※本稿は、鈴木俊之『タイトルから考えよう』(星海社新書)の一部を再編集したものです。
■AIに頼りすぎて思考停止する「バカ」
「AIでできます」という言葉は、「バカ」の象徴のような言葉です。裏を返せば「自分は結果にコミットせずにとりあえずアウトプットをサボりたいフリーライドサボリーマンです」と言っているようなもので、これほど残念な言葉はありません。
彼らは、AIを思考を深めるためのパートナーとして活用するのではなく、単に自分の作業量を減らすための「言い訳」として利用しているに過ぎません。これでは、AIを導入したところで、組織全体の生産性や創造性が向上することはなく、むしろ「思考停止」を助長し、表面的な成果しか生み出せない企業文化を形成してしまうでしょう。
ちなみに、このようなAIで何かを作ることそのもの、つまり「納品」にのみ関心が向いてる納品主義者はモテません。これは、ビジネスにおいてもプライベートにおいても、相手の感情やニーズに寄り添う想像力が決定的に欠如しているからです。モテる人というのは、相手の些細な表情の変化や言葉の裏にある意図を察し、相手が本当に求めていることを先回りして提供できる人です。
■「好きなタイプは優しい人」がつまらないワケ
例えば、相手が「疲れた」と言ったときに、ただ「おつかれさま」と返すだけでなく、「何かあったの?」「ゆっくり休んでね」と、相手の感情に寄り添う言葉をかけたり、そっと飲み物を差し出したりできる人です。こうした先回りした行動は、相手の感情を想像し、それに応じた行動をデザインする「人間理解」ができている人でなければ無理でしょう。
しかし、納品主義者は、この「想像力」がありません。彼らは、相手の言葉を文字通りにしか受け取らず、その裏に隠された感情や欲求を読み取ろうとしません。
だから、好きな人のタイプを聞いたときに「好きなタイプは優しい人です」と答える人が「つまらない」と思われるのです。そこに賛否が分かれず、感情を揺さぶる要素がないからです。「優しい」というのは、あまりにも漠然とした、誰にでも当てはまるような抽象的な言葉であり、相手の想像力を刺激しません。
「へぇ、優しい人が好きなんですね」で会話が終わってしまい、そこから具体的なイメージや感情の掘り下げができないのです。
■印象に残らない人に欠けている視点
もしここで、女性が答えるならば、「普段はぶっきらぼうだけど、私が困っているときにそっと手を差し伸べてくれるような不器用な優しさにキュンとします」と答えれば、相手は具体的なシチュエーションを想像し、共感したり、意外性を感じたり、あるいは「それって、オレのことじゃん!」と思ったりするでしょう。感情が動くことで、会話はさらに深まり、その人への興味も増すのです。
モテるというのは、相手の「感情」を動かし、相手に「もっと知りたい」「もっと一緒にいたい」と思わせる力です。納品主義者は、この「感情を動かす」という視点が欠けているため、相手にとって「無難だけど、特に印象に残らない人」になってしまうのです。
彼らは、人間関係においても、ビジネスにおけるコンテンツ制作と同様に、ただ「言われたこと」を「こなす」だけで満足し、その先の「相手の心にどう響くか」という結果に無関心なのです。
例えば、「生涯で一番お金を使ったものは?」と問われて水道代や家賃といった「インフラ」を答えても、誰も感情は動きません。当たり前すぎて面白みがないからです。
■「つまらない」という感情と向き合う
読者が聞きたいのは、「海外でぼったくられた」「キャバクラでムダなシャンパンを開けて100万円使った」のように、具体的なエピソードと、それによってさらに会話が盛り上がること、つまり「その話を聞くことで自分の感情が動くこと」なのです。
納品主義者のサボリーマン思考から脱するコツは、コンテンツを「つまらない」と思う感情を持ち、その「つまらなさ」の原因を徹底的に追求し、最終的な品質をチェックする意識と行動をすることです。この「つまらない」という感覚は、コンテンツを作るときの必須条件であることはすでに述べました。
ただ、現実として多くの人は、自分が作ったものが「つまらない」と認めることを嫌がります。しかし、その感情と向き合うことこそが、成長の第一歩です。「なぜ、私の文章は読者の心に響かないのか?」「なぜ、この企画書は相手を動かせないのか?」その原因を深掘りすることで、初めて読者の真のニーズや感情の動きが見えてきます。これは、コンテンツを「完成させる」こと以上に、その「成果」に責任を持つというプロ意識の表れです。
■「平均的」はプロの仕事ではない
残念ながら、AIの登場により、この最終品質チェックを怠る「AIバカ」が多すぎます。彼らはAIが生成したアウトプットをそのまま鵜呑みにし、まるで思考停止したかのように世に出してしまいます。しかし、AIは完璧ではありません。
AIは学習データに基づいて「平均的」な文章を作り出すことは得意ですが、人間の感情の機微を捉えたり、特定のターゲットの琴線に触れるような「毒」や「癖」を織り交ぜたりすることは苦手です。その「つまらなさ」を感知し、改善を加えるのは、依然として人間の役割なのです。
この意識改革がなければ、AIは単なる「高品質な定型文メーカー」でしかありません。
このプロセスこそが、読者の心を動かし、結果にコミットするコンテンツを生み出す唯一の道なのです。この哲学を覚えておけば、きっと、あなたの言葉は劇的に変わり、人を動かす力を持ち始めるはずです。
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鈴木 俊之(すずき・としゆき)
編集者・ライター
1985年福島県生まれ。福島県立磐城高校、法政大学文学部地理学科卒業。出版社にて月刊誌編集部に所属し、企画立案から取材、執筆、編集に携わる。2015年より独立。雑誌、ネットニュースなどのマスメディアで、金融、IT、不動産、医療、消費トレンドの記事を手がける。
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(編集者・ライター 鈴木 俊之)

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