■地頭のよい子が育つ家庭で実践していること
以前、家庭内で金融教育を積極的に実践している17以上のご家庭にお話を伺い、その共通点を調べたことがあります。そして分かったのは、それらのご家庭は「教育全般に対して熱心である」ということでした。
こうした家庭では、日頃から社会の仕組みやニュースについて子どもと話す習慣があります。「なぜこの商品の値段が上がったのか?」「このニュースで取り上げられていることは、私たちの生活をどう変えるのか?」といった対話が日常に溶け込んでおり、その過程で、社会のしくみやお金の流れを俯瞰する習慣が身についているようでした。
この結果から、単にお金や投資、節約などの知識を教え込むことよりも、日頃の何気ない言葉かけの積み重ねや親の価値観を伝えることによって、社会や経済を理解する力を育むことが、地頭の良い子を育てる土壌となると感じたものです。
しかし、いざ「子どもと社会やニュースについて話し合おう」と思っても、なかなかきっかけが掴めないかもしれません。そこで、普段よりも親子の時間をとりやすいお正月に、子どもたちがもらった「お年玉」を教育に活用してみてはいかがでしょうか。
■小学生の金銭感覚を養う方法
お年玉の扱い方は、子どもの年齢によっても異なります。小学1~2年生のお子さんがいるご家庭であれば、まずはお金を以下のふたつに配分することから始めるとよいでしょう。
① 子どもの意思で何かを購入するためのお金
まずはお年玉の一部を子どもに渡し、「自分の責任で自由に使う」経験をさせます。購入するものは何でもかまいません。
この際のポイントは、お年玉をくれた祖父母や親戚に対し、お礼状を書くよう促すことです。これにより、お金は「人からの好意や感謝の象徴」であることを学び、感謝の気持ちを育みます。
② 親が管理し、「将来」への投資とするお金
残りのお年玉は、親が管理します。ここで大切なのは、勝手に没収するのではなく、「なぜ親が預かるのか」という理由を丁寧に説明することです。
例えば「将来あなたにやりたいことが見つかったとき、それを実現するための資金として大切に守っておくね」などと伝えることで、お金には「今使う楽しみ」だけでなく、「未来の選択肢を広げる力」があるのだと教えることができます。
■小学3~6年生にはさらなる金融教育を
小学3~6年生になると、抽象的な概念の理解が進み、算数の知識も定着してきます。よってこの時期からは、以下3つの配分が提案できます。
① 子どもの意思で何かを購入するためのお金(継続)
低学年同様、お年玉の一部を自由に使わせ、お金をくれた人にしっかりとお礼を伝える習慣を継続します。
② 親が管理し、「将来」への投資とするお金(継続)
お金の一部は引き続き親が管理します。この管理分については、小学校低学年だった頃よりもさらに具体的に「いつ、何のために使うか」を伝えます。
③ 子ども名義で口座開設し、金融機関との付き合いを教える
子どもの学力や理解力が上がってきたこのタイミングで、子ども名義の銀行口座を開設しましょう。
また、証券会社で子ども名義の口座を開設し、投資信託などの金融商品を購入する経験をさせてもよいと思います。自分が持っているお金が、企業の活動を支え、ひいては社会を豊かにすることにつながっているという「投資の視点」を養うことができます。
■「こどもNISA」が投資教育を後押し
2025年12月19日に「令和8年度与党税制改正大綱」が公表され、0~17歳の子ども名義の口座において年間60万円、累計600万円まで非課税で投資できる、通称「こどもNISA」が2027年度からスタートする流れになりました。これは、お小遣いやお年玉を使って投資する際、ぜひ活用したい手段だと言えます。
こどもNISAのメリットは、利益に所得税などの税金がかからなくなる点だけではありません。子どもにとっては自分名義の投資ができる分、投資が大きな関心事となり、自分のお金を運用している実感が湧きやすくなると考えられます。
また、こどもNISAでは投資信託を積み立てることになると思います。投信積立はお金が短期間で劇的に増えるような仕組みではありませんから、10年、15年という長いスパンで徐々に増やしていく形になるでしょう。よって、運用状況は年に一度、子どもと一緒に確認する程度のスタンスでもよいと思います。
そして18歳で成人を迎えた際は、手続きの煩わしさもなくNISAを活用した本格的な投資へとスムーズに移行できます。
■投資の知識がない親はどうすればよいのか
「子どもに投資について教えたいけれど、投資の知識や経験がない……」と不安に思う方は、「お父さん・お母さんも投資の勉強中だから、一緒にやってみよう」というスタンスでいればよいと思います。
現在は、投資初心者向けの書籍だけでなく、行政や教育機関が主催する親子向けのマネー講座やオンラインセミナーが充実しています。興味のあるものに親子で参加してみるとよいでしょう。親が学ぼうとする姿勢を見せることが、子どもに「学び続けることの大切さ」を教えることにもつながります。
■正月に話しておきたい「トラブル防止策」
近年はキャッシュレス決済の普及やゲーム内課金の一般化により、以下のようなトラブルが子どもたちの間で多発しています。
・ゲーム課金への依存: お小遣いやお年玉をゲーム内のデジタルデータに費やしてしまう。小学生の男子に多い傾向がある。
・刹那的な浪費: お年玉をすべてゲームセンターなどの一過性の遊びに使い果たしてしまう。
・後払いの罠: スマホで衣服や日用品を購入し「後払い」を選択したものの、お小遣いやアルバイト収入を超えて支払えなくなり、親に泣きつくことになる。高校生に目立つ。
こうしたトラブルを未然に防ぐため、以下の2点を意識して子どもとコミュニケーションをとっておくとよいでしょう。
1.家庭で「お金の話」を日常化する
お金の話をタブー化すると、お金の扱い方が上達しにくくなります。日頃から家庭で、お金が「どうやって手に入るのか」、そして「どう管理すべきか」をオープンに話しましょう。
2.「お小遣い制」による継続的なトレーニング
毎月のお小遣い制を通じて、子どもに「お金を予算内でやりくりする」「やりくりに失敗してお金が足りなくなる」といった経験を積ませましょう。
普段からお金の大切さを学んでいるからこそ、お年玉のような大きな金額と向き合ったとき、お金との付き合い方がさらに一歩前進するのではないかと思います。
お金の知識や扱うスキルが広く浸透することは、将来への漠然とした不安を軽減し、子どもたちの「生きる力」を育てることにもつながると考えています。まずはこのお正月から、お年玉の扱い方について子どもと話してみてはいかがでしょうか。
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八木 陽子(やぎ・ようこ)
キッズ・マネー・ステーション代表/ファイナンシャルプランナー
海外でファイナンシャルリテラシー教育を視察した経験を活かし、親子向けマネー教育の普及に努める。2025年から文部科学省検定の中学1年生の国語の教科書に「1000円の価値を考える」を執筆する。金融経済教育推進機構(J-FLEC)の運営委員。著書や監修した書籍に『10歳から知っておきたいお金の心得~大切なのは、稼ぎ方・使い方・考え方』『すぐに使えるビジネス教養 金融』など。
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(キッズ・マネー・ステーション代表/ファイナンシャルプランナー 八木 陽子)

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