※本稿は、荻野淳也『心のざわざわ・モヤモヤが消える がんばりすぎない休み方』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
■気持ちも頭も前向きになる感覚が味わえる
朝一番のチェックインを決める
1日の始まりに
自分のスイッチを入れる。
時間のない朝、眠気や忙しさの中で、無意識のうちに仕事や家事などを始めてしまいがちです。しかし、今この瞬間に集中するためには、今どこに意識が向いていて、これからどこに意識を向けるかがわかっていることが大切です。そこで、心と頭に「今から始めるよ!」と伝えるチェックインの合図を決めましょう。
こうすることで、気持ちも頭も前向きになる感覚が味わえます。人によっては、チェックインを動作と結びつける人もいるようです。「毎朝、ベッドでの伸びが私のチェックイン」など、自分だけのスイッチを探してみましょう。
■肌の汚れだけでなく、心の滞りも晴れる
丁寧に顔を洗う
毎朝の洗顔は、
洗うことだけに集中する。
毎朝の洗顔も、「面倒だな」「眠いな」と上の空でゴシゴシ洗っていないでしょうか。洗顔は丁寧に洗うことが大事と言いますが、“丁寧”というのは心を込めて、洗顔自体に集中することでもあります。
泡に包まれる感覚や水の冷たさに集中してみると、肌の汚れだけでなく、心の滞りも晴れる気がしませんか。近年の研究では、洗顔をマインドフルな状態で行なうと、リラックス効果やストレス解消につながるというデータも出ています。
■つり革の音に耳を傾ける
満員電車でイライラすることを選ばない
どんな状況でも、イライラするか、
心を穏やかにするかは自分で決められる。
誰にとってもストレスフルなぎゅうぎゅうの通勤電車。つらくてイライラがつのる時間を、少しでも心穏やかに過ごしたいものです。
物理的に抜け出すことができなくても、イライラするか、心を穏やかにするか、反応の仕方を自分で選択することはできます。
たとえば誰かのからだが自分に当たったとき、反射的に怒りを抱くこともありますが「あ、今イラッとしたな」と自分の感情に気づいてそれを手放すこともできます。これも小さなマインドフルネスです。
私の場合は、電車の時間では瞑想アプリを開いたり、つり革の音などに耳を傾けたりするようにしています。騙されたと思って、一度つり革の音に集中してみてください。普段は気づかなくても、「ギュッギュッ」と意外と音が鳴っていることに驚きます。
普段は注意を向けないところに注意を向けてみることも、マインドフルネスの練習になるでしょう。
■心の休憩はいくらでも作り出せる
信号待ちは、心を整えるチャンス
心を整えるのは、一瞬でできる。
すき間時間で心を休ませる。
1回あたり数十秒ほどある信号待ち。ぼんやりとスマホを見てもいいですが、せっかくならこの小さなすき間時間を、自分を整える時間にしてみませんか。
信号待ちの間、ゆっくり数回呼吸をしたり、深くゆったりした呼吸を1回だけ丁寧に行なったりしてみてください。「休む暇もない」「落ち着く時間なんてない」と感じている忙しい人は、このようなすき間時間に心を休ませる練習をしてみましょう。
長いまとまった休憩時間が取れなくても、心の休憩はマインドフルネスを取り入れることで、いくらでも作り出すことができるのです。
■相手に向き合うことが大切
声に出して挨拶する自分になる
返事がなくてもいい。
自分が挨拶することが大切。
まだ気持ちのスイッチが入り切らない出社時は、挨拶も自然とそっぽを向いたまま「おはざまーす……」なんてものになりがちです。
その挨拶は、一体誰に向かってしているのでしょう。
相手の存在を確認し、目を見てはっきりと「おはようございます」と声をかけてください。
相手がたとえ目を合わせてくれなくてもいいのです。
大切なのは今この瞬間、あなたが相手に向き合っていることなのですから。
■集中力を使い分ける
エレベーターの中で呼吸の数を数える
エレベーターは集中のコントロールを
練習するチャンス。
エレベーターは、他の人と一緒でも、沈黙を自然に保つことができる数少ない場所です。そんなほんのちょっとの移動時間も、周りから不自然な目で見られない程度に、こっそりマインドフルネスの時間に変えることができます。
目的階に着くまでの間、呼吸の数を数えてみましょう。
このとき大切なのは、呼吸に意識を集中させつつも、「今何階だっけ?」と、外側にも注意を向けて、乗り過ごさないことです。感覚としては、集中しながらも意識を外側に向け、意識がそれすぎたら認知する力を使い、また集中していくようなイメージです。
マインドフルネスは集中力を高める練習になりますが、シチュエーションに合わせて集中力を使い分けていくことも大切なのです。
■気持ちをリセットする水の飲み方
両手でコップを持ち1杯の水を飲む
>いつもの動作を丁寧にするだけで、
心をリセットできる。
禅の世界では、日常動作はすべて全身全霊をかけて丁寧に行なうことが修行の一つとされています。
箸や湯呑みなども、片手ではなく両手で持ち上げ、今この動作に集中していくのです。
仕事中、キーボードを打ちながら片手でコップを持ち、目を画面に向けたまま飲み物を飲んでいませんか。
一度、今この瞬間、水を飲むことだけに集中してみましょう。
ペットボトルの水を飲む場合は、持ち上げるところから飲み終わってキャップを閉めるところまで。マグカップの場合でも、一方の手で持ち、もう片方の手もカップに添え、丁寧にいただきましょう。
数十秒の動作ですが、たったこれだけで、自分の心に物を大事にする丁寧な気持ちが生まれ、カップの温度や喉を水分が通る感覚など、さまざまな刺激を味わうことができて気持ちをリセットすることができます。
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荻野 淳也(おぎの・じゅんや)
一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート(MiLI)代表理事
慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系コンサルティング会社やベンチャー企業で経営に携わり、事業や部下のリストラ、自分自身の燃え尽きを経験するなかで、これまでの経営や働き方に疑問を持ち、新たな経営スタイルや働き方、生き方を探求するようになる。現在は、企業研修や大学院の講義、講演などを通じて「人も組織も自分らしさの追求を源泉にした働き方やマネジメント手法」を提案している。Google発のマインドフルネスプログラム・Search Inside Yourself(SIY)認定講師。多摩大学大学院MBA客員教授。慶應義塾大学理工学研究科非常勤講師。
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(一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート(MiLI)代表理事 荻野 淳也)

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