※本稿は、中園ミホ『60歳からの開運』(扶桑社)の一部を再編集したものです。
■周りと自分を比べてもやもやしていた40代
私は40代の頃、まわりと比較してもやもやしていた時期がありました。自分の境遇と比較して、成功している人のことを羨ましいとか、妬ましいと思うこともありました。
すごくお金持ちの人と結婚して海外の豪邸に住んでいるお友だちや、翻訳家として活躍している同級生とか、そういった人に憧れたり、羨んだり、「どうして私はああじゃないのかしら」なんて思ったりしていたのです。
でも、50歳くらいになったら、「もう私はこう生きるしかない」と思うようになりました。
取材などでは「やりたいことは『結婚』」なんて話してもいましたが、それももうあまり思わなくなって、「自分は結婚には向いていないんだわ」と、ある意味、諦めがつくようにもなりました。
子どもの頃は、60歳といえば子どもが成長して孫ができている、そんなおばあちゃんになった自分を勝手に思い描いたりしていました。ところが、私は34歳で出産して、しかも未婚で母ですから、その段階ですでに軌道がずれてきました。
それでも40代くらいまでは、ここから修正できるかもしれないと思ったこともありましたが、50歳くらいから、そんな未練も手放した気がします。
■「無理はしない」と決めたら楽しくなった
無理はしないでおこう。自分を捻じ曲げてまで世間の形に合わせるのはやめよう。
そう思った途端、羨んでいた友だちとも仲良くなれるようになって、旅行に行ったり、心から笑い合って楽しく過ごせるようになりました。
どうやら女性には特に結婚している、していない、子どもがいる、いないとか、いろんなことでもやもやして仲良くなれない時期というものがあるようです。
旅行に行っても、「私は頑張って自分で稼いだお金で来ているけれど、あの人はご主人のお金で来てるのよね」とか、子どもがいない人の前で子どもの話はしてはいけないんじゃないかと気を遣ってしまったり。お互いにそういう「もやもや」を抱えていたと思います。
男性の場合は、どこに勤めているかとか、出世しているか、家をどこに建てたかなどで、もやもやが溜まってしまうかもしれません。
けれど、50歳を過ぎてみると、子どももみんな手が離れてくるし、夫が成功しているとかいないとか、仕事で何をしているかとか、どこに住んでいるかとか、あまり関係なくなってきました。
私は、同級生とのLINEグループがあるのですが、毎日のように中学生みたいなたわいもない話題や冗談で盛り上がっています。そういうふうになれたことが、今の自分を表している気がします。
■60歳を過ぎたら達観が大事になる
美輪明宏さんは若い頃に激しい誹謗中傷を受け、それを乗り越えてこられた方です。
美輪さんは、「どんなに幸せそうに見えても、どんなに羨ましく思えても、その人は同じだけの負を引き受けているもの」とおっしゃっています。
「なんであの人ばかりあんなに幸せなのかしら」「それに比べて私はなんでパッとしないのかしら」とマイナスのことばかりを考えるより、「あの人はその分、何か人に言えないつらいことがあるのだろう」と思って、気にしない方がラクです。
それに、私は占い師としてさまざまな人の相談に乗ってきたので分かるのですが、「成功者の裏には闇がある」というのは、なかなか当たっているのです。
ですから、まわりと比較しても意味はありません。どこまでいっても、自分は自分にしかなれないのです。
私も60歳を過ぎて、諦めというか開き直りというか、達観みたいなものは大事だと感じています。逆に、いくつになっても諦めがつかずにいると、ずっと同じもやもやを抱え続けることになります。それでは、せっかく新しく迎える2周目の運気の波も逃してしまいます。
2周目の人生は、ぜひ自分のご機嫌を取ることに集中して、心やすらかに過ごしましょう。
■過去のヒット作を焼き直そうとは思わない
私が41歳の時に書いた『やまとなでしこ』という作品は、放送当時は社会現象のように言われましたし、最高視聴率も30%超の大ヒットとなりました。コロナ禍に特別編として地上波で再放送された時は、若い世代からも支持があったようで、やっぱり頑張って作ってよかったなと、今でも思える作品です。
ただ、過去の作品が好評だったからといって、同じようなものをまた作ろうとは思いません。実際、「『やまとなでしこ』のようなドラマをまたお願いします」と言われることがないわけではないのですが、もう桜子のようなブランドもので身を固めたヒロインが、若い人の価値観に合うとは思いません。
だからと言って、若い人に媚びたような作品を作るつもりもありません。自分が新鮮だと感じる方へ、変化を恐れずに成長していく方へ、進んでいきたいと思います。
そのためには、やはり自分自身が脱皮していかないといけないし、感性を磨いて、年齢を重ねた分だけ変わっていかなければならないと思います。
■若い頃の成功体験に執着してはいけない
きちんと年を取るというのは、意外と難しいものです。
過去の栄光にしがみつき、若い世代に成功談を聞かせて、尊敬しろと威張ってみたりする。そういう人を見かけたりすると、悲しくなります。そんな年の取り方をするくらいなら、むしろ昔の成功なんてなかった方がよかったのでは、とすら思います。
人生を常に新しくしたい、これからやってくる運気の波に乗りたいのであれば、過去の栄光はいち早く捨て去ってください。
同じ場所にいると運気も停滞しますし、いつまでも昔の自慢話ばかりでは尊敬などされようもありません。次第に腫れ物扱いになり、「なんでこの私が」と機嫌もどんどん悪くなっていきます。
逆にすっぱりと忘れた方が、自分にはこの先何ができるんだろうと挑戦し続けることができるし、成功にとらわれることなく、自分がやりたいことを追い求めていけます。やなせたかしさんが、そうやって『アンパンマン』を描き続けたように。
また、身近なところで言うと、髪型や服装が若い時のままという人も見直した方がいいかもしれません。本当に好きなファッションならばいいのですが、20代の頃の自分のままだと思い込んでいるのなら要注意です。
何かを捨てなければ、新しい運は入ってきません。
60歳からの2周目の人生の準備として、40代、50代のうちに「過去の栄光」への執着はどんどん捨てていきましょう。
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中園 ミホ(なかぞの・みほ)
脚本家
東京生まれ。日本大学芸術学部卒業後、広告代理店勤務、コピーライター、占い師の職業を経て、1988年に脚本家としてデビュー。2007年に『ハケンの品格』が放送文化基金賞と橋田賞を、2013年には『はつ恋』『Doctor-X 外科医・大門未知子』で向田邦子賞と橋田賞を受賞。その他の執筆作に『For You』『Age, 35 恋しくて』『やまとなでしこ』『anego』『下流の宴』『トットてれび』『七人の秘書』『ザ・トラベルナース』連続テレビ小説『花子とアン』同『あんぱん』大河ドラマ『西郷どん』など多数。また、現在も占い師としての活動を継続中で、エッセイ『占いで強運をつかむ』『相性で運命が変わる 福寿縁うらない』(ともにマガジンハウス)、『強運習慣100』(エクスナレッジ)の執筆や、公式占いサイト『解禁!女の絶対運命』の監修も手掛ける。
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(脚本家 中園 ミホ)

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