■無神経な義母にイライラを隠せない妻
義実家での何気ない一言に、心をえぐられた――。世の妻たちには、多かれ少なかれそういった苦い記憶があるのではないでしょうか。とくに子育てに関する話題は、姑の経験や価値観が強く表れやすく、知らず知らずのうちに「否定」や「マウント」になってしまうことも少なくありません。
今回は、無神経な姑がよく口にする「子育てマウント発言」をピックアップ。実際に私が見聞きした、嫁たちの心が乱されたエピソードとともにご紹介します。
■古い価値観の押し付けにウンザリ
子育てマウント①「3歳までは保育園に預けたらかわいそう」
まずは、かつて日本でささやかれていた「三歳児神話」を、姑が押し付けてくるケースです。
産休を終えたA子さん(30代)は、仕事復帰に伴い、保育園に預けることを姑に伝えました。すると、姑から返ってきたのは、こんな言葉。
「3歳まではお母さんが家で育てないとダメよ」
「そんなに早く預けたら、子どもがかわいそう!」
いまや時代遅れと化した「三歳児神話」を、そのまま嫁に当てつけた発言です。
「三歳児神話」とは、主に1960年代の高度経済成長期の頃に広まった考え方です。当時は、女性は結婚したら仕事を辞めて家庭に入り、専業主婦になることが一般的な時代。
こうした時代背景から、「子どもは3歳まで母親が家庭で育てないと、健全な成長ができない」といった価値観が生まれ、「三歳児神話」が語られるようになったのです。
■モヤモヤしても姑に言い返せないツラさ
厚生労働省も「三歳児神話に合理的な根拠はない」としており、子育てにおいては、母親でなくても誰か安心できる家族などの大人が、愛情を持って関わることが重要とされています。
信頼できる保育園やシッターさんなどを利用して多様な大人や環境と触れ合うことも、子どもの社会性や心の安定に繋がるのです。
共働き世帯が増え、育児の選択肢が多様化している現代においても、姑世代の中にはいまだに「母親は家にいるべき」という価値観が根強く残っている場合があります。
姑から「私は子どもが3歳になるまで、ずっと家にいたわよ」と、今とは時代の違う自分の時の育児を“正解”として押し付けて来られたら……。内心、「共働きでやっと生活が回ってるのに」「私だって好きで預けるわけじゃないんですけど!」と、モヤモヤしても姑に向かってはっきり言えるわけでもなく、ストレスが溜まる一方です。
■古臭い子育て論…嫁の我慢が限界突破
子育てマウント②「抱き癖がつくわよ」
子どもが泣いた時や寝かしつける時、抱っこをする。それは多くの母親にとって、美しく自然な行動です。しかしB子さん(20代)は、姑にこんな口出しをされたと愚痴ります。
「そんなに抱っこしてたら抱き癖がつくわよ」
「泣けば抱いてもらえるって子どもが覚えると良くない」
この発言の背景には、戦後の日本で良く言われていた「抱き癖は甘やかす=良くない育児」という古い価値観が垣間見えます。さらには「よく泣かせた方が、肺が鍛えられる」なんて言ってくることも。
しかし現代では「抱き癖はつかない」という考え方が主流です。むしろ、泣いたときに抱っこすることは、親子の信頼関係や愛着形成、情緒の安定につながり、赤ちゃんの健やかな成長に良い影響を与えると考えられています。
昔の言い伝えを、現代でもなお嫁に押し付けてくる姑の発言に、嫁は呆れてしまいます。世代間の価値観の違いから、嫁姑の関係に頭を悩ます嫁は少なくないのです。
■「私たちは大変だった」という苦労マウント
子育てマウント③「紙おむつはラクよね~」
現代の便利な育児グッズを「手抜き扱い」するケースです。C子さん(30代)が子育て中に、紙おむつや缶ミルクを使っていると、姑からよく聞かれるのが、この言葉。
「今は便利でいいわよね」
「私の時代は布おむつで、洗濯が本当に大変だったのよ」
「缶ミルクだなんて! 昔は粉ミルクとお湯を持ち歩いて、飲ませるたびに作っては冷まして大変だったのに」
一見、昔話のように聞こえますが、その裏には「私たちは育児に苦労をした」「あなたはラクをしている」という比較が含まれています。こうした「苦労マウント」にC子さんはうんざり。
育児に便利なグッズを使うことは、決して手抜きではありません。むしろ便利になった分、余裕を作り出し、子どもと向き合ったり、家事や育児、仕事に時間が使えるので、活用できることは大いに活用した方が良いでしょう。それでも繰り返し「手抜き扱い」をされると、嫁は自分の育児を否定されているように感じてしまいます。時代も環境も違うのに、「苦労した私」を基準に評価される理不尽さに、嫁はもどかしい気持ちでいっぱいになるのです。
■「私は産む機械なのか」と悩む嫁
子育てマウント④「次は男の子ね」
出産直後から始まる「次の子孫の催促」。D子さん(20代)が無事に出産を終え、娘が生まれたことを報告すると、姑が口にしたのは祝福ではなく、次の要求でした。
「次は男の子ね」
さらに、産後3カ月で義実家を訪れた際には、
「早く次を産まないと」
「やっぱり男の子の後継ぎがいないとねぇ」
体も心も回復しきっていない時期に言われるこの言葉は、嫁にとって大きな負担となります。ただでさえ、これから大変な育児が待っているというのに、です。
子どもを産んだ直後から次を求められることで、「私はこの子を産むための存在だったのか」と、自分は「産む機械」のように感じてしまう人も少なくありません。
正直、「跡継ぎが必要なほどの家柄なんでしょうか?」と、D子さんはふと疑問に思ってしまったと言います。
■嫁の子育てを全否定する鬼姑
子育てマウント⑤「甘やかすからこんな子に」
これは子育てを丸ごと否定する一言。義実家では、できるだけ穏やかに過ごしたいと考え、子どもを強く叱らないようにしていたE子さん(40代)。それを見た姑は、こんなセリフを言います。
「躾がなってないわね」
「あなたが甘やかすから、この子は言うことを聞かないのよ」
この言葉は、子どもの行動だけでなく、嫁の子育てそのものを否定する発言です。日々悩み、試行錯誤しながら向き合っている育児を、一場面だけ見て評価されることほど、つらいものはありません。
■嫁を無下に扱うと、孫に会えなくなることも
無神経な姑の“子育てマウント”に共通するものは、姑が自分の経験を絶対的な正解として扱っている点です。
時代も、環境も、家庭の事情もそれぞれ違います。それにもかかわらず、姑の古い物差しで嫁の育児を測ることで、無意識のうちにマウントを取って傷つけてしまっているのです。
嫁がブチ切れるのは、自分の育児を尊重されず、否定され続けた結果なのです。今の時代、嫁に愛想を尽かされると、孫に会わせてもらえなくなる人も少なくありません。孫を溺愛したいなら、嫁ごと大切に接するのがベストですね。
もちろん、夫が嫁と姑の間に入って関係を良好に保つことも重要です。問題が起きたら、姑には「自分の子育て論を押し付け過ぎないこと」を伝えましょう。そして「嫁の愚痴はしっかり聞くこと」を心がけましょう。
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田中 絵音(たなか・えのん)
一般社団法人日本合コン協会 会長
イベントプロデューサー。恋愛アドバイザー。2000回以上の合コンイベントに携わり、男女の恋愛心理に精通。婚活、デート、合コン、マッチングアプリなど、最新の出会いビジネスに詳しい。
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(一般社団法人日本合コン協会 会長 田中 絵音)

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