※本稿は、矢場田つとむ『すごい自己受容』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
■心の急速充電に必要な「自己受容」
すべてにおいての起点であり、最終結論でもあるのが、この自己受容です。
自己受容とは、自分がどんなにダメであっても、評価したり裁いたりせず、抱きしめてあげること。そして、ありのままの自分を、現在地として静かに受け入れること。
つらいとき、困ったとき、混乱してわけがわからなくなっているとき、ピンチのとき……まずは一度立ち止まり、自己受容をしてください。
何か行動を起こすとしても、まずは自己受容してからでも遅くはありません。立ち止まったら、傷ついた心を癒して、安心感の足場をつくり、心の充電をしていきましょう。このことさえ覚えてもらえれば、本稿の役割は8割がた済んだと言ってもいいかもしれません。
心の充電に必要な自己受容とは、実は「母性愛」のことです。
母性愛とは、「ここにいていいんだよ」「大丈夫だよ」と、存在そのものを丸ごと包み込み、結果や条件に関係なく寄り添って、安心感を与えてくれる無条件の愛です。
3歳の子どもが泣いている場面を想像してみてください。
「泣くんじゃない!」と怒ると、余計に泣きますが、ぎゅっと抱きしめて「ヨシヨシ、悲しかったね」と寄り添うと、早く泣きやみます。
「ヨシヨシ」と抱きしめられ、無条件の愛を受け取ることで、子どもは「泣いている自分も存在していいんだ」と安心し、エネルギーを回復させていきます。これが、心の急速充電になるのです。
■「自分自身」が母の代わりになれる
しかし、大人になると、誰も無条件には「ヨシヨシ」してくれません。もう大人になってしまったし、お母さんが近くにいないかもしれません。
でも大丈夫です。お母さんの代わりに、あなたを優しく受け止めてくれる人がいます。誰でしょうか?
それは、あなたです。
あまり知られていないのですが、この無条件の愛はいつでも、いますぐにでも、自分に与えることができます。あなたがそうしたいと思ったときに、あなたを励まし、勇気づけ、癒すことができます。ここに、最高の味方がいたのです。
■コストゼロで誰でもできる
自己受容には、次の4つの特長があります。
●一瞬で心を回復できる(効果バツグン)
●お金も時間もかからない(コストゼロ)
●いますぐ何度もできる(無制限)
●未就学児から中高年まで誰でもできる(かんたん)
いつでも安心して急速充電できる場所、すなわち「心の安全基地」をあなたの心の中につくっていくのが本稿の目的です。
疲れたな、しんどいな、これからがんばりたいな……というとき、いつでも帰ってきてください。それからひと息ついて、立ち直り、また現実世界に向かっていけばいい。それが自己受容なのです。
■「自己否定」があなたを疲れさせる
しかし、忙しかったり、悩みを抱えていたり、自分に自信がなかったり……心に余裕がないと、私たちは自分にキツくあたってしまうことがあります。これを心理学の用語では、自己否定といいます。
「なんで私はこんなにダメなんだろう」
「ほかの人はもっとうまくできているのに」
「調子に乗ったら失敗して傷つくぞ」
「いまのうちに反省しておかないと人から嫌われるぞ」
私たちは、友人にはけっして言わないような厳しい言葉を、自分自身にだけは毎日投げつけてしまっています(もちろん、人によって程度の差はあると思いますが)。
こうした心の声が、みなさんの心を傷つけて、疲弊させてしまっているのです。
絶対の味方であってほしい自分自身が、敵になってしまったように感じることもあるかもしれません。いつも聞こえている、「自分を責める声」は、たとえるならスマホの常駐アプリのようなもの。いつも動き続けていて、休まることがありません。
自己否定は、私たちに充電するひまを与えずに、じわじわと心のエネルギーを削っていきます。
私たちは、あらゆることを「なんとかしよう」としてきました。そして、そのために自分を犠牲にしてきました。ところがどうでしょう。自分を犠牲にした分だけ、あなたは幸せになれたでしょうか?
