※本稿は、末永雄大氏のYouTubeチャンネル「すべらない転職エージェント」の一部を再編集したものです。
■新卒と中途で決定的に違う採用面接のポイント
みなさんは転職活動の面接に臨む際、どのような対策をされていますか?
初めて転職を経験される方の多くは、新卒時の就職活動と同じように「短く簡潔に話さなければ」「業界研究をやり込まなければ」と考えてしまいがちです。
もちろん、それ自体が間違いではありません。しかし、こうした付け焼き刃の対策だけでは、中途採用の面接を通過するのは難しいのが現実です。なぜなら、新卒採用と中途採用では面接官がチェックしているポイントが根本的に違うからです。
この違いを知らずに転職活動を続けても、せっかくの時間と努力が無駄になってしまいます。面接官の視点を理解せずに求人選びや傾向対策をいくら積み重ねても、望む結果には結びつかないのです。
では、面接では一体何を意識すべきなのでしょうか。
私はこれまで数百人の面接に同席してきました。また、リクルート時代には法人営業として多くの企業の採用支援を行ってきた経験もあります。その中で、企業側が「どんな人を求めているのか」という本音をたくさん聞いてきました。
膨大な数の候補者と企業を見てきたからこそ断言できる、面接官がチェックしている最重要ポイントは、実はたった2つしかありません。それは、「この会社に定着するかどうか」、そして「実際に活躍してくれるかどうか」。この2点に尽きます。
■企業はなんのために採用面接をしているか
「なんだ、そんなの当たり前のことじゃないか」と思われたかもしれません。
しかし、よく考えてみてください。みなさんは面接の準備をする際、この2つのポイントを本当に意識して回答を組み立てているでしょうか? 当たり前のことだと思っていても、それを準備段階で言語化し、企業にアピールできていなければ知っていることにはなりません。
たとえば面接の場で、まるで裁判のように「自分がいかに正しい理由で会社を辞めるか」を必死に証明しようとする方がいます。これは企業側の視点が抜けてしまっているから起きる失敗です。
企業の目的は「採用すること」ではなく、採用した後にその人が「利益を上げること」です。どんなに優秀な人でも、利益を上げる前に早期退職してしまったり、期待された成果を出せなかったりすれば、企業にとっては採用コストや人件費がかさむだけで、全く意味がありません。
転職者にとっての採用活動は「人生の大事な選択」かもしれませんが、企業にとってはあくまで「利益を追求するためのビジネス」です。採用はそのための手段に過ぎません。
■「またすぐ辞めるのでは?」を払拭する方法
では、面接で「自分はすぐに辞めず、定着する」ということを、どう証明すればいいのでしょうか。
今の会社に3~5年ほど勤めていれば、そこまで大きな懸念は持たれません。しかし勤続3年未満の方の場合、面接官は「また同じようにすぐ辞めてしまうのではないか」と疑いの目を持ちがちです。
企業側も、書類選考や面接官のスケジュール調整など、多大な手間とコストをかけて採用活動を行っています。せっかく採用した人が早期退職してしまう事態は避けたいのが本音です。
ですから、「すぐ辞めるのでは?」という疑念を払拭するためには、次の2つのステップが非常に重要になります。
1つ目は、「今の仕事内容や環境」と「自分自身の志向性」を具体的に整理すること。そして2つ目は、それらが今の会社では「物理的にマッチしなかった」と証明することです。
まずは自分の志向性をはっきりさせ、それを実現するために必要な仕事内容や環境を明確に言語化してください。その上で、「自分の求める要件が、今の会社ではどうしても満たせない。でも御社であれば合致しているから長く貢献できる」という形で志望動機を伝えるのです。
ここまで具体的に話すことができれば、面接官も「なるほど、うちの環境ならこの人が求めるものは揃っている。それなら不満を感じて辞めることもなさそうだ」と納得し、定着性への評価がぐっと高まるわけです。
■前回の会社選びの失敗を潔く認める
次に2つ目のステップですが、ここでは「自分の志向性と会社の環境にミスマッチを感じた際、状況を改善するために行動したか」ということが重要になってきます。
たとえば、「エンジニアとして開発がしたかったのに、組織の都合でどうしてもできなかった」というケースを考えてみましょう。これは物理的なミスマッチではありますが、だからといって「自分には合わないから」とすぐに見切ってしまうのはどうなのか。面接官からすれば、「自分で選んで入社した会社なのに、責任感が足りないのではないか」「また同じように見限ってしまうのでは?」と不安に思われてしまいます。
