※本稿は、藤本梨恵子『なぜか機嫌がいい人がやっている100の習慣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。
■エリート風な人がコーヒーを溢すと好感度アップ
完璧に書類を作成しようとして、いつも提出期限ギリギリになる……。
完璧な説明をしようとして、話が長くなってしまう……。
こんな経験はありませんか?
「完璧にしなければ……」と思うと、つい肩に力が入ってしまいます。
楽しめる程度の緊張ならよいのですが、実力を発揮できず、不自然な振る舞いになるとうまくいきません。
実は、完璧な人は威圧的で近寄りがたいものです。
心理学の実験でも、エリート風な人がコーヒーを溢したほうが、溢さない時より好感度がUPしたという結果があるほどです。
スキがある方が人間らしくて愛されます。
だから、自慢話より、失敗談を語る人が信頼されます。
工場の部品のように、澱みなく、歪みなく、均一なものは人工的です。自然界は、木でも川でも直線的なものは存在しません。
■個性が消えるくらいなら、自然体でいるほうがいい
侘び茶を確立した千利休の逸話があります。
師匠から庭の掃除を頼まれた利休。しかし庭は塵一つなく整えられ、なにもすることがないように思われました。そこで、利休は木を揺らし、葉を地面に点々と散らした。
それをみた師匠は庭に風流を添える利休の才能にすっかり感心し、さらに熱心に指導したと伝えられています。
塵一つ落ちていない庭は、完成されすぎていて、退屈だったのです。
枯葉が自然に舞い散っている程度が、遊び心があって、美しいのです。
アメリカの思想家、ラルフ・ワルド・エマーソンは「完全を求めることは、人間の心を悩ませるこの世で最悪の病である」と言っています。
完璧を求めて、緊張し、個性が消えてしまうくらいなら、自然体のあなたでいる方がいいのです。自分も周りの人も気分よく過ごせます。
あなたらしさという凹凸を愛することが大切です。
自然体の自分を愛そう!
■期待せず生きられるのが成熟の証
大きな期待は、不機嫌を招きます。
例えば、上司が部下に「資料送っておいて」と頼んだ時、パンフレットも同封するのが当たり前と期待した場合、部下が同封しなければ「それくらい言わなくてもわかるだろう!」と不満を抱き、怒りに変わります。部下は「なら、最初から言ってよ」と思ってしまいます。
「怒り」は第二感情です。その前に必ず「期待」という第一感情が存在します。
期待がなければ、不満も生まれません。
家庭でも、夫が洗濯物のシャツの皺を伸ばさずに干して、妻に怒られることがあります。
シワになるとアイロンがけが必要になり、妻の負担が増えます。だから妻は、「それぐらい言わなくても察してよ!」と思ってしまうのです。
実は、「もっと察してよ!」「もっと気遣って」というのは子供が親に抱くような甘えで、身近な人に抱きがちです。でも、心の中は本人しかわかりません。
「言わなくてもわかるよね?」ではなく、「言わないとわからない」が真実です。
だから、不機嫌に振る舞うより、自分の希望を相手にリクエストするほうが賢明です。
人は成熟すると期待せず生きられるようになります。
未来を予測して、自分の期待通りになることを望むのではなく、ただあるがままに起こる出来事を体験し楽しむのです。
■芸人で相方が噛むのは「おいしい」
この悟りに近い境地にどうしたらなれるのでしょうか?
ある芸人さんの話がヒントになるかもしれません。ある芸人さんは相方が漫才で言葉に詰まるとイライラしていました。練習通りではないからです。
ある日、先輩漫才師から「噛んでも、怒るな。それを突っ込んだら、もう1つ笑いが取れる。噛もうと思って、噛めるもんじゃないからオモロイやないか」と言われ、目から鱗が落ちたのです。
それからは、相方が噛んでもおいしい(=ありがたい)と感じるようになったといいます。
「物事が期待通りに進めば良し。期待通りにならなければ、なお素晴らしい」と思い、想定外の出来事を楽しめれば、機嫌良くいられるはずです。
想定外を楽しもう!
