※本稿は、八木雅之『最新科学でわかった 老けない食べ方の新常識』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
■黒豆は手軽に食べられる「最高の若返りフード」
豆類には、抗糖化作用に優れたものが豊富です。
その秘密は、豆類の色素、ポリフェノールにあります。
たとえば、黒豆の黒、金時豆のワインレッドの色が、ポリフェノールです。小さな一粒の中には、ポリフェノールがたっぷり。そこにこそ抗糖化作用があるのです。
豆類の中では、とくにおすすめなのが黒豆です。黒豆は大豆の中で黒色の種子をつける品種です。
私たちは、黒豆7品種の抗糖化作用を調べる実験をしました(※1)。その結果、黒豆はすべての品種で大豆よりも強い抗糖化作用があることがわかりました。
なかでも「黒千石」という小粒の黒豆は、最も強い抗糖化作用を示しました。
さらに黒豆の強い抗糖化作用は、皮の黒色成分であるアントシアニンにあります。アントシアニンは、抗糖化作用のほか、多くの健康作用を持つポリフェノールです。
一方、緑色の枝豆にも抗糖化作用があります(※2)。枝豆は未成熟の大豆を収穫したもの。植物種としては大豆と同じ種類です。大豆に豊富なフラボノイドも、ポリフェノールの代表的なグループの一つで、自然界に多く存在しています。
※1 横田早貴ら, 第25 回糖化ストレス研究会発表(2022)
※2 Y Ishioka, et al, Glycative Stress Research, 2: 22-34 (2015)
■手軽に食べられて、お酒のお供にもぴったり
フラボノイドの中でも、大豆に多いのはイソフラボンという成分。このイソフラボンも、抗糖化作用に優れたポリフェノールです(※3)。
イソフラボンは「植物性エストロゲン」とも呼ばれ、女性ホルモンのような作用をしますから、女性が若々しくあるために役立つ成分です。骨の健康や更年期障害の緩和、抗酸化作用にも、イソフラボンは優れています。
しかも大豆には、脂質、炭水化物、植物性タンパク質、食物繊維、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅などのミネラル、そしてビタミンA、ビタミンB₁、ビタミンC、ビタミンE、葉酸などのビタミン類も含んでいます。
黒豆の枝豆には、これらの豊富な栄養素を備えながら、アントシアニンという強力な抗糖化成分が含まれます。
■老化予防におすすめのスイーツは「羊羹」
小腹が空いて、ちょっと甘いものがほしい……そんなときにおすすめなのが羊羹。
小豆をたっぷりの砂糖で煮てつくる餡(あん)は、糖質の多い食品です。単純に考えるといかにも糖化を進めそうですが、じつは血糖値の上昇が小さい食品なのです。
私たちは、健康な男女9人を被験者に、「白ご飯150g+ふりかけ2.5g」「つぶ餡89g」「こし餡80g」で血糖値の上昇を調査しました(※4)。
ちなみにこの3つは、炭水化物量を50gに統一した量です。和菓子1個に含まれる餡の量は20~30g。つまり、ご飯茶碗1杯分の炭水化物量は、和菓子2~3個に相当します。
調査の結果は、白ご飯の血糖値のピーク値は60/dL、つぶ餡は45/dL、こし餡は35/dL。白ご飯より25mg/dLもピーク値が低かったのです。
α-グルコシダーゼ阻害薬という糖尿病治療薬の血糖抑制作用は、だいたい20~40/dL。こし餡の和菓子を1個食べても、血糖値はゆるやかに上がる程度で、場合によっては糖尿病治療薬と同程度の血糖値上昇抑制効果を期待できます。
なお、α-グルコシダーゼ阻害とは、小腸の酵素「α-グルコシダーゼ」の働きを抑えることで、でんぷんや二糖類などの糖質の分解と吸収を遅らせ、食後の急激な血糖値上昇を防ぐ作用のことです。
※3 梅田周佑ら, Food style 21, 20: 33-40 (2016)
※4 吉村明里ら, 第23 回日本抗加齢医学会総会発表 (2023)
■糖質の構造や量によっても異なる
私たちは和菓子の老舗、虎屋さんとの共同研究で羊羹を食べた後の血糖変化を調べる試験をしました(※5)。ちなみに、和菓子の中でも羊羹は、餡(小豆を砂糖で煮たもの)と寒天が主原料で、携帯にも適しています。
最近は、一口サイズの羊羹(小形羊羹)を手軽に購入できます。休憩時に飴玉やスナックを口に入れるよりも、一口サイズの羊羹を食べたほうが血糖値の上昇が小さく、老化予防には役立つのです。
さらに、もう一つ、おもしろい研究結果があります。砂糖を加える前の「生餡(なまあん)」より、砂糖と熱を加えて攪拌(かくはん)してできた餡のほうが、α-グルコシダーゼ阻害作用が強いという結果が出ました。
では、餡の何が血糖値の上昇を抑えているのでしょうか。
その理由は、「餡粒子」と呼ばれる特殊なでんぷん構造にあります。餡を練る工程で生成される「餡粒子」が、小腸での糖の分解と吸収を遅らせ、血糖値の上昇をゆるやかにしていると考えています。
糖質制限を推進する専門家の方々は、糖質量だけを見て○か×をつけます。しかし実際には、糖質量が同じでも、血糖値の上昇の仕方は食材に含まれる糖質の構造や量によって異なることがあるのです。
■濃いめの緑茶を添えると効果大
しかも、小豆はポリフェノールの宝庫です。ポリフェノールには、優れた抗糖化作用があることは伝えました。小豆にはアントシアニン、イソフラボン、ルチン、レスベラトロール、カテキンなどのポリフェノールが含まれています。
しかも、その含有量は、ポリフェノールの豊富さで知られる赤ワインのおよそ2倍もあるのです。
なお、羊羹を食べる際には、濃いめの緑茶を添えましょう。私たちの研究では、羊羹だけを食べるより、濃いめに入れた緑茶を一緒に飲むと、血糖値の上昇が大幅に抑えられることも確認しています。
緑茶には、抗糖化作用に優れたカテキンが豊富です。昔から日本人は和菓子に緑茶をあわせて食べてきました。これも老化予防に非常に効果的な食文化なのです。
※5 M Yagi, et al, Glycative Stress Research, 9: 118-125 (2022)
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八木 雅之(やぎ・まさゆき)
同志社大学生命医科学部糖化ストレス研究センター客員教授、農学博士
京都生まれ。京都工芸繊維大学繊維学部卒業、同大学院修士課程修了。
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(同志社大学生命医科学部糖化ストレス研究センター客員教授、農学博士 八木 雅之)

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