休むこと、立ち止まることは、足踏みでも時間のロスでもありません。遠くへ走るための大切なウォームアップなのです。
■ぬいぐるみ、毛布を手前で抱いてみる
「いい歳としをした大人が、自分で自分を慰めるなんて……」
そう思う人もいるかもしれません。しかし、これは脳科学的にも理にかなった強力なメソッドです。やり方はとてもシンプル。
「ハグ」+「伝え返し」+「魔法の言葉」、これだけです。
では、さっそくやってみましょう!
①ハグ
まずはクッション、枕、タオル、毛布やラグ、ぬいぐるみなど……触り心地がよくて、柔らかいものを用意してください。抱き枕でもいいですね。
それを、優しく、ぎゅっと抱きしめてください。
抱きしめるものがないのであれば、胸の前で両腕をクロスして、自分で自分を抱きしめる「セルフハグ」でもかまいません。ただ、私としては、まずは最初だけでもいいので、何か肌触りのよいものを用意することをおすすめします。
心理学の用語に、スヌーピーの登場キャラクターにちなんだ「ライナスの毛布」というものがあります。柔らかくて触り心地のよいものに触れていると、人は心理的に安堵を得られるという意味です。
人間の皮膚は第三の脳だと言われています(ちなみに第二の脳は腸)。脳が安心感を覚えるとセロトニンやオキシトシンと呼ばれる幸せホルモンが出てきます。
私の生徒さんの中にも、幼い頃から使っている毛布や、柔らかいタオル素材に触れると安心してよく寝られると話す人がいます。
自分のお気に入りを探しておいて、持ち歩けると便利です。
優しく抱きしめたら、もし状況が許すなら、目を閉じてください……。
■感情にフタをするのは逆効果
②伝え返し
あなたはいま、どんな思いを抱えていますか?
何か不安や後悔があったり、愚痴や弱音を吐きたくなったり、またはそんな自分に嫌気がさしてしまっているかもしれません。あるいは、とても心が落ち着いていたり、ワクワクした気持ちで本書を読み進めてくれている人もいるかもしれませんね。
もしネガティブな心の声が聞こえてきても、それを抑えつけたり、消そうとしないでください。感情は、フタをしようとすると余計に暴れ出します。
反対に、「いま、不安なんだな」「あのことで後悔しているんだな」などと、その感情の存在を認めてあげるだけで、スッと小さくなっていきます。
ですので、どんな心の声が聞こえてきても、そのままオウム返しをして、伝え返すだけでいいのです。
「伝え返し」は、「不安がっていてもいいんだ」「泣いている自分もいていいんだ」という安心感を与えます。
■3歳の子供に接するように自分と対話する
いまの自分を客観的に見ている、もう1人の別の自分を想像してください。
そして、自分の中から湧き上がってきた思いをもう一度繰り返しながら、3歳の子どもと接するように、自分と優しく対話をしていきます。
いまの私「なんで私はダメなんだ?」
もう1人の私「ダメって考えちゃうんだね」
いまの私「不安だよ」
もう1人の私「不安を感じているんだね」
いまの私「嫌なことが起きてしまった」
もう1人の私「起きてしまったんだね」
いまの私「がんばらなきゃ」
もう1人の私「がんばりたいんだね」
最後にこう付け加えてもいいでしょう。
「そう感じてもいいんだよ」
スマホのバッテリー残量を確認するとき、「20%しかないなんてダメだ!」と怒る人はいません。「あ、いまは20%なんだな」と事実を認めるだけです。
自己受容も同じです。良い悪いの評価を外し、否定することなく、いまの状態をただ認める。
■「ヨシヨシ」は魔法の言葉
③魔法の言葉をかける
最後に、とっておきの言葉を自分にかけてあげましょう。
「ヨシヨシ」。そう、子どもの頃、誰かに言ってもらったあの言葉です。
3歳の子どもが泣いて帰ってきたときに、お母さんが抱きしめてあげるような感覚で、語りかけてあげてください。
「ヨシヨシ」は無条件の愛、母性愛を象徴する言葉です。
この瞬間、あなたの「存在そのもの」が肯定され、安心感をもたらすセロトニンやオキシトシンなどの幸せホルモンが分泌されているはずです。
また、何か行動や変化を求める言葉ではないので、もし思考がパニックになっていても、いったんそのままで、心の安全基地に戻る役割も果たします。
もちろん「ヨシヨシ」にこだわらず、「そうかそうか」「よくやってるよ」「そのままでいいんだよ」など、自分が落ち着く言葉があるのなら、それでも大丈夫です。
無条件の愛、感じられましたでしょうか?
