長話を上手く切り上げる人はどんな話し方をしているか。カウンセラーの藤本梨恵子さんは「『時間がない』『次があるので』と話を引き上げると、相手に冷たい印象を与えかねない。
うまく長話を切り上げるには、相手の話の区切りがついたところで、話をまとめたり、相手を気遣い、フォローをするといい」という――。
※本稿は、藤本梨恵子『なぜか機嫌がいい人がやっている100の習慣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。
■お願い上手の人が使っている語尾
本当に自立した人とは、自分ができないことを人にお願いできる人です。
そのためには、相手に気分よく引き受けてもらう言葉選びが大切です。
A「その窓、開けてください」

B「その窓、開けてもらってもいいですか?」
どちらのお願いの方が、快く引き受けられますか?
多くの人はBなのではないでしょうか?
両方とも、言っていることは「窓を開けてほしい」ということです。でもAは命令で、自分に選択権はありません。
人は命令されるのが嫌いです。自分で意思決定をしたいのです。
Bは語尾が質問系なので、断ることもできます。つまり、自分に選択権があります。
実は、Bも間接的には命令です。これは心理学では「命令挿入」といい、相手に抵抗なく同意してもらえる言い回しです。

A「その窓、開けてください」→直接的な命令で選択権もなく、反発を覚える

B「その窓、開けてもらってもいいですか?」→間接的命令で、同意しやすい
相手に必ず実行して欲しいことほど、断れないように命令形になりやすいものです。これは「自ら相手に貢献したい」という気持ちを引き出せず、「やらされ感」が強くなってしまい、あなたへの「反感」も強まります。
だから、相手の協力を仰ぎ、気持ちよく引き受けてもらうためには語尾を質問系にする方が賢明です。人に好かれたり、協力者が多い人はお願い上手なのです。
依頼上手は自分の負担も少なく、気分よく過ごせるのです。
語尾を質問系にしよう!

■トラブルに発展しやすいD言葉に注意
「でも」「だって」「だから」「どうせ」などのD言葉は、相手を不快にします。
では、なぜ、この言葉を使ってしまうのでしょうか?
実は相手の意見を受け入れなければならないと思っている人ほど、アドバイスや意見に強く反発します。相手にコントロールされたくないのです。
ビジネスでもクレームに発展する人はD言葉を使います。
「ですから(だから)、先ほども申し上げた通り……」

「しかし(でも)、事前の説明書には記載しております」
と伝えるとお客様がバカにされたと感じ、トラブルに発展します。
D言葉ではなく、「すみません」「失礼しました」「承知しました」「さようでございますか」などのS言葉で対応しましょう。
「失礼しました……気がつきませんで」

「すみません。
事前説明が分かりにくくて……」
これは、一旦、相手の気持ちを受け止めるワードなので、相手の態度が軟化しやすいのです。
責任を問われるのが怖くて、相手をブロックするより、一旦、相手の言葉を受け止めた方が、相手も冷静さを取り戻し、落ち着いて話ができます。
「どうせ、あなたは引き受けないでしょ」

「だって、忙しかったんだから、できなくてもしょうがないでしょ!」
など会話中にD言葉でブロックするとトラブルに発展します。
D言葉を使うのは危険を感じて自己防衛しているからです。
逆に言えば、自己防衛が必要なほど、あなたは困っているのです。そこで、自分が困っていると素直に伝えることが大切です。
「信頼できる人にしか頼めなくて……。あなたにお願いできると助かるんだけど……」

「すぐにできればよかったんだけど、いろいろ忙しくて私も手がつけられなくて……」
と救助を求めると、相手から助け舟がでることもあります。対応は強さでなく、しなやかさが大切です。
反発するのではなく、救助をもとめよう!

