※本稿は、長谷川智也『中学受験で後悔したこと 失敗しない「頭・時間・お金」の使い方』(講談社)の一部を抜粋したものです。
■合格して数カ月で「合ってなかったかも」
「息子は中学受験を経て、共学の某私立中学校に入学しました。でも話を聞くと、帰国子女の強いタイプの女子が多く、うちの子はすっかり気後れしているみたいです。自由で伸び伸びとした雰囲気がいいし、共学のほうが男子は伸びると思っていたけれど、息子にとってはちょっと違ったかもしれません。勉強量はすごく多くて遅れ気味になり、今後が心配です」(Mさん)
難関の中学受験を突破して晴れて入学。しかし、数カ月経つうちに、「うちの子にはこの学校は合っていなかったかも」と感じるご家庭も多いようです。僕が受け持った生徒さんでも、不登校気味になり、極端なケースでは、のちに退学になってしまった場合もあります。
学校選びの後悔をなるべく減らすためには、どうすればいいのでしょうか。
現代の教育の流れでは、中学受験の努力のすべてがムダになる、とまではいいませんが、それに近い状態になることが、どんなタイプの子にも起こり得ます。
今では不登校になる子の割合は、増えに増えています。10年ほど前では学年に1人から2人といったところでしたが、ここ数年はクラスに1人2人いるのは当たり前、3人4人いるケースも珍しくありません。
入学後不登校になったり、五月雨(さみだれ)登校になったりして、人生に無気力になるのが最も怖いことだ、と僕からは指摘しておきます。
■宿題や小テストにも意味はあるが…
僕が思うに、不登校生が多い「学校」の傾向は以下の通りです。
●管理型が極まった、いわゆる「バキバキ管理系進学校」
●ほかの子との比較が多い学校(順位発表など)
です。その学校がバキバキ管理系型かどうかを見極める基準は、
●宿題が多い(毎日出る、長期休みもどっさり出る)
●小テストが多く(週4以上)、かつ追試基準が厳しい
などです。誤解をしないでほしいのですが、このこと自体は、その代わりに放課後塾や予備校に行かなくて良いということも意味し、決して悪いことではありません。
問題は「追試の基準が厳しすぎる」場合に起こる、と僕は思います。
教え子の一人が通っているとある有名進学校では、追試基準が厳しく、時には学年で4人しか突破しないこともあったそうです。一緒にテストの解き直しなどもしたのですが、内容もかなり難しく、これは大変だなと思いました。合格点に届くまで何度でも追試があり、4、5回追試をするのは日常茶飯事だそうです。
■「塾いらず」という名のスパルタについていけるか
ここまでくると、さすがに気が滅入ってくるのは、僕の中高時代を振り返っても、非常にわかる部分があります。僕らの時代でも小テストは毎日のようにあり、点数が悪かった場合はそのすべてに追試があり、「追追追試」などは当たり前でした。
当時「東大に行くにはこれくらい当たり前」と自分では納得していたものの、自主的でない強制力のある学習は、それだけでやる気も落ちてくるものです。
それでもまだ僕らの時代は、先生方にもこちらにも気骨があり、負けん気が強いといいますか、まだ奮闘する人間は多かったように思います。が、今の子にこれは通じないなと実感しています。
進学校の先生方には、小テストでは「基礎」さえ充実させれば良いのであって、そんなに難しいものは要らない、ということをぜひ知っていただきたいです。東大に進学したい場合でも、共通テストで8割くらいを安定してとれるようにするのが、今の大学受験の勝ち筋。東大の二次試験に基準を置いてはいけないと思います。
また、学年の半分が追試になってしまうような小テストは、ご自分の指導力のなさの表れだと思って、反省し、やり方などを工夫していただかねばなりません。
昨今、塾要らずをうたう「お世話焼き系」の進学校が増えていますが、追試があまりに厳しいところには注意しましょう。
■「通学片道1時間以上」なら合格後に引っ越しも
また、もう一つ、入学後のリスクとして気を付けていただきたいのは、学校までの通学距離です。
学校が遠いと、朝起きるのが早くなって睡眠不足になりやすかったり、通勤・通学ラッシュに巻き込まれてつらかったり、というのがあります。それが青春時代特有のホルモンバランスの乱れや、人間関係のトラブルなどにつながりやすいです。
超がつく名門校に行きたい気持ちもわかりますが、電車で1時間以上かかるようであれば、お近くのまあまあ良い学校で十分だと思います。今やカリキュラムには大きな差はほとんどありませんし、生徒の質もそこまで違いはありません。
