日々穏やかな心で過ごすための習慣は何か。一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート代表理事の荻野淳也さんは「仕事のメールは送信ボタンを押す前に深呼吸をして『嫌な気持ちを相手にぶつけていないか』と考えるといい、メールひとつでも顔の見えない相手を思いやることが大切だ」という――。
※本稿は、荻野淳也『心のざわざわ・モヤモヤが消える がんばりすぎない休み方』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
■相手の心を想像した一文を添える
メッセージを送る前に深呼吸する
反射的なリアクションは、
自分も相手も嫌な気持ちになる。
メッセージアプリやSNSでのやり取りは、つい反射的にリアクションをしてしまいがちです。
しかし、イラッとしたときにそのままの感情を相手にぶつけていては、イライラの応酬になり、互いに嫌な気分になってしまいます。
イラッとしたときほど、一度呼吸を深くして自分を取り戻し、それから返答を考えるようにしてみましょう。
悲しくなったときも、一旦時間をおいて後で返事をするのがよいでしょう。
仕事のメールも同じです。送信ボタンを押す前に深呼吸をして「嫌な気持ちを相手にぶつけていないか」について考えましょう。
事務的なメールでも相手の心を想像した一文を添えることで、顔の見えない相手を思いやることができます。
顔が見えなくても、画面の向こうには自分と同じ人間がいることを忘れないようにしましょう。
■家族といるのに「心ここにあらず」を回避
仕事の「チェックアウト」をする
紙に書き出して、終わったことを
頭から吐き出す。
今ここに集中しようとしても、仕事や家事などの「やらなきゃいけないこと」が思い出されて、なかなか意識を切り替えられない人も多いと思います。
そんなときは、頭の中に仕事に関する情報を残さないためにも、退勤する直前にチェックアウトをしてみましょう。
「今日は終わり」と自分に言い聞かせ、やり残したことを書き出して頭から「仕事を抜く」ことで、自分の心を仕事からチェックアウトさせるのです。
私はスマホのリマインダーにTODOリストを入れたり、手帳に書き出したりすることで、翌日にやるべき仕事を「見える化」させてから仕事を終えるようにしています。
すると、書き出すことで仕事とプライベートの切り替えができるので、家に帰って家族といるときに仕事のことを思い出して、心ここにあらずという状態になるのを避けることができます。
その結果、大事な人との時間を豊かに過ごすことができるのです。
■飛行機を降りるときにシート周りを整える
使った後の物や場所は、使う前よりもきれいにする
使った場を整えることで、
自分の心も切り替わる。
「来たときよりも美しく」
キャンプやスポーツイベントの会場などで見かける標語ですが、特別なときだけでなく、使う前より使った後のほうが美しい状態をいつでも心がけることができれば、より素敵ですよね。
知り合いの航空関係者に聞いた話ですが、元サッカー日本代表の中田英寿さんは、飛行機を利用されるとき、使用したブランケットやスリッパを整えるなど、いつも来たときよりもシート周りを整えて去っていくのだそうです。
私たちも日常の中で、たとえばトイレや洗面台を使い終わった後は、よりきれいにしたり、部屋を出るときは片付けてから出たりと、些細なことから始めてみませんか。
洗面所の水はねをサッとペーパーで拭くような、簡単なことでいいのです。
使い終わった場所を一つひとつ整えることが気分転換になれば、自分の心も整っていきます。
■相手を思いやっている気持ちは、行為から伝わる
ドアは両手で開け閉めする
心が乗らないときは、
行動を変えてみる。
日本には昔から、たくさんの作法や美しいとされる所作の「型」があります。
たとえば、相手に物を渡すときも、片手ではなく両手で渡すほうがいいとされています。このとき、たとえ行為に心が100%集中していなかったとしても、相手には相手を思いやっている気持ちが、行為から伝わるものです。
ドアの開け閉めを両手で行なう、相手に物を渡すときは両手で渡すなど、一つひとつの動作を丁寧にしてみましょう。「行動を変えると心が変わる」とよく言われますが、行動を丁寧にすることで、心も自然といい方向へ向かうのです。
■「ドタキャンをラッキー」と思えるか
待ち時間は、「神様がくれたすき間時間」
突然の空白時間、
心を整えるための
り物だと思う。
お店の行列や乗り物の待ち時間、はたまたドタキャンなどによって、自分のスケジュールがくるってしまうと、忙しい人ほどイライラがつのるものです。
でも、私はこんなときほど「すき間時間ができてラッキー!」と発想を変えるようにしています。
イライラしながら待っても、マインドフルな状態で待っても、待ち時間であることに変わりはありません。
それなら、突然降ってきたこの時間は、神様がくれた自分への贈り物であり、心を整えるための貴重な時間だと考えたほうが幸せです。
■重たい空気から午後の雨を予測
天気予報ではなく、
空の様子から天気を感じる
自然は身近にある。
気づく心、感じる心を持つ。
便利な今の時代、外出の前にはテレビやスマホで天気予報を見る人がほとんどだと思います。ですが、すぐにスマホを見るのではなく、窓を開けて外の空気を吸って空を見上げ、自分のからだの感覚で天気を感じ取ってみてください。
五感をフルに使って、雲の形や空気の湿り気、風の流れなどをゆっくり観察してみます。雲の動きから、今日は日差しが強くなりそうだと感じたり、重たい空気から午後の雨を予測できたりすることもあるでしょう。