面接官に納得してもらうためには、「状況をより良くするために、自分なりにこれだけの働きかけをした。それでもどうしても解決できなかった」というプロセスをきちんと説明する必要があるのです。
そもそも自分の志向に合わない会社を選んでしまったのは、自分自身の判断ミスです。誰かに強制されたわけではなく、自分の意思で決めた以上、「知らなかった」「思っていたのと違った」では済まされません。
厳しい言い方ですが、何の反省もなしにそう主張してしまうと、情報収集の甘さや意思決定の軽はずみさを露呈しているようなものです。これでは、自分の無能さをアピールしているのと同じになってしまいます。
■“完全自己責任”で捉え直す
ですから、ここについては、あえて極端なくらいの「完全自己責任」というスタンスに徹するのがちょうどいいと言えます。
たとえば先ほどのエンジニアの例でいえば、「開発ができなかったのは会社のせい」ではなく、「その会社の仕事内容や組織体制を十分にリサーチせずに選んでしまった自分の責任だ」と捉え直すのです。
このように自責の念で振り返ったとき、もし「条件の良さや有名ブランドに目がくらんで、リサーチが甘くなっていた」といった自分の思考の癖に気づけたのなら、その分析結果と反省、そして二度と繰り返さないための改善策を企業にしっかり伝えましょう。
そうすることで、面接官は「この人は課題の原因を自分の中に求め、同じ轍を踏まないよう改善策を講じることができる人だ」と安心します。また、自分の非を素直に認めて改善に向かえる誠実なスタンスは、非常に好印象に映ります。
多くの転職者は現状への不満がきっかけで動き始めるため、現職に対して感情的になりがちです。どうしても「会社が悪い」という他責のスタンスに陥ってしまい、自責で捉えることが難しくなります。
だからこそ、転職エージェントや客観的な視点を持つ友人・知人に相談し、利害関係のない第三者からフィードバックをもらってください。他人の目を通すことで意外と冷静になれますし、一概に会社だけが悪いわけではなかったと気づけるはずです。
■未経験の職種はあえて悪い面に着目する
未経験の業界や職種にチャレンジする場合も、注意が必要です。理由はシンプルです。
未経験者が語る「やりたい」は、往々にして華やかなイメージや憧れが先行しがちです。良い面ばかりを見ていて、泥臭い現実を知らないことが多い。これが、面接官がミスマッチや早期離職を強く懸念する原因になります。
こうした「憧れ」の正体は、単なる「ミーハー心」であることが大半です。しかし仕事となれば、当然ながら責任が伴います。いざ実務に就いたとき、理想と現実のギャップに耐えられず、途中で投げ出してしまうケースが数多く存在します。
だからこそ、自分が目指す仕事については、良い面だけでなく「悪い面(大変な部分)」にあえて着目してください。その部分を理解した上で、それでもなおやりたい理由を語る必要があります。
さらに重要なのは、「その仕事に就くこと」自体をゴールにしないことです。
たとえば、未経験からWebマーケティング業界を目指すとしましょう。その場合、「Webマーケターになりたい」と言うだけでは不十分です。
ここまで具体的に語れて初めて、面接官は「この人なら未経験でも折れずに定着してくれるだろう」と評価してくれるのです。
■“即戦力”だからこそ証明すべきこと
2つ目のポイントです。面接官を「この人は活躍してくれそうだ」と最も手っ取り早く確信させるのは、やはり同じ業界・職種での実務経験があり、かつ高い実績を出していることです。いわゆる「即戦力」ですね。
ただし、注意しなければならない点があります。たとえ同じ職種の経験や実績があったとしても、面接官は「その実績に再現性があるかどうか」を非常にシビアにチェックしているということです。つまり、あなたが出してきた成果が「本当にあなたの実力なのか」が見られているのです。
「今の会社は環境が良かっただけではないか?」「運が良かっただけではないか?」「たまたま一度うまくいっただけではないか?」――面接官は常にこうした疑いの目を持っています。転職後も同じか、それ以上の成果を出し続けてくれる保証が欲しいのです。