■文句をつけず、リクエストする
怒りや不安などネガティブな感情を我慢するのは、トイレを我慢するようなもので、体にも心にも良くありません。
かといって、感情を爆発させるのはトラブルの元です。他人とトラブルになりやすい人は、ネガティブな感情を我慢するか、感情的に相手を責めるか、選択肢が2択です。伝え方を工夫すれば、もっとラクに生きられます。
感情を押し殺さず、相手も不快にしない伝え方にIメッセージがあります。
Iメッセージとは「私」を主語にした伝え方です。
反対にYOUメッセージは相手を主語にして話すことです。
違いをみてみましょう。
YOUメッセージは相手を批判するニュアンスが含まれます。
人が苛立ちを覚える時は、必ず、その前に期待があります。「怒り」は第二感情。第一感情は「期待」といわれるのはそのためです。Iメッセージは「怒り」を伝えず、「期待」を伝え、相手があなたに貢献したいという意欲を引き出します。
私を主語にしても「私が忙しいのを察して、少しは手伝ってよ!」と相手を批判したり、強要するニュアンスを含めるのはNG。人は強要されるのが嫌いです。相手に配慮するからこそ、あなたも配慮されるのです。
Iメッセージで伝えよう!
■オセロのような白黒思考では生きづらい
怒りっぽい人と穏やかな人ではどんな違いがあるのでしょうか?
実は、白黒思考が強いと怒りっぽくなると言われています。
白黒思考はゼロ100思考とも呼ばれ、白か黒か、全か無か、好きか嫌いか、正しいか間違いか、敵か味方かなど物事を極端に考え、曖昧さを許せないという特徴があります。
常に勝ち負けにこだわる、人間関係を敵味方に分ける、他人の些細なミスも許せない、などの傾向が強くなってしまうので生きづらさを感じます。
では、なぜ、白黒はっきりしないと気が済まないのでしょうか?
実は、人は曖昧さを許す方が難しいのです。
脳はわからないことが苦手です。わからないことはコントロールできず、危険と感じやすいからです。だから、「あの人は、いい人かもしれないし、悪い人かもしれない」と葛藤するより、「あの人は敵」とラベルを張って付き合わない方がラクなのです。
心理学では、はっきりしない状況や予測できない事態でも過度に不安を感じず、中途半端なまま物事に対応できる力のことを「曖昧さ耐性」といいます。
「曖昧さ耐性」の高い人=曖昧さを受け入れることができる人の方が、ストレスに強く、幸福度が高いという研究結果が出ています。
■ご機嫌な人の言葉づかい
「曖昧さ耐性」が高い方が、不確実な状況を新たなアイデアや解決策を生み出すチャンスと捉え、積極的に挑戦し、過度に不安にならず冷静に対処できます。だから「曖昧さ耐性」の高いマネージャーがいる組織の方が、高い収益性を上げられるといわれています。
「曖昧さ耐性」を高めるには、自分ならこの中途半端な状態でもなんとかなるという自分に期待する「効力期待」と、この仕事は成果はでないかもしれないけど、自己成長につながる、などといい結果になることを期待する「結果期待」が大切です。
また、白黒思考を卒業し、曖昧さを受け入れるには、まず口癖を変えましょう。「絶対に」→「なるべく」、「~に違いない」→「かもしれない」など断定的な口癖を柔軟性のある口癖にかえます。繰り返した言葉はあなたの考えや信念になるからです。
曖昧さを許そう!
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藤本 梨恵子(ふじもと・りえこ)
ファイン・メンタルカラー研究所代表
NLP心理学を中心にコーチング、カウンセリング、マインドフル瞑想などの手法を習得し統合。その手法を生かし、キャリアカウンセラー・講師として独立。各企業・大学・公共機関の講演の登壇数は2000回を超え、婚活から就活まで相談者数は1万人を超えている。コーチング、パーソナルカラー、カラーセラピスト、骨格診断ファッションアナリスト等のプロ養成講座の卒業生は500人を超え、個人診断においては1000人を超える。著書に『いつもよりラクに生きられる50の習慣』(かんき出版)などがある。
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(ファイン・メンタルカラー研究所代表 藤本 梨恵子)

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