■「親が期待を手放す」と良いスタートが切れる
新しい年が始まると、どうしても「今年こそは」という気持ちが強くなりますよね。「3学期からは行けるかも」「4月からは心機一転できるかも」。そんな親御さんの期待感は、お子さんの背中を押すエネルギーになることもあれば、逆に重たいプレッシャーとなり、お子さんの足をすくませてしまうこともあります。
大切な時期だからこそ、まずは親御さん自身の心の状態を点検し、より良い親子関係の土台を作っておくことが重要です。
具体的な方法についてお話しする前に、僕が実際に見てきた、あるご家庭の変化をご紹介します。
以前、新学期を前にして「子どもが学校に行くかどうか」で毎日胃が痛くなるほど悩んでいたお母さんがいらっしゃいました。彼女はそれまで、不安のあまり「来週から学校だよ」「準備はできてる?」と、お子さんをせっついたり、顔色を伺ったりしていました。しかし、お子さんは部屋にこもり、昼夜逆転は直らず、会話も減る一方でした。
そこで、彼女はアプローチをガラリと変えました。お子さんを動かそうとするのをやめ、まずは自分自身の心を整えることに集中したのです。
「もし学校に行かなくても、この子の人生が終わるわけじゃない」「私が笑顔でいることの方が大事だ」
そう腹をくくり、朝は自分のために温かいコーヒーを淹れてゆっくり飲む時間を作ったり、好きな趣味の時間を持ったりして、自分に「ゆとり」を持たせました。すると、不思議なことが起きたのです。
親御さんから発せられるピリピリとした「期待」や「圧力」が消えたことで、お子さんがリビングに降りてくる時間が増えました。そしてある日、ボソッとこう言ったのです。
「……俺、3学期からちょっと行ってみようかな」
親に言わされたのではなく、自分の意志でそう決めたお子さんは、そこから少しずつ登校を再開し、今では自分のペースで進路に向き合っています。これは奇跡ではなく、親御さんが「期待」を手放し、安心できる土台を作ったからこそ起きた、必然の変化なのです(参考:図表1「親が期待を手放すと子どもが動き出すメカニズム)。
では、逆にうまくいかないケースとはどのようなものでしょうか。親御さんがやってしまいがちな、よくある2つのパターンを見てみましょう。
■ケース① 期待からプレッシャーをかけてしまう
「○日から学校だよ」「そろそろ生活習慣を戻そうね」新学期が近づくと、つい先回りして声をかけてしまうことはありませんか?
もし、お子さんがその声掛けを歓迎し、「そうだね、頑張るよ」と返してくれるなら問題ありません。しかし、返事がなかったり、不機嫌になったりする場合、それはお子さんにとって「強烈なプレッシャー」になっている可能性が高いです。
親御さんは「背中を押してあげないと動けないんじゃないか」と心配になりますが、お子さんはその期待を感じれば感じるほど、ストレスを溜め込みます。一時的に無理をして登校できたとしても、結局続かなくなったり、心を閉ざして部屋にひきこもってしまったり……。
■ケース② 「どうせ今年も無理」と諦めている
一方で、「もうこの子は今年度中は無理だろう」「どうせ行かないんでしょ」と、強く諦めてしまっているケースもあります。
実はお子さんは、心の奥底で「なんとかしたい」「変わりたい」ともがいていることが多いのです。それなのに、一番近くにいる親から「あなたには無理でしょ」という空気を感じ取ってしまうと、「自分は親に信じてもらえていない」「やっぱり自分はダメなやつなんだ」と自信を喪失してしまいます。
親の「諦め」は、お子さんの「変わりたい」という小さな種を踏みつけてしまうことにもなりかねないのです。
■親ができる最高の新学期準備
「期待しすぎてもダメ、諦めてもダメ。じゃあどうすればいいの?」と混乱してしまいますよね。ここで大切になるのが、「最悪のシナリオを先に受け入れておく」という心の準備です。
もし、3学期が始まっても学校に行かず、昼夜逆転してゲーム三昧の日々が続いたとしたら……。親として、どんな気持ちになるでしょうか?
「学校に行かせられないダメな親だと感じる」「将来への不安で押しつぶされそうになる」「イライラして爆発してしまう」
想像するだけで嫌な気持ちになるかもしれません。しかし、その「嫌だ」「不安だ」「怖い」という感情から目を背けずに、しっかりと感じてあげることが重要なのです。不思議なもので、しっかりと感じると受け入れることもできるようになります。
自分の不安から目を背けたまま、「学校に行きなさい」と言葉だけでコントロールしようとしても、お子さんにはその裏にある親の不安がすべて伝わってしまいます。逆に、親御さんが「もし学校に行かなくても、最悪死ぬわけじゃないし、この子の人生が終わるわけじゃない」と腹をくくり、その不安を受け止めることができれば、お子さんへの過剰な干渉やプレッシャーは自然と消えていきます。
親がドシッと構えていると、お子さんは安心して自分のペースで「じゃあ、どうしようかな」と自分の人生に向き合えるようになるのです。
■自分に「ゆとり」を与える
年末年始は、親戚付き合いや仕事始めなどで、親御さん自身も余裕をなくしやすい時期です。親が忙しくてイライラしていると、どうしてもお子さんへの当たりが強くなってしまいます。
だからこそ、まずは親御さん自身が自分に「ゆとり」を持たせてあげることを最優先にしてください。
● 朝、10分だけでも温かい飲み物を飲んでホッとする時間を作る
● ほんの少し、近所を散歩してみる
● 寝る前に簡単なヨガやストレッチをする
たったそれだけのことでいいのです。自分を労り、心に余白を作ることで、お子さんの状態に一喜一憂せず、落ち着いて接することができるようになります。
■あらかじめシミュレーションしておこう
2026年、不登校・ひきこもりとサヨナラし、本質的な解決へと向かうために、ぜひ取り組んでいただきたいワークがあります。心を整理するための「未来想像ワーク」です。下記のワークシートを印刷して、書き出してみてください(画像1)。
「最悪」も「最高」も、どちらが起きても大丈夫。
今年も一年、皆様の歩みが穏やかで、希望に満ちたものになりますように。一緒に一歩ずつ進んでいきましょう。
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そたろう(そたろう)
不登校ひきこもり専門カウンセラー
20代の頃、理学療法士として働く傍ら、夫婦関係や仕事に行き詰まったことをきっかけに自分が心の問題を抱えていることに気づき、心理学を学び始める。その過程で自己受容の大切さを知る。2019年、子どもを受容する声かけなどを指導する「不登校ひきこもり専門カウンセラー」今野陽悦さん〔今野陽悦『学校に行けない子どもに伝わる声がけ』(WAVE出版)〕に出会い、仕事を手伝いはじめる。2022年に独立。累計300人、約8000回(2025年9月末時点)のカウンセリング実績のなかで、不登校を本質的に解決する具体的なメソッドを構築。自身のYouTubeチャンネル「不登校ひきこもり解決そたろう」で発信を行っている。クライアントの9割が自分自身を大切にすることを学ぶなかで、家族関係が改善し、子どもが再登校をしたり、社会復帰するなど問題解決を果たしている。著書に『親が変わると、世界が変わる 不登校・引きこもりを本質的に解決したある母の物語』がある。
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(不登校ひきこもり専門カウンセラー そたろう)

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