1年以内に結婚するには、何を意識するといいか。結婚相談所ナレソメ予備校塾長の勝倉千尋さんは「アプリのスペックはすべて自己申告であるため、ユーザー間で騙し合いが発生している。
手軽さに惑わされず、どこで婚活するのがベストか、市場選びから考えたほうがいい」という――。
※本稿は、勝倉千尋『1年で決める! アラサー女の婚活戦略マニュアル』(実業之日本社)(実業之日本社)の一部を再編集したものです。
■アプリで婚活しても、結婚できない理由
今や、男女の出会いといえば「マッチングアプリ」。
「出会いのチャンスが増えた♡」「自由に恋愛できる♡」ってウキウキしていたのも束の間――SNSでは毎日こうだ。
「結婚前提って言ってたのに、突然フラれた!」

「Facebook見たら既婚子持ちだった」

「私は真剣なのに、なんで結婚できないの」
そう。アプリ沼の女たちの叫びが、ネットの海に今日も流れている。
「アプリで婚活してるけど、なかなか結婚できない。一体なんで?」って悩んでる女性、多いよね?
その答えを教えてあげる。
あなたが結婚できない理由は、“アプリ婚活しているから”です。
もちろん、アプリで出会って結婚に至るカップルもいる。だから一概に否定するつもりはない。でもね――アプリの構造を、ちゃんと理解しておかないと痛い目を見るのはあなただから、よく聞いてね。

アプリは誰でも数分で始められる、その手軽さが大きな特徴。
年齢や職業の証明はほぼ不要、既婚か独身かすらも曖昧でOK。
自己申告のプロフィール写真とスペック、数百字の自己紹介、それがすべての判断材料。
彼が本当に独身なのか、結婚願望があるのか、どういう人間なのか。あなたには事前にわかりようがないし、前提の情報が真実である保証は何もない。
■ユーザー間で騙し合いが発生している
実際に、アプリユーザーを対象にした調査では、アプリで出会えている男性の約4割が、「プロフィールで嘘をついている」と回答。動機は、「効率的に出会える」「少しならいいと思った」という理由が多く、主に年収や身長で嘘をつくケースが多い。
「婚姻状況」においては、男性は女性の約6倍嘘をついていることが発覚した。
また別の調査では、恋愛経験豊富なモテ男ほど、アプリを「彼女探し・ワンナイト・セフレ・婚活」のフルコース目的で使っていることが判明。
彼らは相手によって、その時々で、目的を切り替えて動いている。
つまり、アプリはユーザー間で騙し合いが発生している。
何が本当で、何が嘘かわからない……情報の非対称性が極めて高い、極めていびつな市場ということ。

――そんな現実を知らずに迎えた、アプリで出会った彼とのデート。
金曜夜、2軒目に連れて行かれたのは、照明を落としたおしゃれなバー。
32歳のあなたは、グラスに揺れる琥珀色のカクテルを見つめながら、勇気を出して切り出す。
「私ね、次に付き合う人とは絶対に結婚したいの。だから、結婚願望のある人としか付き合う気はないんだよね……」
彼はすかさず笑顔を浮かべる。
「もちろんだよ、僕ももう34歳だし。周りもみんな結婚しちゃってさ、そろそろ本気で考えてるんだ」
――やっと巡り合えたかもしれない。
「次こそは、私も結婚できるんだ」
■まるで複雑なポーカーゲーム
酔いと安堵が胸いっぱいに広がって、頬はほんのり赤く染まり、目尻はとろんと緩む。口元が綻びそうになるのを、必死に抑えて平静を装う。
期待に胸を波打たせながら、夢見ていたガーデン・ウェディングでどういうドレスを着ようかとか、新婚旅行はモルディブがいいかしらとか、たくましい妄想の世界に飛び立っているあなた。
けれど、その隣で。
ワインを傾けながら、彼には別の計算が働いているかもしれない。

「まぁまぁ可愛いし、スタイルも悪くない。でも話はつまらないし、本命にするには物足りないな……とりあえず一発やって終わりでいいか!」
……こういうことが、夜な夜な繰り返されているのが、アプリの出会い。
あなたはいつの間にか、複雑なポーカーゲームに参加させられているようなもの。
相手の手札がわからないまま、貴重な「時間」と「気持ち」を賭けて、勝てる見込みの薄い勝負をさせられているの。
そんな場所で、本当にあなたが1年以内に結婚できると思う?
■買い手が“良い車”か“欠陥車”か判断できない
ちょっと難しい話だけど、アプリ市場は、婚活的には“レモン市場”の構造に陥っている。
経済学でいう「レモン市場」とは、「品質の良い商品(=アタリ)が市場からなくなり、粗悪品(=ハズレ)だけが残ってしまう構造」を指す言葉。
もともとは中古車市場で多く使われた概念で、
●売り手だけが商品の真贋を知っていて、買い手には情報がない

●買い手が“良い車”か“欠陥車(=レモン)”か判断できない

●結果、信頼できる売り手(=良い商品)は疑われることで損をするので、市場から撤退してしまう
……という悪循環が起こること。
これ、まさに今のマッチングアプリなんだよね。
●「真面目に婚活をしている男女」もいる一方で

