婚活でモテる女性とモテない女性の違いは何か。恋愛・婚活コンサルタントの菊乃さんは「社会情勢の変化で、これまで最も成婚率が高かった女性が、急に男性から選ばれなくなっている」という――。

■いま急速に婚活市場で人気を失う女性の特徴
昨今の物価高騰や30年間上がらない給与水準などは、婚活の現場にも影響を与えています。
かつては結婚や出産したら仕事を辞めて、子育てや家事に専念したいと考える女性が人気でした。というのも、結婚や出産のタイミングで退職してほしいと考える男性が多かったのです。
国立社会保障・人口問題研究所の第16回出生動向基本調査によると、2015年時点では、男性が女性に希望するライフコースで最も多いのは、結婚や出産にタイミングで退職して、子育て後に再就職するプランで37.4%、結婚し子どもを持ってからも仕事を続ける両立プランを希望する男性は33.9%でした。ところが、2021年の調査では、両立を希望する男性が最多の39.4%、再就職プランは大きく落ちて29.0%です。2026年の今は両立希望する割合はもっと高いでしょう。
時代の変化に合わせて男性の多くが共働きを希望するようになったのです。
そこで急速に婚活市場で人気を失っているのが、経済的に自立していない女性です。
妻が専業主婦になることを望んでいるような高収入男性であっても、年収が低い女性を選ばなくなっています。今や男性の多くが結婚相手に「経済力」や「共働き」を希望する時代です。
■「女性の社会進出で未婚率上昇」は事実ではない
よく「女性が経済的に自立したから未婚率が上がった」との主張を見かけますが、婚活の専門家として現場に立っていると、2つに確たる因果関係はなく、事実と異なると感じざるを得ません。もしその理屈が正しいのであれば、経済的に自立していない女性ほど結婚しやすいということになるはずですが、現実はその真逆だからです。

長年、現場に関わってきた立場から見ると、経済力が乏しい女性の結婚は、今急速に難しくなっています。
「私は派遣社員だけど結婚できた。男性は女の年収なんて気にしていない」といった反論もあるかもしれません。しかし、その結婚は一体いつの話でしょうか。
■男性の2人に1人が女性の経済力を重視している
先の出生動向基本調査によれば、男性が結婚相手選びにおいて「経済力」を重視する割合は、1992年の26.7%から2021年には48.2%まで上昇しています。この傾向は今後も進むでしょう。
結婚相談所パートナーエージェントの20~30代会員のデータでも、男性は年収が高いほど成婚率(※)が上がる傾向にありますが、女性側には異変が起きています。
(※)「成婚数÷結婚相談所の利用者数」で算出。結婚相談所外の出会いによる成婚は含まず。
2019年に最も成婚率が高かったのは「年収300万円以下」の層で31.4%でした。ところが、2024年にはこの層の成婚率が24.7%にまで落ち込んでいるのです。
物価高や年収が上がらない社会背景から、男性が共働きを希望するのは当然の流れですが、実は年収が高い男性であっても、派遣社員など非正規雇用の女性や年収300万円以下の低所得女性を選ばなくなってきています。