■おじさんだってぬいぐるみを抱きしめていい
ここまで、だいたい10秒もあればできます。
やってみて、いかがでしたでしょうか?
時間が許すなら、5分、10分、30分……と続けてもかまいません。特にルールはないので、ご自身の心ゆくまでやってみてください。
あなたにとって、いまこの瞬間が自己受容の始まりです。
私は20代でうつ病や、潰瘍性大腸炎という難病でどん底にいたとき、自己受容のセルフハグによって、自分を立て直してきました。
それから50歳を超えるまで、30年近く実践し続けています。
これを読んでいる方は、ほとんどが大人で、若くてもせいぜい中高生でしょう。
成長してしまうと、誰もヨシヨシと抱きしめてくれないし、誰も気持ちをわかってくれないし、誰も優しい言葉をかけてくれないかもしれません。
仕方がないので、自分で自分にやってあげましょう。
ダメな自分も、弱い自分も、全部抱きしめる。心の小さな傷に、自分で絆創膏を貼るようなものです。
あなたもぜひ、「ヨシヨシ」「毎日よくやってるね」と、自分に優しくすることを習慣づけてください。
ぜひ一度トライしてみてほしいのが、ぬいぐるみを抱きしめること。
「いい大人がぬいぐるみを抱きしめる?」と、特に男性は思うかもしれません。
とても正直な反応ですし、初めはそれで全然いいんです。まずはクッションや毛布などから始めてください。
■ぬいぐるみは「大人」にこそ必要なもの
60代の男性相談者さんも、最初は自宅のクッションを抱いていました。
そのうち、すっかり自己受容にハマってしまって、孫のものだと言いながら、かわいらしいクマのぬいぐるみを購入していました。
強面の男性がぬいぐるみを抱きしめる姿を想像すると、少し微笑ましいですね。
自分自身に声をかけるのは照れくさくても、ぬいぐるみを「もう1人の小さな自分」に見立てて、「お前もよくがんばってるな」と声をかけることならできたのです。
これを続けるうちに、彼の頑なだった心は驚くほど解け、涙を流して感情を解放できるようになりました。
いまでは毎日ぎゅっと抱きしめて寝ているそうです。
ぬいぐるみは、子どもだけの持ち物ではありません。大人の心にも必要ですし、安心の象徴でもあり、心の成長を支えるパートナーです。
まじめな人ほど、自分を甘やかすことが苦手です。何をするにもまわりの目を気にしたり、「恥ずかしい」と思ってしまう……そんな過去の自分すらも、ゆうゆうと乗り越えてしまうのです。
「試しに」と、ぬいぐるみを抱きしめているうちに、感情が溢れ出して、泣いてしまう男性もいます。こうした変化は、まさに自己受容の力によるものです。
ただし、ぬいぐるみだけを推奨しているわけではないので、ほかの選択肢も含め、自分に合ったものを探してみてください。
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矢場田 つとむ(やばた・つとむ)
心理カウンセラー
10代半ばから不登校や引きこもり、不安神経症、うつ病等で悩みはじめるが、20代半ばで克服。さまざまな職業を経験したあと、2008年にカウンセラーとして開業。うつ病、不眠症、パニック障害、強迫性障害、社会不安障害、過食症、心身症、対人恐怖といった悩みを抱えたクライアントの心を癒し、成長させるためのサポートを行う。5年間毎月安定して100万円を売上げた経験から、現在はカウンセラー専門の開業・集客コンサルタントとして活動中。
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(心理カウンセラー 矢場田 つとむ)

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