■スルースキルを身につける
「脅すわけじゃないけど、そんなに付き合いが悪いと出世しないよ」など、求めていないアドバイスにあなたはどう反応しますか?
落ち込んだり、強く反発する人ほど、相手の意見をキャッチしています。相手の意見は必ずしも受け取る必要はありません。
宅配便の荷物と同じく、受け取り拒否もできます。
でも正面から反論してぶつかり合うのは危険です。相撲などで相手の攻撃をかわすことを「いなす」と言います。同様に嫌な一言も「いなす」=さらりとかわすスルースキルが大切です。
《さらりと受け流す》
「検討します」「ありがとうございます。参考にします」「なるほど、そういう考え方もあるんですね」と軽く流しましょう。
肯定も否定もせず、さらりと受け流すのです。実は、「自分は価値がない」と深層心理で信じている人ほど、誰かの役に立ち、自分の価値を証明したくて無意識にアドバイスしてしまうのです。そして意見が受け入れられないと不機嫌になるのです。
■悪口を言われても受け止めない
《話題を変える》
「そう言えば……」「それは、そうと……」と話題を変えたり、「○○さんは、例の件、どうなったんですか?」と相手が関心のある話題に切り替えてしまいましょう。
でも、「批判されたら言い返さずにはいられない!」という人は、お釈迦様の寓話を思い出してください。
お釈迦様は罵詈雑言を吐かれても、顔色ひとつ変えずに黙っていました。弟子が「なぜあんな酷いことを言われて黙っているのか?」と問うとお釈迦様は、「もし贈り物をして、相手が受け取らなかった時、その贈り物は誰のものになる?」と返答しました。

悪口を言われても受け取らなければ、それは、相手がそのまま持ち帰らなければならないのです。他人の意見はあくまでも相手の価値観や立場から見たあなたであって、真実のあなたではありません。
自分以外に本当にあなた自身を理解できる人などいないのです。だから他人の評価を真正面から受け止めなくてもいいのです。
嫌な一言はいなそう!

■気まずくならずに長話を切り上げる方法
長話に「うんざりする……」という人は多いものです。かといって、「忙しいオーラを出す」「そっけない返事をする」「イヤフォンを外さない」等の態度をとるのは禁物です。お互いに気まずくなります。
でも、あなたの時間はあなたの命です。大切なことに使うために時には長話を上手に切り上げましょう。
《話の主導権を握る》
「時間がない」「次があるので」と話を引き上げると、相手に冷たい印象を与えかねません。そこで、相手の話の区切りがついたところで、「では、今日は○○ということで。次回までにお返事させていただきます」と話をまとめると切り上げやすくなります。

他にも、「お時間大丈夫ですか?」と質問し「長くお引き止めして、申し訳ございません。また次回報告いたします」と自己都合ではなく、相手を気遣って切り上げるのも1つです。
別れ際に「ゆっくり聞けず、すいません」「次回、じっくりお話をお伺いします」などのフォローを忘れなければ、相手を傷つける心配もありません。
■話を予測し、先回りする
《話の早送りをする》
マシンガントークは相づちを打っているだけでは止まりません。かといって話を遮るのも気が引けるものです。そこで知人であれば話を早送りするのも一つです。
相手「昨日も残業で……」

自分「決算時期だから、大変だよね」

相手「そうなんだよ。人手不足だから……」

自分「Aさんが退職して、今は君が経理は一人だからね~」

相手「そうなんだよ!」
と、話の内容を予測し、先回りすれば、話のショートカットができます。長話に付き合わされて、「あーあー、疲れた。もうこんな時間だよ」と嫌気がさすくらいなら、さっと切り上げた方がお互い気分良く過ごせます。
時間は命!

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藤本 梨恵子(ふじもと・りえこ)

ファイン・メンタルカラー研究所代表

NLP心理学を中心にコーチング、カウンセリング、マインドフル瞑想などの手法を習得し統合。その手法を生かし、キャリアカウンセラー・講師として独立。
各企業・大学・公共機関の講演の登壇数は2000回を超え、婚活から就活まで相談者数は1万人を超えている。コーチング、パーソナルカラー、カラーセラピスト、骨格診断ファッションアナリスト等のプロ養成講座の卒業生は500人を超え、個人診断においては1000人を超える。著書に『いつもよりラクに生きられる50の習慣』(かんき出版)などがある。

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(ファイン・メンタルカラー研究所代表 藤本 梨恵子)
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