※本稿は、小林義崇『超改訂版 すみません、金利ってなんですか?』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。
■金利は「固定」か「変動」か
【小林】金利の契約の仕方には2種類あることもポイントです。「金利はずっと同じ」という契約と、経済状況に応じて「金利が変わる」という契約です。「金利はずっと同じ」という契約が「固定金利」。「金利が経済状況に連動して変わる」という契約が「変動金利」です。
【梅田】固定と変動……この違いが日々の生活に関係してくることはありますか?
【小林】もちろん! たとえばお金を長期間銀行に預けるとき、定期預金の中には固定金利か変動金利か、選べる商品があります。反対に銀行からお金を借りるとき、たとえば家を買うために住宅ローンを組んでお金を銀行から借りるときにも、固定金利か変動金利か、選ぶケースが多いです。
【梅田】損得を計算しながら固定金利か変動金利か、選ばなきゃいけないってことですね。
【小林】そうです。「金利はこれからどうなるのか」を予想しながら、2つの契約のうちどちらが自分にとって得なのか、吟味することになります。さらに、同じ固定金利でも固定にする年数を選ぶことができますよ。たとえば「10年固定」というタイプのローンであれば、ローンを組んでから最初の10年間は固定金利ですが、あとの返済期間は変動金利になります。
■固定金利は変動金利よりも高い
【梅田】けど、金利が上がったりするリスクを考えると、変動金利は怖いですよね。ローンを組む際、固定金利を選ぶのがオーソドックスなんですか?
【小林】そうとも限らないですよ。固定金利の場合、変動金利よりも金利が高く設定されているものなんです。ですから、「金利は今後上がらない」のであれば変動金利が有利ですし、逆に「金利は今後上がる」とふんだ場合は固定金利、ということになりますね。
【梅田】将来の金利のことなんて、僕、まったくわかりません……
【小林】もちろん、みんなそうですよ。でも、いくら変動金利といっても、突発的な天災や世界情勢の変化などがない限り、皆さんが直接払う金利の値が突然大幅に上がったり下がったり、なんてことはほぼありません。
【梅田】なるほど。僕が固定金利か変動金利か頭を悩ませる場面は、やっぱり住宅ローンを組んで家を買うときですか?
【小林】そうですね、圧倒的多数の人たちに関係するのは、「住宅ローンを組むのだけれど、どちらがいいか」という場面です。その問題に集中してお話ししましょうか。
【梅田】はい、お願いします!
■住宅ローンの金利を考えてみると
【梅田】ちなみに、変動金利よりも固定金利のほうが高く設定されているということですが、実際今、どれくらいの数値なんですか?
【小林】みずほ銀行の金利を例に見てみましょう。変動金利は2025年12月に借りた場合で0.775~1.425%、固定期間が最も短い「固定2年」の場合は1.5~2.15%で、最も長い「固定31~35年」は2.91~3.21%です。
【梅田】結構違う……ローンを組む時点で変動金利と固定金利の差を見るのはマストですね。
【小林】仮に、変動金利の1%という値が「35年間、変化しなかったら」というちょっと非現実的な仮定でシミュレーションしてみましょう。3千万円を35年で返す住宅ローンの場合、「固定金利=3%」だと支払い総額は4849万円。「変動金利=1%」だと支払い総額は3557万円。つまり、変動金利のほうが固定金利より約1300万円安くなります。
【梅田】そんなに違ってくるんですか!
