忙しい日々のなかで学習の効率を上げるにはどうすればいいか。資産10億円を築いた実業家で投資YouTuberの上岡正明さんは「これまでの『学習』は本を読むことが主流だった。
しかし、現在は読むよりも『耳』で学ぶほうが効率的である」という――。
※本稿は、上岡正明『人生が劇的に変わる 「1分」の使い方』(朝日新聞出版)の一部を再編集したものです。
■学習は「読書」から「耳」の時代に
本を読むことは学びの基本ですが、それだけがすべてではありません。むしろ、時間に追われる現代人にとって、本だけで学ぶのは「ぜいたくな勉強法」になりつつあります。
これからの時代に必要なのは、「目」だけでなく「耳」をフル活用することです。YouTubeやポッドキャスト、オーディオブック、オンラインセミナーなどの音声を聴いて、「耳で学ぶ」のです。
こうした勉強法のことを、「耳学(じがく)」といいます。スマートフォンとイヤホンさえあれば、いつでも、どこでも学べる、忙しい人にぴったりな勉強法です。
「聴くだけで覚えられるの?」と疑う人もいるでしょう。しかし、脳科学的に見れば、耳学はきわめて理にかなっています。耳から入った情報は、聴覚をつかさどる「側頭葉」だけでなく、記憶の司令塔「海馬」、そして思考の中枢「前頭前野」にも同時に伝わります。つまり、記憶と思考のプロセスが同時に進むのです。

さらに、音声は「ながら」で何度も繰り返し聴くことができます。反復することで情報は海馬から大脳皮質へと送られ、長期記憶として深く刻まれます。一度さらっと読んだだけの本よりも、何度も聴いた音声のほうが、血肉になります。
■いつでもどこでも「ながら学習」できる
くり返し聴くことで長期記憶が強化され、文章で読むよりも深く刻まれるのです。くわえて、耳学の最大の魅力は、1分単位のスキマ時間をすべて学びの時間に変えられることです。
通勤中、料理中、ウォーキング中、寝る前など、なんとなくスマホを眺めていた時間が、まるごと自己成長の時間に変わります。文字を読む余裕がなくても、耳だけならいつでも使えます。この「ながら学習」の積み重ねが、確実に知識の差を生み出していくのです。
スマホとイヤホンさえあれば、満員電車の中も、キッチンも、筋トレ中のジムも、すべてが「学びの教室」に早変わりします。私自身、1日の学びのほとんどをこの「耳学」で行っています。特にジムでのトレーニング中と移動時間を合わせれば、毎日1時間半は確保できます。1年で500時間以上。
これだけの差がつけば、人生が変わらないはずがありません。
耳学はスキマ時間をムダにしない、「守りの1分」の最高の活用例と言えるでしょう。
■耳学には「YouTube」がうってつけなワケ
私にとって、会社の行き帰りと筋トレの間は、貴重な耳学のひとときです。
筋トレの際は、ウォーミングアップの瞬間からトレーニングの終わりまで、ずっと耳学をしています。もっといえば、ジムの行き帰りの時間も耳学にあてています。トータルにして1時間半近くを学びの時間に変えられているので、トレーニングを長く続けていく理由にもなります。
毎日の耳学のうち、6割を占めているのが、YouTubeです。新しい分野を学ぼうと思ったら、昔は「入門書3冊、中級書2冊、専門書1冊」が定番でした。しかし今は、その代わりにYouTubeが最高の先生になります。
たとえば、NISAについて学びたいなら、キーワードで検索し、再生数の多い順に5本、お気に入り登録します。それをスキマ時間に聴き流すだけで、NISAの全体像が把握できるのです。
おすすめしたいのは、「YouTubeプレミアム」に加入すること。
広告なしで、バックグラウンド再生も可能。この環境を整えるのは、耳学の必須投資です。
■スクール動画の“ダメ講師”を見抜く方法
次に多いのは、「有料のスクール動画」です。AI、広告運用、マーケティング……。自分の弱点分野は、お金を払って学ぶようにしています。有料のスクールというと、かつては怪しげなセミナーや情報商材ばかりでしたが、最近は一流のプロが、少人数制で直接教えてくれる講座が増えています。
スクールを選ぶときに大事なのは、講師がまだ現役で、実績を出しているかどうかを確認することです。どんなに評判がよくても、今の時代に合っていなかったり、実際に成果を出していない人の講義にはあまり意味がありません。
「講師自身がそれでお金を稼いでいるか」「今も最先端のノウハウに触れているか」。それが最大の判断基準です。
また、有料の学びは「お金を払った分だけ集中する」という心理効果も生みます。脳が投資した分を回収しようとすることで、記憶への定着率が高まるのです。
本を読むのが「勉強」だとしたら、耳学は「憑依(ひょうい)」です。憧れの人、目標とする人の思考を、自分の脳に憑依させる。だからこそ、私は「誰の話を聴くか」に徹底的にこだわります。
現役で結果を出している、エネルギーの高い人の声を聴く。それだけで、あなたの知識の基準値は勝手に引き上げられていくのです。
■プレゼン能力を爆上げする最新の方法
さらにもうひとつ、私が最近チャレンジしているのは、生成AIを活用した耳学です。
自分で作ったプレゼン資料や原稿を、ChatGPTなどのAIに読み込ませ、こう指示します。「これを、上岡正明がプレゼンしているような口調で、わかりやすく読み上げてください」
それを、移動中などに耳で聴いて覚えるのです。これには2つの革命的なメリットがあります。
・プレゼンの予行演習になる:自分の耳で聴くことで、論理の飛躍やリズムの悪さに気づけます。

・記憶の定着:視覚(資料)で作ったものを聴覚(音声)で確認することで、脳の異なる回路が刺激され、内容が完璧に頭に入ります。
これは、忙しいビジネスパーソンにとって、最強の「相棒」となるでしょう。

■「耳学」の質を上げるために欠かせないモノ
ちなみに、耳学の質を上げるために、私はイヤホンを複数持ち歩いています。充電が切れたとき、すぐ交換できるようにするためです。ノイズキャンセリングイヤホンも、最近は安くなりました。
たった数千円の耳への投資で、通勤時間が「学びのゴールデンタイム」に変わります。どんなときでも、どんな場所でも、耳学は気軽に実践できます。まだやっていない人は、ぜひ今日から始めてみてください。

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上岡 正明(かみおか・まさあき)

投資YouTuber、作家、フロンティアコンサルティング代表

1975年生まれ。放送作家を経て、27歳で戦略PR、ブランド構築、マーケティングのコンサルティング会社を設立し、独立。これまでに大手上場企業など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。チャンネル登録者36万人を誇る人気YouTuberとしても活躍中。著書に『お金が増える強化書』『勝てる投資家は、「これ」しかやらない』(PHP研究所)など多数。

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(投資YouTuber、作家、フロンティアコンサルティング代表 上岡 正明)
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