※本稿は、堀江貴文『僕が料理をする理由』(オレンジページ)の一部を再編集したものです。
■料理で手際の良い人、悪い人の差
料理をしていると、つくづく「段取り力」の必要性を感じる。
目の前の作業だけでなく、次にやるべきことを考えながら、冷蔵庫から材料を出したり、鍋を火にかけたり、片付けたりする。つまり、ただ手を動かすだけでは料理は回らない。
各工程をどうつなぎ、タイミングをどう読むか――全体をどう俯瞰するかが、料理の質を決める。とくに複数人で料理をすると、手際の良い人と悪い人の差は歴然としている。
「どのタイミングで誰が何をやるか」だけでなく、「誰が何に向いていそうか」「次に必要になる作業は何か」といった視点が求められる。どうでもいい工程に時間をかけていると、あっという間に全体が滞る。
全体を見ながらタスクを振り分けつつ、自分の手も動かす――そのために必要なのが「メタ認知能力」だ。
メタ認知とは、自分自身を客観的に見る力。「今、自分がどう動いているか」「その動きがチーム全体にどう影響しているか」といった視点で、状況を俯瞰する能力でもある。
■料理がうまい人は「メタ認知能力」が高い
僕自身、メタ認知能力はかなり高いほうだと思っている。
だから、全体の状況を見て、どこに自分のリソースを投下すべきかが判断できる。でもこれは、生まれつきのセンスではない。
数をこなしながら「全体を常に俯瞰する癖」を意識して身につけてきた感覚だ。この能力は、仕事にもまったく同じように生かすことができる。
「今、自分がやっている作業は、全体の中でどこに位置しているのか」
「自分が遅れると、誰にどんな影響が出るのか」
「先回りしてやっておけば、後工程が楽になることはないか」
こうした意識を持っているかどうかで、チーム全体の生産性はまるで変わってくる。
実際、僕のまわりでも、料理がうまい人、段取りが上手な人は、仕事もできる人が多い。これは偶然ではないと思う。料理という日常の中で、常に状況を俯瞰する癖がついているからだ。
■異世代と交流してメタ認知を鍛える
そして、このメタ認知能力を高めるために、僕が個人的に強くおすすめしたいのが「異世代との交流」だ。
会社の同僚や学生時代の友人とだけ付き合っていると、会話や段取りが読める前提で進んでしまう。でも、異なる世代や背景を持つ人と接することで、自分の言動や思考を、より客観的に振り返る視点が生まれる。
異世代と関わると、自分の言葉がうまく伝わらないことがあるし、空気を読みづらいこともある。そこに「ズレ」があるからこそ、自分の立ち位置や癖に気づける。僕が運営しているオンラインサロン「堀江貴文イノベーション大学校(HIU)」なんてまさに異なる環境・異世代が交ざる場づくりそのものだ。実践的なメタ認知訓練の場だ。
メタ認知というのは、勉強をしているだけでは身につかない。人と関わり、ズレを感じ、そこから学び、修正しながら育っていく力だ。
もちろん、異世代との交流のメリットはメタ認知にとどまらない。
そもそも、自分と似た価値観を持つ仲間とだらだら過ごすよりも、異なる世代との会話は刺激的で楽しい。僕自身、できるだけ若い世代と食事したり、会話したりするようにしている。そうしたほうが、同じようなIT経営者同士で集まるよりも、発見や気づきが多いからだ。
それに、もっと年を取ったとき、同世代とだけ付き合うのはリスクが高い。
孤独は老化を早める。
■ホリエモンがレシピ動画を見ない理由
僕は料理をするとき、スマホでレシピを検索することはあっても、動画は一切見ない。
YouTubeにはありとあらゆるレシピ動画があふれているけれど、僕が使うのはテキスト、つまり文章で書かれたレシピだ。そのほうが圧倒的に時間も短く合理的だからだ。
テキストなら、全体の構成を最初に一気に把握できる。どのぐらい時間がかかりそうか、火加減はどう調整するか、味付けのポイントはどこか――そうした要点が、頭の中で自然と組み上がっていく。
一方、動画はそうはいかない。冗長な前置きや無言の時間も多く、必要な情報をピンポイントで探すのが面倒くさい。
■読解力のない人が動画に頼る
たとえば、レシピに「鶏肉を中火で7分焼く」と書いてあったとする。
そのとき僕は、「皮目から焼いたほうがよさそうだな」とか「途中でフタをしたほうがいいか?」と考えながら動く。
そうやって自分の判断を入れながら進めるのが、僕にとっての「料理」だ。でも最近、「動画を見ないと料理ができない」という人が増えているらしい。
Xを見ていても、同じようなことを感じる。
たった100文字程度の投稿ですら、文脈を読み違えたり、ひとつの単語にだけ反応して怒ったり――つまり、文字は読めていても意味は読めていない。読解力がないのだ。
で、ふと思った。こういう人たちって、きっとレシピも読めないんじゃないか?
だから動画に頼る。見たままを真似すれば、似たようなものはできるかもしれない。でも、応用はきかない。
たとえば、「この調味料がないから、この料理は作れない」と言う人がいる。でも、本質がわかっていれば、代替できるものが自然と見えてくるはずだ。
■手持ちのリソースでどうベストを尽くすか
この前、長芋があったので、料理研究家・リュウジさんの「長芋ステーキ」を参考にして作ってみた。
バターでじっくり焼いた長芋に、甘辛い醤油ベースのタレを絡めるというレシピだった。キモは焼き方とタレだ。
うま味や甘みのバランスが近いと判断したからだ。結果的に、すごくうまくできた。
こういう正解にこだわりすぎない柔軟さ、臨機応変さが料理の現場では一番大事なんじゃないかと思う。基本を押さえていれば料理は縦横無尽だ。いくらでも正解を導き出すことができる。
そしてそれはまさに仕事にも通じている。
すべての材料(=情報や条件)がそろっている状態なんて、現実にはまずない。
「人が足りない」「納期が早まる」「予算が削られる」なんて、日常茶飯事だ。そんな中で求められるのは、「手持ちのリソースでどうベストを尽くすか」――つまり〈想像力と段取り力〉がものをいう。
相手の意図を間違いなく読み取ることができて、かつ応用できる人は、ムダに焦らないし、動きも早い。
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堀江 貴文(ほりえ・たかふみ)
実業家
1972年10月29日、福岡県生まれ。
現在はロケット開発や、アプリのプロデュース、また予防医療普及協会理事として予防医療を啓蒙する等、様々な分野で活動する。会員制オンラインサロン『堀江貴文イノベーション大学校(HIU)』(http://salon.horiemon.com)では、500名近い会員とともに多彩なプロジェクトを展開している。
著書に『小学ゼロ年生 7歳からの進路相談』(小学館集英社プロダクション)『体力が9割 結局、動いた者が勝つ』(徳間書店) 『僕が料理をする理由 AI時代を自由に生きる40の視点』(オレンジページ)など多数。
その他詳細はhttps://zeroichi.media/
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(実業家 堀江 貴文)

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