ですから、成果が環境や運によるものではなく、自分自身の「創意工夫」によって生み出されたものであることを証明しなくてはなりません。具体的には、一度きりの成功体験を語るのではなく、それを何度も再現できるようにどのようなプロセスで仕事を進めてきたのか。具体的なファクトや数字を交えながら、論理的に伝える必要があります。
■モチベーションを語るときは原体験と紐づける
さらに、面接官の視点として避けて通れないのが「コミュニケーション能力」です。
面接という限られた時間の中では、どうしても受け答えの質が評価に直結します。ここで最も重要視されるのは、相手の質問に対して「簡潔に、かつ論理的に答えられるかどうか」という点です。
また、特定の分野で抜きん出た活躍をしている人には、共通した事実があります。それは、単に淡々と仕事をこなすだけでなく、人よりも深く探求し、圧倒的な行動量をこなしているということです。
仕事のアウトプットや成果は、「行動数×1行動あたりの生産性」というシンプルな方程式で成り立っています。この前提に立つと、その人がなぜその仕事に打ち込めるのかという「動機付け(モチベーション)」の明確さが、活躍を占う極めて重要な要素になってきます。
ですから、「なぜその仕事をやりたいのか」を語る際、どこかで聞いたような一般論を並べるのはNGです。自分自身の具体的な原体験と紐付けて、独自の理由を話せるかどうかが問われます。面接官はそこを見て、入社後の活躍がどれぐらい期待できそうか判断しているのです。
■いちプレイヤーの先を見据えているか
加えて、その仕事の先に「長期的なビジョン」を持っているかどうかも大きなポイントです。目先の転職をゴールとせず、その道を永続的に探求していく姿勢が見えれば、「この人なら自ら成長し続け、大きな成果を出してくれそうだ」という期待値はさらに高まっていくでしょう。
そして企業の面接官が見ているのは、プレイヤーとしての活躍だけではありません。その後の「マネージャーとしての可能性」も含まれています。
会社としては、将来的には個人の成果だけでなく、チーム単位で大きな成果を出してほしいというニーズを常に持っています。そのため、長期的な視点でマネジメントや後進の育成に興味があるかという点は、非常に気になるポイントなのです。
もちろん短期的な成果も必要ですが、特に長期雇用を前提としている企業においては、人の育成やマネジメントに対する意欲や経験があることは、大きなアピール材料になります。
■転職者が見落としがちなチェックポイント
最後に、活躍の可能性を測る上で、転職者から意外と意識されていない要素があります。それが「謙虚さ」や「チームワークを大切にする姿勢」です。
前職で輝かしい実績を残した人が、転職先では全く活躍できなくなるケースがあります。これは、新しい環境で周囲と信頼関係を築けず、本来の実力を発揮するための土台を失ってしまうからです。どれほど個人のスキルが高くても、ほとんどの仕事は一人で完結するものではなく、周囲の協力があって初めて成果に繋がります。
特に専門性が高く優秀な人ほど、自分に自信があるがゆえに、新しい職場で傲慢に振る舞ってしまうリスクがあります。その結果、周囲に受け入れられず、成果を出す前に孤立して辞めてしまう。こうした事態は、企業にとって大きな損失です。
「環境に馴染めるかどうか」は、成果を出すための立派な要因の一つです。このことを深く理解している人は、総じて謙虚であり、新しい環境で周囲と信頼を築くことの重要性をわきまえています。面接官は、あなたの受け答えの端々から、そうした「組織適応力」も鋭くチェックしているのです。
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末永 雄大(すえなが・ゆうた)
アクシス株式会社 代表取締役CEO
リクルートキャリア、サイバーエージェントを経て独立。2012年より「自立型人材の育成」を軸に、転職支援・キャリア支援事業を展開。YouTubeチャンネル「すべらない転職エージェント」は登録者数8万5000人超。転職メディア「すべらない転職」編集長としての情報発信に加え、個人向けキャリアコーチングサービス「マジキャリ」、成長ベンチャー向けマネジメント育成サービス「マネディク」を運営。
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(アクシス株式会社 代表取締役CEO 末永 雄大)

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