※本稿は、名古屋の長期投資家『2億稼げる なごちょう式 低リスク超分散株投資』(高橋書店)の一部を再編集したものです。
■不安とリスクを減らせる「超分散投資」
この項では、私が実践している投資法「低リスク超分散投資」について解説していきます。読者の中には「儲かる銘柄に資産を集中的に投資して、少額の資産を一気に増やしたい」と思う方もいるかもしれません。実際に、短期間でパフォーマンスを上げている個人投資家は集中投資をして資産を増やしている方が多いのです。
ただ、集中投資で成功した方に話を聞くと、投資の才能に加えて、金銭的に余裕があったり、給与収入が高収入の人が多かったりします。本業で稼いでいるから「最悪、損失を出しても、仕事を頑張ればいいや」と考えられた結果、集中投資でも冷静に判断ができる状態を保っているように感じます。
文房具店を細々と経営し、年収が300万円台と少ない私は、資金を集中投資したら冷静な判断力を失ってしまうので、このやり方はまねできませんでした。ただ、不安を減らすために行きついた「超分散投資」で2億円を超える資産を築けたので、私には非常に合っていたやり方でした。超分散投資は、資産を失うのが怖くてたまらない方にぴったりの投資法だと思います。
■冷静で客観的な判断ができるかが大事
分散投資とは、複数の投資商品や購入時期を分けることで、資産が一度に減ってしまうリスクを分散する投資方法のことです。
1つの企業の株に資産をすべて投資すると、その企業の業績悪化や倒産で、資産をすべて失うリスクがあります。
私のやり方「超分散投資」は、1銘柄に投資する資金を「自分自身の精神に負担にならない金額内に納める点」に特徴があります。本来、集中投資した方がパフォーマンスは良くなりますが、そのためには冷静な判断が必要です。1つの銘柄に自分の許容量を超える金額を買ったことで冷静で客観的な判断ができなくなり、とんでもない損失を出してしまう方も多いのです。
■一銘柄の保有数を減らせば冷静になれる
どの投資でもそうですが、長期的に見て資産を増やせるかどうか一番重要な点は「冷静で客観的な判断ができるか」に尽きます。その金額は、その人の総資産、収入、知性、経験、性格、育った環境などといったファクターによって変わってきます。
残念ながら、私はその限度になる金額が小さいので1つの銘柄の購入額を抑えるやり方を行っています。資金があるときは、その銘柄の買い増しでなく、別の銘柄を買います。その結果、現在は200銘柄以上保有することになりました。
このきっかけになったのは、20年近く前に凄腕投資家のFさんにもらったアドバイスです。たくさん保有する銘柄が大きく下がり毎日気になって眠れないとき、保有株数を減らしたら、その銘柄を冷静に見られることに気づいたのです。それ以来リーマンショック、東日本大震災、コロナショック、利上げショック、トランプショックなどの暴落があっても、冷静に対処できました。
■長期で確実に成長する銘柄を選ぶ
「超分散投資」では1つの銘柄の保有株数が少ないので、特定の銘柄の株価が下落したときでも、資産全体への影響はわずかで冷静にいられるというメリットがあります。逆に特定の銘柄の上昇局面では、通常の分散投資と比べて、資産額の増加は少なくなるというデメリットがあります。
超分散投資で成功するコツは、長期で確実に成長する銘柄を見つけて投資することです。1銘柄の保有株数は少ないので、短期間に売買しても得られる利益は少なく、また資産の管理も必要です。超分散投資は、長期間保有して値上がりが期待できる「バリュー株投資」と相性がいいやり方です。
銘柄選びのわかりやすい指標としては、PERとPBRのほかに「業界でのシェア」があります。業界でのシェアが国内で1位、2位、または世界で1位の企業は安定した売上と利益が期待できるので、株価も長期的に上昇するという「超分散投資」向けの銘柄と判断できます。ただし、その業界がこれから拡大していくマーケットかどうかも判断の基準になります。企業のIR情報や会社四季報などで情報を集めるといいでしょう。
2つ目のチェックポイントは、「ほかにない強みを持った企業」です。業界をリードする技術だけではなく、今までにない新しいサービスを展開している企業に注目します。いつもヤフーファイナンスやさまざまな業界ニュースをチェックして情報を集める習慣をつけておきます。
■単元未満株取引サービスなら1株でもOK
これから株式投資を始めようと思ったときに気になることは、どのくらいの資金が必要なのか、ですよね。私は50万円で株式投資を始めました。銘柄にもよりますが、50万円程度あれば4~5銘柄購入できるので、分散投資効果が期待できます。ただ、人によっては50万円を準備するのも大変かもしれません。そこで、少ない金額でも始められる方法をご紹介します。
日本での株式投資では「100株(単元株)」での購入が基本です。しかし、通常取引では割安銘柄でも数万円から数十万円の資金が必要になります。資金が少なく100株も買えない場合は、「単元未満株」での取引サービスを利用しましょう。
たとえば、SBI証券では、1株から取引ができる「S株」というサービスがあります。1株ならば、数百円から数千円で欲しい銘柄を購入できます。たとえば、住友商事は2025年7月7日の終値で株価が3676円でした。100株購入すると36万7600円かかりますが、S株なら1株分を3676円で購入できます。
■証券会社のデモ取引ではなく実際の取引を
分散という観点でも、少額で買えるこの制度を使わない手はありません。単元未満株でも、分散投資を意識して4~5銘柄に分散しておくといいでしょう。
なお、S株での取引は以下のような制限があります。
●注文を出せる時間帯の制限(リアルタイム取引ができない)
●注文方法は成行注文だけ
●配当は受け取れるが、株主優待は受け取れない
資金がないからと、「証券会社のデモ取引」で株の練習をする方もいますが、私はおすすめしません。自分のお金で実際に株を買い、株価変動で自分のお金が増えたり減ったりするという経験を積むことが、株式取引の上級者になる第一歩となります。
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名古屋の長期投資家(なごやのちょうきとうしか)
投資家
名古屋在住の覆面個人投資家。10歳のころ『こち亀(こちら葛飾区亀有公園前派出所)』で目にした投資エピソードと、親の知人が任天堂株で大儲けしたのをきっかけに投資を志す。大学生時代にバイトで貯めた50万を元手に1995年12月から株式投資を開始。徹底した銘柄分析と、低リスクを志向した「超分散投資」の長期投資家で、208銘柄を保有。インカムゲインと配当の成長を重視したポートフォリオを組む。家業である文房具店で日中働きながら、投資手法の研究を重ねた結果、総資産は2億円を超えた(2025年9月19日時点)。Xのフォロワーは7.6万人。
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(投資家 名古屋の長期投資家)

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