※本稿は、関正生『中学英語を本気で攻略するための本』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
■「基礎」は「簡単なこと」「最初に習うこと」ではない
よく「基礎からしっかり勉強しましょう」と言われますが、世間では「基礎=簡単なこと」「応用=難しいこと」で、「英語の基礎を学ぶ=簡単なことを暗記する」という考えが広まっている気がしませんか。
世間では、そもそも「基礎」という言葉が誤解されているのです。「基礎」とは、決して「簡単なこと」や「最初に習うこと」ではないのです。
その定義は「英語の基礎=英語の考え方の中心になるもの」となります。
ですから「最初に習うこと」が「基礎」ではなかったり、「複雑で難しいこと」が「基礎」に含まれたりすることがあるのです。
「基礎とは簡単なことではない」ということ自体は耳にしたことがあるかもしれませんが、そこで話が終わってしまい、「結局は何が基礎なのか?」が具体的に示されることは(少なくとも英語教育界では)ありません。それどころか、肝心の「英語の教え方・教える内容」自体は、今までと変わらないことが多々あります。
「何を基礎と考えて勉強すればいいのか?」が世間で示されないので、独自の視点から「基礎」を提示してみたいと思います。
■丸暗記ナシで“the”が使えるようになる
theについての説明といえば「theは『その』と訳す/最初に出てきた名詞にはaをつけて、2回めからはtheをつける/太陽や地球にはtheをつける(the sun・the earth)」といったことが羅列され、こういったことが「最初に知るべき基礎」だと思われています。
しかしtheの基礎は「“共通認識”できる(お互いに何を指すかわかる)ときにtheを使う」ということです。
いくつものルールを覚えるのではなく、「共通認識できるときにtheを使う」という土台(基礎)を築くことで、さまざまな用法を丸暗記ナシで納得しながら使えるようになっていきます。
■“may”は「50%半々」
mayという助動詞は「~してよろしい/~かもしれない」という2つの訳し方を覚えることが基礎だと思われています。しかし「~してよろしい」と「~かもしれない」の2つの訳語はまるで違うものですよね。しかも訳語を覚えたところで「どれくらいの“かもしれない”」場合に使うのかはわかりません。雨雲を見ながらの「雨降るかも」と、「宝くじで一等が当たるかも」では明らかに確率が違いますよね。
つまり、その基礎では実際の場面では役に立たないのです。
mayの基礎は「50%半々」という感覚です。「~してよろしい」という訳語は「オススメ度50%(してもいいし、しなくてもいい)」であり、「~かもしれない」は「予想50%(そうかもしれないし、そうでないかもしれない)」という感覚です。この感覚をおさえることで「訳し方を丸暗記しなくていい/mayが伝えるニュアンスを理解できる/適切な場面でmayを使える」といったメリットがあるのです。
■“be動詞”の基礎は「主語に応じて形が変わる」
「Iのときはam、youのときはare、heのときはisを使う」ことが基礎であると、ほぼすべての英語指導者は言うでしょう。確かにそれは「基礎に“含まれる”」のですが、もっと深くから英語を解析していきましょう。
「英語では主語に応じて動詞の形が変わる」という発想こそが基礎だと考えます。だから「Iのときはam、youのときはare、heのときはisを使うことが当然と感じられる」ようになるのです。確かに「動詞が変わらない」ことも多いのですが(たとえばhaveが過去形のときは主語がIでもyouでもheでもhadという形)、「基礎」というものは多数決で決まるわけではないのです。
この基礎があるからこそ、Iやyouのときはhaveでも、heのときはhasになる「3単現のs」という、動詞の形が変わる現象を自然に受け入れることができます。さらには、日本語との違い(日本語では主語に応じて動詞の形が変わることはない)にも気づけるのです。
以上が「本当の基礎」の一例です。
■「丸暗記」ではなく「核心をつかむ」
ここからは「基礎」を「カクシン」と表記します。これは「英語の核心(中心になる考え方)」でありながら、「革新(今までと違う新しい発想)」と「確信(この発想で英語をマスターする未来が見える)」という意味も込めています。すでに挙げた3つのカクシン以外にも少し加えたのが以下の表です。
■「丸暗記」は「その場しのぎ」
ガリレオの言葉に「どんな真実でも、見つけさえすれば理解は簡単だ。大事なのは真実を見つけること、それ自体なのだ」(All truths are easy to understand once they are discovered; the point is to discover them.)というものがあります。
英語の勉強において、真実を見つけられないときにとる手段が「丸暗記」です。
■デメリット①丸暗記のループから抜けられなくなる
勉強が進むにつれて暗記量が増えるので、永遠に暗記を強いられることになります。
「無限に英文をつくり出せるルール」を習得するのが英文法の役割の1つなのに、その英文法の勉強で、丸暗記のループから抜けられなくなるのです。
しかも、丸暗記は時間がたてば「丸忘れ」します。一度やったことをまた覚え直す作業は苦痛が伴いますよね。
■デメリット②メンタルがやられる
丸暗記には限界があるので、いずれは自分の記憶力のなさを責めたり、挙句は「自分には英語は無理かも……」と思ったりするかもしれません。
特に、英語学習の初期段階を暗記で乗り切った「成功体験」がある人ほど、(丸暗記で対応できない段階にくると)必然的につまずくことになるのです。
■デメリット③結局は英語をマスターできない
丸暗記では見えない「本当の英語の世界」があります。
「“子ども”が“母語”を習得するとき」は丸暗記も必要でしょうが、「“大人”が“外国語”を習得するとき」は、子どもが母語を習得するのとは事情・環境・能力がまるで違うという事実が無視されています。大人には大人の、外国語には外国語の習得の仕方があるのです。
さて、ガリレオが言う「真実」に相当するのが、「カクシン」です。カクシンをつかむメリットは「上記のデメリットをすべて裏返したもの」と言えます。
つまり「丸暗記を排除できて、納得して理解するから時間がたっても頭に残る/無駄に自分を責めずにモチベーションを保てる/英語を一番確実、かつ効率的にマスターできる」というメリットです。
ついでに「英語の世界を理解していく知的作業」には新しい発見があって、意外と「楽しい」と思いますよ。
----------
関 正生(せき・まさお)
スタディサプリ 講師
1975年生まれ。東京都出身。慶應義塾大学文学部英文学科卒業後、複数の大学受験予備校を経て現職。著書に『サバイバル英文法』、『サバイバル英文読解』、『サバイバル英会話』、『子どものサバイバル英語勉強術』(いずれもNHK出版新書)、『真・英文法大全』(KADOKAWA)、『中学英語を本気で攻略するための本』(かんき出版)など多数。
----------
(スタディサプリ 講師 関 正生)

![[のどぬ~るぬれマスク] 【Amazon.co.jp限定】 【まとめ買い】 昼夜兼用立体 ハーブ&ユーカリの香り 3セット×4個(おまけ付き)](https://m.media-amazon.com/images/I/51Q-T7qhTGL._SL500_.jpg)
![[のどぬ~るぬれマスク] 【Amazon.co.jp限定】 【まとめ買い】 就寝立体タイプ 無香料 3セット×4個(おまけ付き)](https://m.media-amazon.com/images/I/51pV-1+GeGL._SL500_.jpg)







![NHKラジオ ラジオビジネス英語 2024年 9月号 [雑誌] (NHKテキスト)](https://m.media-amazon.com/images/I/51Ku32P5LhL._SL500_.jpg)
