※本稿は、規格外『すべては言葉からはじまる』(実業之日本社)の一部を再編集したものです。
■言葉が確固たる道しるべに
「規範とする言葉」を
残しておくと
行動に一貫性が生まれ、
右往左往しなくなる
人は想像以上に流されやすい存在。気分や体調、周囲の環境、SNS上での話題といった要素に、意思決定は容易に左右される。今日の前向きな決断が、翌日には不安に押し流され、真逆の選択を強いられることも珍しくない。
しかし、一度、意思決定の基準を言葉として残しておけば、それが確固たる道しるべとなる。どれほど感情が揺れ動いても、「自分はこの基準で決断すると決めている」と立ち返れる。
つまり、基準を明文化する最大の意義は、行動の一貫性を維持できるようになる点にある。言葉として残した基準は、流されやすい自分に対する、強力な命令文として機能する。
たとえば、「目先の所得アップより、専門性の獲得を優先する」と明記されていれば、一時的な高収入の誘惑に打ち勝てる。また、「投資では儲けることより、破滅しないことを優先する」と腹落ちしていれば、想定外の事態にも慌てずに済む。
こうした「行動の規範とする言葉」がなければ、私たちはそのときの気分で意思決定してしまう。
■成果を最大化するための賢明な省エネ戦略
意思決定の基準を
明文化することで、
「決定疲れ」を回避できる
意思決定にはエネルギー(認知資源)が必要であり、その回数が増えるほど判断力が低下する「決定疲れ」という現象が、心理学で指摘されている。
もし、あなたが自身の判断基準を言語化していなければ、小さな決断を下すたびにゼロベースで思考を繰り返さなければならない。これでは、あっという間に貴重なエネルギーが枯渇してしまうのは当然といえる。
一方、基準を明文化しておけば、多くの決断が自動化され、認知コストは激減する。これは、複雑なシステムに搭載された省エネシステムのようなものといえる。
たとえば、私は「二度起きた面倒ごとの三度目は、決して起こさせない」という明確な判断基準を定めている。
二度も発生した事象を放置すれば、必ず三度目の問題が起きるという教訓に基づいている。だからこそ、二度目の発生時に、その原因の芽を摘むための仕組み化を最優先で推進する。
このように言語化された基準は、思考の無駄を大幅に省き、本当に大切なこと、すなわち創造的かつ高度な判断にのみ、リソースを集中させることを可能にする。
意思決定基準の明文化こそが、成果を最大化するための賢明な省エネ戦略といえる。
■言語資本の本当の価値
人的資本(稼ぐ力)、 社会資本(人間関係)、
金融資本(金融資産)と、
同等の価値を持つのが
「言語資本」である
直感や経験則に頼った判断は、属人的で再現性がない。
だが、ひとたび言語化された意思決定基準は、何度でも再利用できる上に、他人にも容易に引き継げる。つまり、判断の基準を言葉として固定化することは、そのまま「資産化される」ことを意味する。
私自身、これまで長年書いてきた日記はもちろん、Xやnoteなどで、自身が編み上げてきた独自の意思決定基準を文字通り大量に生み出し続けてきた。
そうした「言語資本」は、少なくとも私の中では、過去から積み上げてきた人的資本(稼ぐ力)、社会資本(人間関係)、金融資本(金融資産)と、全く同じ価値の並びにある。
なぜなら、言語化によって得られた体系的な知恵は、判断のミスを減らし、時間を節約することで、上記三つの資本効率を劇的に高めるからだ。
意思決定の基準を明文化する行為は、未来の自由と成功を担保するための「無形資産」を積み上げる行為に他ならない。
あなたも、自身の判断ロジックを言語化し、普遍的な資産として蓄積することに、ぜひ取り組んでみるといい。
■混乱の元凶を外に出し尽くす
行動に一貫性を伴わせたければ、
まずは頭の中にある
思考、雑念、懸念事項のすべてを
外部に書き出すところから
高いパフォーマンスを求めるなら、まず頭の中にある思考、雑念、懸念事項のすべてを書き出すこと。紙でもディスプレイ上でもいいので、混乱の元凶を外に出し尽くす必要がある。
最初は「書いても書いても、次々に新しい考えが湧き出す」と感じるだろう。しかし、それこそが正常な反応であり、頭の中に長期間沈殿していた思考が表層に現れる過程である。
この「汲み尽くすまで徹底的に吐き出す」行為に意味がある。「そんな時間は取れない」「もっと生産的なことに時間を使いたい」という反論もよく聞くが、これ以上、生産的な時間は存在しないと断言する。
なぜ私たちは前に進めないのか。それは、膨大な雑念が思考を混乱させ、羅針盤の針があちこちを向くように、進むべき方向が一点を指し示さなくなるから。
