■達人が実践する「手土産選び」の鉄則
年末年始の帰省シーズン、多くの人の頭を悩ませるのが「手土産」の選定です。
出発直前の東京駅で、山積みになっている「なんとなく人気そうな菓子折り」を思考停止で手に取り、レジに並ぶ。厳しい言い方をすれば、これは「作業」であって「ギフト」ではありません。
私が手土産選びにおいて提唱している鉄則。それは「まずは10分間、相手を思う時間を確保する」ということです。
スマホで「東京駅 人気のお菓子」と検索する前に、一度立ち止まってください。「実家の父は最近、健康数値でお酒を控えていると言っていたな」「義理の母は、オーガニックなものに関心が高かったはずだ」。
このように、贈る相手のライフステージや現在の状況を「要件定義」するプロセスが不可欠です。
ギフトの本質は「モノ起点」ではなく「ヒト起点」であること。相手のために思考を巡らせた時間こそが、最強の付加価値となります。「相手への想像力」というワンクッションがあるかないか。
■東京駅エリアで選ぶなら「コテコテな東京」が正解
では、具体的な「戦術」について解説しましょう。
例えば、東京駅から地方へ帰省するというシチュエーションにおいて、構築すべきストーリーラインは「東京の最新の空気感」や「東京ならではのブランド」をお届けすることです。
地方の方にとって、東京はやはり特別な場所です。「東京ってすごい」「きらびやかなお店がたくさんある」という期待値を持っています。
だからこそ、ある種「コテコテな東京のイメージ」をしっかりと満たしてあげるのが正解と言えます。わかりやすい権威性やブランド力があるものを選ぶことは、相手の期待に応えるというホスピタリティの表れでもあります。
私が東京駅周辺で選ぶ際の基準は、大きく分けて3つです。
1.実用性と味のクオリティ:大人数でも配りやすく、かつ味が洗練されているもの
2.ホテルブランドの権威性:「誰もが知る高級ホテル」の看板で安心感を届けるもの
3.語れるストーリー性:製法や背景にある物語で、会話の糸口を作るもの
これらに加え、親族が集まる場であれば「個包装」「常温保存可」など運用面での配慮も重要です。
この基準に沿って、私が実際に活用している「間違いない手土産」を紹介していきましょう。
■親戚の集まりには「手が汚れず、お皿が不要なもの」
1つ目の基準は「実用性と味のクオリティ」です。
実家や親戚の集まりなど、大人数が想定される場では、とにかく「運用コスト」がかからないものが喜ばれます。
この要件に完璧に合致するのが、「シヅカ洋菓子店 自然菓子研究所」です。
本店は三田ですが、丸の内などにも店舗があります。ここの最大の特徴は、「自然菓子」の名の通り、サステナブルな栽培方法で育てられた原料を使用している点です。
「体に優しい素材を使っているから、小さなお子様でも安心です」というストーリーは、健康志向の強い現代において強力な武器になります。シンプルながら力強い味わい、洗練されたパッケージ、そして枚数が多く「みんなで選べる」という楽しさ。機能性と情緒的価値を兼ね備えた、非常に優秀な手土産です。
また、女性が多い集まりであれば、「アトリエうかい」の「フールセック(クッキー詰め合わせ)」がオススメです。
グランスタ東京などで購入可能です。高級鉄板料理店「うかい亭」が展開するスイーツブランドであり、「鉄板料理の名店が出しているお菓子」という背景は、食通の方への訴求力も十分です。
何より、宝石箱のような缶のビジュアルがすばらしい。
■ここぞの場面には「ホテルブランド」が強い
2つ目の基準は「ホテルブランドの権威性」です。
特に義理の実家への挨拶や目上の方へ渡す際などに絶対的な安心感を演出する戦略です。「東京のラグジュアリーホテル」のロゴが入った手提げ袋は、それだけで相手への敬意を表す記号となります。
王道中の王道は、「ザ・ペニンシュラ東京」の「マンゴープリン」です。
有楽町の本館や松屋銀座などで購入できます。「ペニンシュラ」というブランドネームの信頼感は絶大であり、濃厚なマンゴーの味わいは説明不要の説得力を持ちます。価格は張りますが、ここぞという時の投資対効果(ROI)は非常に高いアイテムです。
より「東京のハイカラ」な雰囲気を演出するなら、「東京會舘(とうきょうかいかん)」のお菓子をお勧めします。
東京駅一番街のギフトパレットで購入できる利便性も魅力です。「マロンシャンテリー」や、季節限定のチョコレート、特に「ルビーショコラ」を使った商品は色彩も鮮やかで、お母様や奥様など、女性陣からの支持を盤石にするでしょう。
■「お酒NG」な人にも喜ばれるドリンクとは
3つ目は「ストーリーが語れる」ことです。
モノそのものの価値に加え、背景にある物語(ナラティブ)を贈ることで、会話を活性化させるアプローチです。
ここで私が強く推奨したいのが、「アラン・ミリア(alain milliat)」の「ブドウジュース」です。
東京駅構内のエノテカなどで購入可能です。これは単なるジュースではありません。フランスの高級ホテルでも採用されている、「ワインと同じ製法」で作られた逸品です。
帰省の場では、高齢や運転などの理由で「お酒NG」なケースが意外と多いもの。飲みの席でウーロン茶ばかりでは味気ないでしょう。
そんな時、「これ、ワイン用のブドウを使っていて、お酒が飲めない方でも楽しめるんですよ」と提供する。これにより、その場の体験価値(UX)は格段に向上します。「お酒が飲めない方への配慮」という文脈も含め、非常に戦略的なソリューションです。
■手土産の達人があえて「ちいかわ」を選んだワケ
最後に、私が体験した「意外な手土産」の成功事例を共有します。
ある集まりでの出来事です。そこは選りすぐりの肉やお酒が並ぶ、いわば「手土産のレッドオーシャン」でした。普通においしいものを持参しても埋もれてしまう状況下で、私が選んだのは埼玉県川越市の「ちいかわもぐもぐ本舗」で購入した「ちいかわ」のお菓子です。
結果は、大爆笑&大喝采。圧倒的な「異物感」と「親しみやすさ」が、その場の話題を独占しました。
これは極端な例ですが、重要なのは「TPO」と「役割」の理解です。
堅苦しい場であえて「外し」のアイテムを入れることで、場の空気を和ませ、コミュニケーションを活性化させる。手土産とは、単なる物品提供ではなく、人間関係を円滑にするための「戦略ツール」なのです。
思考停止で選ぶのをやめ、相手を思い、戦略的に手土産を選ぶ。その10分の投資が、あなたのプライベートをより豊かなものにするはずです。
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yuuu(ユウ)
会食専門家・幹事研修講師
京都大学大学院修了後、非体育会系・アルコールに弱いにもかかわらず、新卒で電通に入社。
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(会食専門家・幹事研修講師 yuuu 構成=プレジデントオンライン編集部)

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