人から批判されたら、どう対応するといいか。カウンセラーの藤本梨恵子さんは「人生では、病気になったり、人から批判されたり避けられないことが起こる。
そうした出来事は避けられないが、それをどう捉えるかという解釈は自分で選べる」という――。
※本稿は、藤本梨恵子『なぜか機嫌がいい人がやっている100の習慣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。
■中断した作業に戻るには平均で23分15秒かかる
脳は一旦、中断すると元の軌道に戻すのに多大なエネルギーを消耗します。
仕事中に電話やメールが入る、人に話しかけられるなどの割り込み行動(外的中断)があった場合、作業に戻った時のミスが増える、やる気が低下するのはこのためです。
ビジネス誌『Fast Company』に紹介された研究によると、一度中断した作業に戻るには平均で23分15秒かかるといわれています。
だから、企画案を考える、長い文書を書くなど、まとまった時間と集中力が必要な作業が発生する場合は、①一人で作業できる部屋を確保する②携帯電話を近くに置かない③電話やメールの返信はしないなどの環境を整えることも重要です。
Aさんはカフェで仕事をする際は、仕事に関係ない資料や本は持っていかないことで、他のことに気を取られ、作業が中断しない工夫をしています。
また、作業を中断する場合は、再開した時に忘れないように、どこまで終わったかがわかるように目印やメモを残すことも大切です。さらに中断時間を短時間で済ませることも忘れずに。
■人間にとって最も生産性と効率が上がる時間配分
また脳は習慣化されたことを繰り返すのが得意です。
コンサルタントのBさんは、意識的に作業を中断しています。
それは、イタリアのコンサルタント、フランチェスコ・シリロが「ポモドーロ・テクニック」と名付けた方法です。

人間にとって最も生産性と効率が上がる時間は「作業25分間+休憩5分」と導き出し、このサイクルで作業を集中的に行うと、生産性を高め、モチベーションを維持することが可能となります。
やり方は①作業内容を決める(例:企画書を作成する)②タイマーを25分に設定し、アラームが鳴るまで作業をする③休憩を5分取る④ポモドーロを4回繰り返した後は20~30分程度の休憩を取るです。
作業中に「用事を思い出した」など内的中断が発生すると、気が散った状態で作業するため、効果がなくなるので注意が必要です。何か思い出したら、メモに残し、すぐに作業に集中しましょう。
環境を整え短時間集中しよう!

■面倒くさいが消える脳への思いやり
「やる気がでない」「面倒くさい」と感じるのはなぜでしょう?
これは脳が「これから、脳に負担がかかるけど、大丈夫?」と知らせてくれているサインなのです。
面倒くさいをなくし、気分を良くするためには、脳を思いやる必要があります。来客応対のマナーで大切なことは①お客様を待たせない②迷わせない③危険な目にあわせないです。これは、脳のやる気を失速させない方法でもあります。
①待たせない=手順を明確にする
脳は、見通しが明るくなければやる気をくれません。だから、大切なのは手順を明確にすることです。作業を始める前に、必要なものや、かかる時間や締切などを紙に書き出しておけば、脳の負担がグッと減り、先延ばしが防げます。
②迷わせない=報酬を明確にする
お金、賞賛など、小さくても脳はご褒美があればやる気がでます。
だから、行動する前に、2つの質問で、メリットを明確にします。
①なんのためにやるのか?

②これをやるとどんないいことがあるのか?
完了後ご褒美を用意します。例えば終わったら、好きな動画を見てもOKなど。または、タスク表に済みというマークをつけるだけでも脳には報酬になります。進捗状況を見える化することで脳はやる気をくれます。
③危険な目にあわせない=負荷をかけない
脳は生命維持、思考、記憶、判断、感覚、運動、コミュニケーションなど人間ならではの高次元の多くの機能が備わっているため、起動に時間と大量の酸素やエネルギーが必要です。
だから寝起きや空腹、疲労、不調を感じている時は、無理せず、休んだり、気分転換をしたり、体がなれるまで、ゆっくり時間をかけて動くことを意識しましょう。
①~③を意識するだけでも、自分に鞭を打ち無理やり行動するのではなく、無理せず、自然に行動に移せるようになるはずです。
脳に負担をかけない心配りをしよう!

