方薬膳協会代表理事。薬学部を卒業後、薬剤師となったのち方向転換し、本場中国の漢方医から学ぶ中、不妊に悩む友人の相談を受けたところ、漢方で妊娠したことに感動し、婦人科系の分野、なかでも不妊症を専門とするようになる。体の不調の解消だけではなく、本人の抱えている常識や執着といった束縛からの「心の解放」を終着点としている漢方薬剤師。著書にシリーズ60万部を突破した『血流がすべて解決する』(サンマーク出版)がある。
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(漢方薬剤師 堀江 昭佳)

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