わざわざ遠出しなくとも、空を見上げて天気を想像するだけで、五感を刺激することができるのです。
■ゴミ袋を替えるときは「手放し時間」
「名もなき家事」に気持ちを向ける
家事に名前をつけて、
何気ない日常を
自分らしく彩る。
暮らしには、ゴミ袋を替える、トイレットペーパーを補充する、郵便物を仕分けるといった細やかな家事があふれています。こうした「名もなき家事」に、自分にとって大切な作業となるような意図を込めた名前をつけてみましょう。
たとえば、ゴミ袋を替えるときは「手放し時間」、トイレットペーパーを補充するときは「更新の儀式」、郵便物を仕分けるときは「お便り整理」と名づけてみる。
名前をつけるだけで、行為に意味と温かさが加わり、気持ちよく取り組めます。終えた後は小さな達成感が残り、「整った」という実感が芽生えますよ。
■優しさや励まし、応援や共感を示す
「鏡の中の自分」に微笑みかける
がんばっている自分にニコッと微笑む。
鏡の中の自分はいつだって味方。
鏡に映る自分に微笑みかけることは、単なるしぐさ以上の意味を持ちます。人からどう見られるか、という観点で自分の笑顔をチェックしていませんか。
これからは、ぜひ本当の自分、内なる自分に向けて微笑んでください。外見を気にする自分でなく、がんばっている自分に対して、優しさや励まし、応援や共感を示すように微笑んでみましょう。
緊張がほぐれると同時に、1日の気分を上げていくスイッチにもなります。たとえ短い時間でも、自分に向けた微笑みは「味方はいつもここにいる」という確かなメッセージになるのです。
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荻野 淳也(おぎの・じゅんや)
一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート(MiLI)代表理事
慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系コンサルティング会社やベンチャー企業で経営に携わり、事業や部下のリストラ、自分自身の燃え尽きを経験するなかで、これまでの経営や働き方に疑問を持ち、新たな経営スタイルや働き方、生き方を探求するようになる。現在は、企業研修や大学院の講義、講演などを通じて「人も組織も自分らしさの追求を源泉にした働き方やマネジメント手法」を提案している。Google発のマインドフルネスプログラム・Search Inside Yourself(SIY)認定講師。多摩大学大学院MBA客員教授。慶應義塾大学理工学研究科非常勤講師。
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(一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート(MiLI)代表理事 荻野 淳也)
※本稿は、荻野淳也『心のざわざわ・モヤモヤが消える がんばりすぎない休み方』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
■相手の心を想像した一文を添える
メッセージを送る前に深呼吸する
反射的なリアクションは、
自分も相手も嫌な気持ちになる。
メッセージアプリやSNSでのやり取りは、つい反射的にリアクションをしてしまいがちです。
しかし、イラッとしたときにそのままの感情を相手にぶつけていては、イライラの応酬になり、互いに嫌な気分になってしまいます。
イラッとしたときほど、一度呼吸を深くして自分を取り戻し、それから返答を考えるようにしてみましょう。
悲しくなったときも、一旦時間をおいて後で返事をするのがよいでしょう。
仕事のメールも同じです。送信ボタンを押す前に深呼吸をして「嫌な気持ちを相手にぶつけていないか」について考えましょう。
事務的なメールでも相手の心を想像した一文を添えることで、顔の見えない相手を思いやることができます。
顔が見えなくても、画面の向こうには自分と同じ人間がいることを忘れないようにしましょう。
■家族といるのに「心ここにあらず」を回避
仕事の「チェックアウト」をする
紙に書き出して、終わったことを
頭から吐き出す。
今ここに集中しようとしても、仕事や家事などの「やらなきゃいけないこと」が思い出されて、なかなか意識を切り替えられない人も多いと思います。
そんなときは、頭の中に仕事に関する情報を残さないためにも、退勤する直前にチェックアウトをしてみましょう。
「今日は終わり」と自分に言い聞かせ、やり残したことを書き出して頭から「仕事を抜く」ことで、自分の心を仕事からチェックアウトさせるのです。
私はスマホのリマインダーにTODOリストを入れたり、手帳に書き出したりすることで、翌日にやるべき仕事を「見える化」させてから仕事を終えるようにしています。
すると、書き出すことで仕事とプライベートの切り替えができるので、家に帰って家族といるときに仕事のことを思い出して、心ここにあらずという状態になるのを避けることができます。
その結果、大事な人との時間を豊かに過ごすことができるのです。
■飛行機を降りるときにシート周りを整える
使った後の物や場所は、使う前よりもきれいにする
使った場を整えることで、
自分の心も切り替わる。
「来たときよりも美しく」
キャンプやスポーツイベントの会場などで見かける標語ですが、特別なときだけでなく、使う前より使った後のほうが美しい状態をいつでも心がけることができれば、より素敵ですよね。