●「ヤれればOK」「既婚だけど遊びたい」「嘘ついてでもマッチングしたい」という、質の悪いプレイヤーが大量に流通し

●結婚意欲のある誠実な男性は、「やってられん」と騙し合いの市場から撤退していく悪循環。
実際にトレンドとして、特に20代の若い男性は、婚活手段として結婚相談所を使う人が増えている。結婚相談所連盟大手のIBJによると、20代の男性の新規入会者は、2019年~2024年の5年間で約3.4倍に増えているとのこと。
■ロマンス詐欺の温床にも
結婚したい男性は、ダラダラとアプリを使わず、早々に結婚相談所で相手を見つける傾向が出てきていることがわかる。

こうして、結婚願望のある優良プレイヤーは、アプリからはどんどん消えているのが現状。その結果、アプリには結婚意欲のない人間と、傷ついた女性だけが残る構造になっているんだよね。
さらに言えば、マッチングアプリ大手の「Pairs」は、結婚詐欺(ロマンス詐欺)が突出して多いとして、警察庁から名指しを喰らっていた。2024年のロマンス詐欺の被害額は約397億円で、前年比約2.2倍に急増するなど、アプリは犯罪の温床にもなっている。
この本を読んでいる人の中にも、アプリユーザーは多いと思うけど……結婚願望のない男も多ければ、犯罪も増えており、婚活女子にとっての治安の悪化は明らかだよね。
手軽な出会いを探したり、恋愛文脈で使うのであれば、アプリはまだいいと思う。
でも、婚活マーケットとしては、崩壊直前。
あなたが一生懸命、手間と時間と身体を投じたところで、素敵なご縁が生まれる可能性は……年々少なくなっている。
■どの市場で戦うかが、すべてを決める
「勝倉は結婚相談所を運営しているから、アプリをdisってるんでしょ?」って、思った?
いや私もさ、婚活でアプリを使っていたことがあるんだよ。
最初の結婚相手とは、婚活アプリで出会ったもん。だから、アプリで結婚できる可能性があることも知ってるし、そこは否定していない。実際に、アプリが婚活の手段として最も合っている人もいると思うのよ。

私は、みんなが1年以内にBest marriageを実現してくれるなら、出会いの方法はなんだっていいと思ってる。
でもね、婚活中のお客様の話もよく聞くけれど、アプリはマジで玉石混交。
「結婚前提と話してたのに、3カ月で別れました」なんて話も多いのよ。
とある女性は、「アプリで出会った彼氏と結婚します」と宣言してからもう2年経つけど、入籍報告はまだない。
このように婚活って、「どこで活動しているか」っていう市場の選び方も、ものすごく重要。
アプリのタチの悪いのは、女性は「真面目に恋愛をして、結婚に近づいている」と信じてやまないこと。
でもね、悪どい男は、あなたとセックスするために「結婚前提に付き合おう」と言うし、指輪を外してデートに現れる。警視庁も、マッチングアプリに蔓延するロマンス詐欺の被害について注意喚起していたし、あなたを騙そうとする粗悪品も大量に紛れているのは公も認める事実なのよ。
■「商品」として消費される構造
アプリは女性無料で使えることも多いし、手軽ではあるよ。
でもね、「無料」ってことは、あなたはお客さんじゃないの。
課金してくれるユーザーを誘き寄せるための「エサ」なの。
ビジネスモデルから考えても、アプリにおける女性の立ち位置は、課金ユーザーである男性が喜ぶためのコンテンツ。

「商品」として消費される構造になっているんだよね。
私は、あなたたちが、商品として消費され、傷つくところを、もう見たくない。
不誠実な男性に遊ばれて、「私は真剣なのに」って、いくら泣いたところで……誰もあなたの涙を拭ってはくれない。
手軽さに惑わされず、どこで婚活するのがベストか?
1年以内に成果を出すためにも、何よりあなたがこれ以上傷つかないためにも……しっかり考えてみてね。
勝倉的・行動処方箋◆出会いの量だけでなく、質にも目を向けよう。
◆サービスを無料で使える=自分がコンテンツになる構造に気づけ。
◆同じことの繰り返しで傷つくのは、もうやめよう。

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勝倉 千尋(かつくら・ちひろ)

結婚相談所ナレソメ共同創業者・取締役

東京都生まれ。上智大学外国語学部ドイツ語学科卒業。新卒で三菱UFJ銀行にて総合職として勤務。その後独立。現在はナレソメ予備校の塾長として、経営・プランナー業務・学年主任など、あらゆる面から成婚を支える“婚活のプロ”として活動。著書に『1年で決める! アラサー女の婚活戦略マニュアル』(実業之日本社)、『恋愛資本主義社会のためのモテ強戦略論』(実業之日本社)、『狙ったオトコを確実にしとめる オンナ・バリューの高めかた』(大和出版)がある。

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(結婚相談所ナレソメ共同創業者・取締役 勝倉 千尋)
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