■偏見を持ってしまったら、例外を見つける
「みんな持ってるからあのおもちゃ買って!」
子どもなら一度は口にする言葉です。
私たちは大人になっても「みんな」「いつも」「絶対」という偏見=思い込みの言葉で、自分を制限しがちです。
この表現は心理学では一般化と呼ばれ、全ての例外や可能性を考慮せず、一部の出来事を全体だと考えることです。
「私はみんなに嫌われている(x:みんな=y:私を嫌っている)」という思い込みを持っている人に、「みんなって誰? 一人にも好かれていない?」と質問すると、実はその人を嫌っているのは数人で8割は好きでも嫌いでもない普通の人、2割ぐらいには好かれているというケースも多いものです。

私たちは、「みんな」「いつも」など一般化された普遍的な数量詞を使うことで、間違った思い込みを強化しているのです。だから、一般化したネガティブな思い込みが浮かんできたら、例外を見つける質問で自分にツッコミを入れましょう。
■ネガティブな思い込みには注意
「最近の新人はみんな根性がない」

→質問「根性がない新人とは具体的に誰?」
「いつもドジばかりしている」

→質問「うまくいったことは一度もない?」
「あの上司とは絶対に話が合わない」

→質問「いつも、どんな話題でも? 一度でも話が盛り上がったことは?」
例外が見つかれば、視野が広がり、解決策が見えてきます。
Aさんは親から「人を見たら泥棒と思え」と教育され、「この世に善人はいない」と偏見を持っています。
すると、自分に良くしてくれる人に出会っても「この人、きっと裏があるに違いない」と信用できず、親密になれません。思い込みによって、Aさんの世界からは本当に善人が消えてしまったのです。
人は世界を自分の見たいように見て、聞きたいように聞いています。だから、ネガティブな思い込みに気づいたら、一度、自分で「それ本当? 例外は一つもない?」とツッコミを入れ目を覚ますことが大切です。
例外を探そう!

■悟りを開いた者は、二の矢を受けない
批判されて傷つく人は多いものです。
何度も繰り返し思い出して嫌な気分になってしまうことも。
Aさんは自分の悪口を書かれたメールが誤って同僚から送られてきたことがありました。
同僚に問いただすと「冗談だよ」と誤魔化されました。

Aさんは悪口を書かれたメールを何度も読み返し、嫌な気持ちになっていました。しかし本来は一度しか打たれていないパンチなのに、自分から何度も打たれに行っていると気づき、メールを削除しました。
ブッダは弟子に悟りを開いた者と凡人の違いを問われた時、「二の矢を受けず」と答えました。
人生では、病気になったり、人から批判されたり避けられないことが起こります。これは一の矢です。そこで、「なぜ、自分がこんな目に会うのか」と自分でさらに苦痛を生み出してしまうことが第二の矢です。出来事は避けられないが、それをどう捉えるかという解釈は自分で選べるのです。
Aさんは自ら気づき、二の矢を避けたのです。
「人の口に戸は立てられぬ」といいますが人の噂話や批判は自分では止められません。ロバと親子のこんな寓話があります。
二人でロバを引けば、通行人から「ロバに乗らないなんてバカだ」と非難されます。かといって、息子が乗れば「親不孝者」と罵られ、父が股がれば「子供だけ歩かせる恥知らず」といわれ、二人で乗れば「ロバがかわいそう」と責められます。

■人の批判を全て真に受けてはいけない
結局、何をしても、批判されるのです。誰からも好かれて、批判されないなんて不可能なのです。
アメリカ人の急進的黒人解放運動指導者のマルコムXは「もし君を批判するものがいないなら、君は恐らく成功しないだろう」といっています。
あなたが実力をつければつけるほど、新しいことに挑戦すればするほど、人から批判されるようになります。
だから、人の批判を全て真に受けてしまうと自分が潰れてしまいます。
反省すべき点があるなと感じれば修正し、そうでなければ、聞き流せばいいのです。
批判を気にしない!

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藤本 梨恵子(ふじもと・りえこ)

ファイン・メンタルカラー研究所代表

NLP心理学を中心にコーチング、カウンセリング、マインドフル瞑想などの手法を習得し統合。その手法を生かし、キャリアカウンセラー・講師として独立。各企業・大学・公共機関の講演の登壇数は2000回を超え、婚活から就活まで相談者数は1万人を超えている。コーチング、パーソナルカラー、カラーセラピスト、骨格診断ファッションアナリスト等のプロ養成講座の卒業生は500人を超え、個人診断においては1000人を超える。著書に『いつもよりラクに生きられる50の習慣』(かんき出版)などがある。

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(ファイン・メンタルカラー研究所代表 藤本 梨恵子)
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