知り合いの航空関係者に聞いた話ですが、元サッカー日本代表の中田英寿さんは、飛行機を利用されるとき、使用したブランケットやスリッパを整えるなど、いつも来たときよりもシート周りを整えて去っていくのだそうです。
私たちも日常の中で、たとえばトイレや洗面台を使い終わった後は、よりきれいにしたり、部屋を出るときは片付けてから出たりと、些細なことから始めてみませんか。
洗面所の水はねをサッとペーパーで拭くような、簡単なことでいいのです。
使い終わった場所を一つひとつ整えることが気分転換になれば、自分の心も整っていきます。
■相手を思いやっている気持ちは、行為から伝わる
ドアは両手で開け閉めする
心が乗らないときは、
行動を変えてみる。
日本には昔から、たくさんの作法や美しいとされる所作の「型」があります。
たとえば、相手に物を渡すときも、片手ではなく両手で渡すほうがいいとされています。このとき、たとえ行為に心が100%集中していなかったとしても、相手には相手を思いやっている気持ちが、行為から伝わるものです。
ドアの開け閉めを両手で行なう、相手に物を渡すときは両手で渡すなど、一つひとつの動作を丁寧にしてみましょう。「行動を変えると心が変わる」とよく言われますが、行動を丁寧にすることで、心も自然といい方向へ向かうのです。
■「ドタキャンをラッキー」と思えるか
待ち時間は、「神様がくれたすき間時間」
突然の空白時間、
心を整えるための
り物だと思う。
お店の行列や乗り物の待ち時間、はたまたドタキャンなどによって、自分のスケジュールがくるってしまうと、忙しい人ほどイライラがつのるものです。
でも、私はこんなときほど「すき間時間ができてラッキー!」と発想を変えるようにしています。
イライラしながら待っても、マインドフルな状態で待っても、待ち時間であることに変わりはありません。
それなら、突然降ってきたこの時間は、神様がくれた自分への贈り物であり、心を整えるための貴重な時間だと考えたほうが幸せです。
■重たい空気から午後の雨を予測
天気予報ではなく、
空の様子から天気を感じる
自然は身近にある。
気づく心、感じる心を持つ。
便利な今の時代、外出の前にはテレビやスマホで天気予報を見る人がほとんどだと思います。ですが、すぐにスマホを見るのではなく、窓を開けて外の空気を吸って空を見上げ、自分のからだの感覚で天気を感じ取ってみてください。
五感をフルに使って、雲の形や空気の湿り気、風の流れなどをゆっくり観察してみます。雲の動きから、今日は日差しが強くなりそうだと感じたり、重たい空気から午後の雨を予測できたりすることもあるでしょう。
わざわざ遠出しなくとも、空を見上げて天気を想像するだけで、五感を刺激することができるのです。
■ゴミ袋を替えるときは「手放し時間」
「名もなき家事」に気持ちを向ける
家事に名前をつけて、
何気ない日常を
自分らしく彩る。
暮らしには、ゴミ袋を替える、トイレットペーパーを補充する、郵便物を仕分けるといった細やかな家事があふれています。こうした「名もなき家事」に、自分にとって大切な作業となるような意図を込めた名前をつけてみましょう。
たとえば、ゴミ袋を替えるときは「手放し時間」、トイレットペーパーを補充するときは「更新の儀式」、郵便物を仕分けるときは「お便り整理」と名づけてみる。
名前をつけるだけで、行為に意味と温かさが加わり、気持ちよく取り組めます。終えた後は小さな達成感が残り、「整った」という実感が芽生えますよ。
■優しさや励まし、応援や共感を示す
「鏡の中の自分」に微笑みかける
がんばっている自分にニコッと微笑む。
鏡の中の自分はいつだって味方。
鏡に映る自分に微笑みかけることは、単なるしぐさ以上の意味を持ちます。人からどう見られるか、という観点で自分の笑顔をチェックしていませんか。
これからは、ぜひ本当の自分、内なる自分に向けて微笑んでください。外見を気にする自分でなく、がんばっている自分に対して、優しさや励まし、応援や共感を示すように微笑んでみましょう。
緊張がほぐれると同時に、1日の気分を上げていくスイッチにもなります。たとえ短い時間でも、自分に向けた微笑みは「味方はいつもここにいる」という確かなメッセージになるのです。
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荻野 淳也(おぎの・じゅんや)
一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート(MiLI)代表理事
慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系コンサルティング会社やベンチャー企業で経営に携わり、事業や部下のリストラ、自分自身の燃え尽きを経験するなかで、これまでの経営や働き方に疑問を持ち、新たな経営スタイルや働き方、生き方を探求するようになる。現在は、企業研修や大学院の講義、講演などを通じて「人も組織も自分らしさの追求を源泉にした働き方やマネジメント手法」を提案している。Google発のマインドフルネスプログラム・Search Inside Yourself(SIY)認定講師。多摩大学大学院MBA客員教授。慶應義塾大学理工学研究科非常勤講師。
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(一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート(MiLI)代表理事 荻野 淳也)
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