その結果、行動に一貫性が生まれず、三日坊主を繰り返すうちに「学習性無力感」に陥る。
学習性無力感とは「何をしたところで結果が変わらない」という経験を繰り返すことで、無力感を学習し、本来なら解決できる状況でも行動を起こさなくなる心理状態をいう。
この状態に入ると何も行動できなくなる。この悪循環を断ち切る唯一の方法が、頭に浮かぶ考えをすべて書き出すこと。書き出すことで脳内のカオスに体系と秩序がもたらされ、すぐに処理すべきもの、捨てるべきものがふるい分けられる。
最も生産性の高い時間とは、頭の中を徹底的に言語に落とし、整理整頓する時間。
■一点集中と、それに伴う即断即決が可能に
高い自信と自尊心、
そして行動力を
保ち続けたければ、
毎日、日記を書くといい
脳内の混沌を可視化するために、頭の中にある思考、雑念、懸念事項をすべて書き出すことを数ヶ月以上も続けた者には、確実な変化が現れる。それは自分が何を大切にすべきか、切り捨てるべきかが明確になってくるからである。
頭の中が言語化によって秩序化され、研ぎ澄まされれば、行動にも大きな変化が訪れる。
一点集中と、それに伴う即断即決とが可能になり、瞬発力、集中力、爆発力が備わる。必然的に短期に成果を出せるようになる。
頭の中が混乱している限り、行動に一貫性が生まれず、思いつきでの行動に終始することとなって成果も出ない。
だから、まずカオスを言語化によって秩序化する工程が不可欠となる。
私はこの取り組み(日記習慣)を30年以上続けてきた。その経験があるからこそ、他の人が熱心に薦めることでも「やらない」と即断できる。
反対に多くの人が否定することでも、自らが価値を見出したものなら「誰もやらないからこそ自分がやる」という信念で突き進める。
この推進力と駆動力を与えてくれたのが、思考を可視化し、秩序を与え、方向性を定める日記を書く習慣だった。日記習慣を通して言語化を続ける営みこそが、高い自信と自尊心、そして行動力を保ち続ける基盤となる。
■世界をより正確に捉え、意思決定の基準を確立する
自らの経験と
思索を通して、
独自の世界観と
処世訓を確立せよ
作家の井上ひさし氏は、その著書『一週間』の中で、
「人間が生きていくには、世界観と処世訓が必要」
と記していた。
世界観とは「世界がどんな風にできているか理解すること」、処世訓とは「その世界で自分はどう生きるかという指針」。
世界最大のヘッジファンドを一代で築き上げたレイ・ダリオ氏は異なる表現で、けれども全く同じことを言っていて驚いた。
「私が人生を通じ、キャリアをかけてやっていることは、世界がどう機能するのかを考え、それにうまく対処するための原則を作り、そして賭けをするということ」
私が長い間、日記を書き続けてきたことも「世界をより正確に捉え、意思決定の基準を確立する」ためであったという意味において、全く同じだった。レベルの差はともかくとして。
ちなみにレイ・ダリオ氏の考える「原則」は『RINCIPLES(プリンシプルズ)人生と仕事の原則』という本に記されている。
こうした書籍をときに参考にしつつ、自らの経験と思索を通して、自分だけの「世界観」と「処世訓(原則)」を確立することを試みてはどうか。
----------
規格外(きかくがい)
経営者
京都大学大学院中退。米系グローバル企業を経て、起業。ニッチ市場をゼロから創造し、20年以上にわたって億単位の営業利益を継続。自身の挫折と成功の経験から、「使う言葉を変えるだけで、人生いつからでも作り変えられる」という信念に至る。Xフォロワー数6.6万人。
----------
(経営者 規格外)

![[のどぬ~るぬれマスク] 【Amazon.co.jp限定】 【まとめ買い】 昼夜兼用立体 ハーブ&ユーカリの香り 3セット×4個(おまけ付き)](https://m.media-amazon.com/images/I/51Q-T7qhTGL._SL500_.jpg)
![[のどぬ~るぬれマスク] 【Amazon.co.jp限定】 【まとめ買い】 就寝立体タイプ 無香料 3セット×4個(おまけ付き)](https://m.media-amazon.com/images/I/51pV-1+GeGL._SL500_.jpg)







![NHKラジオ ラジオビジネス英語 2024年 9月号 [雑誌] (NHKテキスト)](https://m.media-amazon.com/images/I/51Ku32P5LhL._SL500_.jpg)