それでも「どうしても!」というのであれば、学校の近くに物件を借りて、引っ越してしまうしかありません。受験勉強真っ最中の転居はリスクになり得ます。しかし進路決定後に近くへ引っ越したご家庭は意外とありますし、それでうまくいっているケースがほとんどです。持ち家でなければ、検討するのもありではないでしょうか。
■「共学か別学か」は「文化部的な深い趣味があるか」で
入ってから、やっぱり共学のほうが良かったか、また逆に男子校・女子校のほうが良かったか、と後悔する方もいます。
この点について、僕の見解もお話ししましょう。
中学受験をしている子は、一般に知能が高くなり、趣味も高いレベルで追求します。男子であれば、鉄道や昆虫や音楽などに、大人顔負けのレベルで没頭していることも多いです。これは非常に良い傾向であり、できる限りやらせてあげると、良い人生になりやすいです。
開成のポケモン同好会や麻布の鉄道研究部などが有名ですが、やはり偏差値の高い学校、特に男子校の部活には目を見張るものがあります。女子校でも、女子学院のESSなどは、演出衣装などすべてを生徒たちが手掛け、ものすごいクオリティーです。各進学校のクイズ研究会には、高校生クイズの全国大会常連校もありますし、その追求度合は公立では考えられないレベルです。
これは、この高度情報化社会では、知能が多方面に使える子のほうが、より深く楽しく遊べるということが関係しています。
ですが、例えば同じ鉄道研究部でも、女子の目がある共学校では、わりとおとなしくなる傾向にあります。また女子でも鉄道や歴史が好きな子が結構いるのですが、表に出てくる感じは今はまだ少ないです。本格的な文化部で徹底的に楽しみたい子は、共学よりは男子校・女子校のほうを選ぶのが賢明かもしれません。
■「恋愛で勉強がおろそかに」は基本的に杞憂
恋愛方面のトラブルによる学力の失速を心配して、共学ではなく別学で! と、頑なにおっしゃる親御さんもいます。このあたりは、ひと昔とはずいぶん違っているので、ぜひ認識をアップデートしてほしいところです。
今の子の中では恋愛脳の子はほんの一部で、大学を出てからようやくマッチングアプリや結婚相談所で動く子が多いようです。そもそも結婚願望がある子も本当に少なく、いろいろ心配になります(人のことはいえませんが)。共学に行って、男女で仲良くなることはあっても、実際に本格的にお付き合いをするところまでいくのは、僕の体感では1割前後にとどまります。
佐藤ママは「中高生に恋愛はいらない」とおっしゃっていましたが、僕は節度があるなら構わないと思います。
恋愛は学ぶことも多いし、毎日が楽しくなれば心の支えにもなります。もちろん「勉強に身が入らない」ということも、たまに起こります。
僕自身も高校時代にちょっとそういう感じになったことがありますが(清いお付き合いです笑)、いろいろ苦しいことも経験し、大きな学びとなっています。僕のわずかな経験からは悪くはなかったな、と思えます。ただ、当時はあまりに東大に行きたい気持ちが強く、彼女をないがしろにした部分があり、悪いことをしてしまいました。
いずれにせよ、共学でも偏差値が高い進学校では、生活の中で勉強の比重が大きく「恋愛で勉強がおろそかになる」という親御さんの心配は、あまり当たらないと感じています。
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長谷川 智也(はせがわ・ともなり)
プロ家庭教師
1980年兵庫県明石市出身。高卒の両親のもとに育つもハードな中学受験を経験。白陵中学校・高等学校を経て、東京大学現役合格。卒業後、大手塾に勤務、人気講師となる。2009年独立してフリーランスの「プロ家庭教師」に。既存の固定観念にしばられない、生徒個人を見つめた指導で数々の実績を上げる。独自のプログラム「究極の受験セカンドオピニオン・スーパーコンサル」は年間300件を超える申し込みが殺到する。
著書に『中学受験 論述でおぼえる最強の社会』『中学受験 論述でおぼえる最強の理科』(エール出版社)、『中学受験 自走モードにするために親ができること』『自考モードにする 中高6年間の過ごし方』『中学受験 奇跡を引き出す合格法則』(講談社)などがある。
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(プロ家庭教師 長谷川 智也)

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