なぜ、高所得男性たちは低所得女性を避けるのか。婚活を経験し、実際に低所得女性とデートしたことのある男性たちのリアルな本音を取材しました。
■低年収女性に抱いた「違和感」
直樹さん(27歳・旧帝大大学院卒・年収700万・製造業)は、マッチングアプリと結婚相談所の両方で婚活をしてきました。
彼が惹かれる女性の条件は明確です。「できたら運動部に所属していた経験があり、年齢にもよりますが年収400万円以上の正社員であること。聞いたことがない大学の女性は避けたい」
マッチングアプリは職業をぼかすことや年収欄を選択しないこともできるため、希望の女性を探しにくく、いざマッチングして会ってみると派遣社員、無職だったこともあったそうです。そこで直樹さんが感じたのは、彼女たちが軒並み失礼な態度を取ってくるということでした。
「驚いたのは、派遣社員や無職の女性ほど集合時間に遅れてくる割合が高かったことです。一方で、しっかりした仕事をしていて年収も低くない方ほど、時間通りに来られました。年収が高くない女性ほど、すぐ体調不良でキャンセルしたり、時間を守らなかったりする傾向がありました」
また、そうした女性の多くは実家暮らしで、家事も親任せだと話していたといいます。結婚後は共働きで家事も分担したいという直樹さんには、家事能力がない女性は結婚相手の選択肢には入らないのです。
「言葉は悪いですが、キャパシティーが小さく、仮に結婚したら『足手まとい』になる印象を持ちました。
物価高による実質賃金低下などさまざまな問題がある現代において、二人三脚で支え合える関係が築けそうな女性は、低収入女性の中には見当たりませんでした」
■正職員の看護師を選んだ35歳男性
健太さん(35歳・旧帝大卒・年収約800万・インフラ系)は昨年、結婚相談所で出会った看護師の女性と入籍しました。
「看護師資格がありいつでもどこでも働けるので、彼の転勤先にも付いていきたい」と言ってもらえたことが素敵だと感じたそうです。
健太さんの仕事は国内外への転勤が伴います。結婚後に配偶者が仕事を辞める時期があっても構わないと考えていましたが、それでも彼は「正社員として働いている女性」の中から相手を探しました。その理由は、過去に海外赴任中に出会ったある女性との経験にあります。
30代前半のころ健太さんは、駐在先でワーキングホリデーに来ていた日本人女性と数回デートをしました。
「彼女は日本での会社員生活に無理を覚えて、ワーホリに来たようでした。ところが、現地では日本人経営の日本食レストランでバイトし、余った食材を持ち帰りながら格安家賃のホームステイで『ゆるゆる』と生活していたんです。彼女は言いました。『今が快適すぎるので、日本に戻ったらもう働きたくない』と」
■「派遣社員の女性と結婚した男は周りにいない」
健太さんは、彼女を養い続けるイメージが全く湧かなかったといいます。
「タイプでないわけではなかったのですが、彼女が送っているゆるい生活を、将来私一人の稼ぎで再現できる自信がなかった。それに、30歳手前でキャリアを捨てて海外に来ておきながら、大したスキルも身につけず『戻ったら働きたくない』と言う。
『どういう将来設計で、その人生を選択したの?』と疑問に思いました」
健太さんが不安視したのは、人生の各ステージを共に乗り越えていくだけの「地に足のついた人生観・金銭感覚」を持っているかどうかでした。ワーキングホリデーに来ている女性の中には将来設計がなかったり、金銭感覚がズレていると感じるような人が多くいたそうです。
「結婚している私の同級生たちは、学生時代の彼女と結婚しているケースが多いです。みな大学卒業後は正社員として働いてきた女性ばかり。独身時代から派遣社員だった女性と結婚したケースは、私の周りにはいません」
■年収1000万円超の男性が選ぶ女性の特徴
結婚相談所で婚活に勤しむ年収1500万円を稼ぐ医師の俊さん(29歳)は、女性からのお見合いの申し込みが殺到する人気の男性です。だが、俊さんは低年収の女性からの申し出はすべて断っているといいます。
「私の記憶する限り仕事をしていないような方との見合いをしておりません。そしてこれからもする予定はないと思います。
高収入男性がわざわざ経済的に自立していない女性とお見合いするのは、よっぽど自分より若い女性と結婚したい場合かと思います。
収入は自分がカバーするから人柄重視という高収入男性もいるかもしれませんが、高収入男性はある程度収入が担保され、かつ人柄がしっかりとした女性とお見合いを組むことが多く、よっぽどの美人じゃないと選択肢にすらあがらないと思います」
俊さんが所属する結婚相談所「結婚物語。」の代表カウンセラー豊田さんは「年収1000万円以上の男性が結婚する女性はだいたい年収600万円以上」と話します。つまり、そこそこ人気があって女性を選べる立場の男性ほど、経済的に自立している女性の中から選び、低所得女性はそもそも土俵にすら乗れていないのが現実なのです。
■普通のちゃんとした女性=正社員の女性
取材を通して感じたのは、今の男性たちが特別に「キャリアがある女性」を求めているわけではないということです。
彼らは単に「価値観が合いそうな普通のちゃんとした女性」を求めています。そして、高学歴・高収入の男性が考える「普通のちゃんとした女性」が、今や「正社員で働いている女性」なのです。
日本の経済状況を理解していれば、親世代のような生活水準を維持するには共働きが不可欠であることは自明です。高年収の男性ほど、その現実をシビアに捉え、「共働きで生活水準を維持しよう」という動機を強く持っています。
■年収を上げることが、良い出会いを引き寄せることにつながる
総務省の労働力調査(2024年)によると、15~64歳の正規雇用で働く女性は1263万人(前年より30万人増加)、非正規雇用で働く女性は1230万人(前年より3万人減)です。既婚者も含め、正規雇用で働く女性のほうが多いのです。独身であればなおさら多数派は正規雇用です。
これまでなら、派遣社員の中からも配偶者を選ぶ高収入男性はいたでしょう。しかし深刻な人手不足の現代、正社員として採用される難易度は下がっています。その中でなお理由もなく非正規に留まり、将来への展望も持たない姿勢は、教養がある男性の目には「危うさ」として映ります。
「現代において、しっかりしたパートナーになる可能性がある女性は、皆正社員で働いている」。これが今の婚活市場のリアルです。

もちろん、低所得女性が婚活しても結婚の可能性がゼロになる訳ではありません。高望みをせず運がよければ結婚もできるでしょう。
「結婚したら仕事を辞めるから非正規でいい」と思っている女性がいるのなら、まずはキャリアアップを優先すべきでしょう。正社員になることが、結果としてより良い出会いを引き寄せます。
■結婚とキャリアは分けて考える
婚活サービスユーザーの中で、女性が「いいな」と感じる男性はごく一部の男性に集中します。大卒正社員年収500万円台一人暮らし女性も、年収200万円台実家暮らし女性も同じ男性を「いいかも」と思っているのです。人気男性が結婚相手として選ぶのは前者と後者ならどちらなのかは火を見るよりも明らかです。
大前提として、たとえ専業主婦を望んでいるとしても、結婚と自身のキャリアは分けて考えるべきです。結婚すれば幸せが保障されるとは限りません。もし生涯未婚だった場合、あるいは結婚できても離婚してしまった場合、自分自身を守れるのは自分だけなのです。人手不足で就職しやすい今のタイミングを逃さず、良縁をつかんでほしいと思います。

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菊乃(きくの)

恋愛・婚活アドバイザー

これまで3000人以上の恋愛・婚活相談に携わる。相談者の約4割は恋愛経験がなく、服選びや写真、プロフィール作成といった婚活スタート時の支援から、LINE添削など関係構築のサポートまで一貫して行う。マンツーマン相談のほか、自治体や結婚相談所でのセミナー講師、婚活・結婚に関する執筆を行う。著書に『7日間でとびきり愛される方法』(かんき出版)、『あなたの「そこ」がもったいない。』(すばる舎)、『なぜか愛される女がしている73の習慣』(双葉社)ほか。

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(恋愛・婚活アドバイザー 菊乃)
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