【小林】ただ、忘れないでください。このシミュレーションは、「このまま金利が変わらなければ」というあり得ない条件つきの試算です。実際のところ、変動金利は定期的に見直され、世の中の景気、つまり株価や為替やら、経済の大きな流れを反映して推移します。つまり、「安い」と思った変動金利が、想定外の出来事によって大幅に上がってしまうこともあり得ますし、固定金利より高くなる可能性だって理論的にはゼロじゃない。
■「借り換え」という選択肢も
【梅田】住宅ローンって「何十年」と長期で組むイメージがあります。期間が長ければ、何かが起きるリスクも高くなりますよね……
【小林】はい。変動金利って、まるで生き物のようにとらえどころのない動きをするというか……実際、今はまだ低めでも、ここ数年徐々に上がっています。変動金利の動きを予測することは、一種の博打(ばくち)なんです。
【梅田】かといって、固定金利を選ぶとずっと高い金利を払うことになるし……なんだか家を買うのが恐くなってきました。
【小林】ただ、住宅ローンは「借り換え」という、新たに住宅ローンを組んで古い住宅ローンを完済するという方法を利用することができます。そうすることで、ローンの返済額を減らせる可能性があります。
【梅田】借り換えって、具体的に何をどうすることですか?
【小林】たとえば、変動金利で借りた住宅ローンの残高が2千万円あるとしましょう。そこで、固定金利で2千万円を借りて、変動金利のローンを返済すればどうなりますか?
■景気悪化で一般的に金利は下がる
【梅田】変動金利の住宅ローンがなくなって、固定金利の住宅ローンが残る……?
【小林】はい。こうすれば、変動金利から固定金利にシフトできますよね。ただ、借り換えにはあらためて銀行の審査が必要ですし、手数料が数十万円単位でかかってくるので、やはり最初から最適な住宅ローンを組めるのがベストはベストです。
【梅田】でも、先読みは難しいんですよね。世の中全体の金利がどうなっていくかって、どんな賢い人にも読めないものなんですか?
【小林】そうですね。戦争や災害、社会情勢や国際情勢など様々な要因に左右されますから。
【梅田】じゃあ、景気が悪くなったとしたら、金利はどうなるんでしょうか? 世の中の景気と金利の関連がわかれば、ローンを組む参考にもなるかと思いまして。
【小林】景気が悪くなると、普通は金利が下がります。
【梅田】な、なぜですか?
【小林】不景気のとき、経済を活性化させるには市場のお金を回す必要があります。でも、金利が高いと「借りたくても借りられない」ということが起こります。そこで、お金を借りたい人が借りやすくなるように、日銀が金利を下げようとするわけです。すると、連動して「銀行から借りるときの金利」も下がります。
■世の中にお金を回すためのカラクリ
【梅田】さっき、「銀行に預けるときの金利と借りるときの金利は連動している」と伺いました。ということは、「世の中の金利が下がる=借りるときの金利も、預けるときの金利も、両方下がる」ということですか?
【小林】はい。たとえば金利が下がっている状況で、ある銀行、たとえばA銀行だけが、もし預金金利を上げたら、どんなことが起こると思いますか?
【梅田】もちろん、話題になって、大勢のお客さんが「預金したい!」と詰めかけますよね。他よりも金利が高いわけですし。
【小林】そうです。A銀行にはどんどん預金、つまり資金が集まってきます。ところが、世の中は金利が下がっているわけです。企業への貸出金利も低い。
【梅田】高金利で集めたお金を、低い金利で貸しても儲からない……
【小林】その通り。でも、だからといって約束通り、預金金利を上げたままでいたらどうなるでしょう。銀行は儲かっていないのに、他よりも高めの預金金利を払い続けることになり、損失を抱えることになります。そんな状態が続けば、A銀行は破綻してしまいますよね。だから、日銀が金利を下げたら、どこの銀行も「貸し出すときの金利」「預かるときの金利」を同時に下げることになり、世の中にお金が回りやすくなるのです。これが、金利が連動するカラクリです。
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小林 義崇(こばやし・よしたか)
フリーライター
1981年福岡県生まれ。西南学院大学商学部卒業。2004年に東京国税局の国税専門官として採用され、以後、都内の税務署、東京国税局、東京国税不服審判所において、相続税の調査や所得税の確定申告対応、不服審査業務等に従事。2017年7月、東京国税局を退職し、フリーライターに転身。書籍や雑誌、ウェブメディアを中心とする精力的な執筆活動に加え、お金に関するセミナーを行っている。
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(フリーライター 小林 義崇)

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