※本稿は、長信一『動画でまるわかり運転免許更新完全ガイド 認知機能検査・運転技能検査対応』(高橋書店)の一部を再編集したものです。
■まずはより安全な「補償運転」を
年齢を重ねると身体の衰えに加え、不測の出来事に臨機応変に対応することが難しくなり、ご家族またはご自身が運転を続けていいかどうか迷うことがあるでしょう。運転免許は更新する・返納するという2択で語られがちですが、ひとりひとりの体と心に合わせて、柔軟に運転の環境を変えることは可能です。
より安全な運転のために警察庁が提言しているのが「補償運転」です。これは「なじみの場所だけ運転する」「雨の日や夜は運転しない」「ラジオや会話を控えて運転に集中する」といった、シニアの特性に合わせた運転方法です。駐車がしやすく運転しやすい小さな車に乗り換えたり、「サポートカー限定免許に切り替える」という方法もあります。
サポートカーは、最新の先進技術を利用して運転者の安全運転を支援する装置が搭載されています(ただし、これらの装置は今の車に後付けすることができません)。サポカー限定免許の申請は、運転免許の更新手続きと合わせて行います。年齢制限はありませんので、特に高齢運転者でなくても申請は可能です。
■「サポートカー」には安全装置あり
ところが、2025年時点では、サポートカーの購入費用の負担が大きいこともあり、全国でのサポカー限定免許の申請者は非常に少ないのが課題です。
① 衝突被害軽減ブレーキ(対車両、対歩行者用)
車載レーダー等で、前方の車両や歩行者を検知し、衝突の可能性がある場合には、運転者に対して警告し、さらに衝突の危険性が高い場合には、自動でブレーキが作動する機能。
② ペダル踏み間違い時加速抑制装置
発進時やごく低速での走行時にブレーキペダルと間違えてアクセルペダルを踏み込んだ場合に、エンジン出力を抑え、加速を抑制する機能。
ただし、どちらも運転者が操作を行うことを前提とした運転支援なので、技術を過信せずに運転しましょう。
■免許返納前にやっておきたいこと
一方、免許返納を考えるシニアドライバーの多くは、返納後の日々の買い物や通勤に困ると考えているでしょう。大阪府警察では、返納を考えている高齢者に、一定期間運転しない生活をしてもらうユニークな取り組みをしています。一時的に運転をやめてみることで実際に直面する問題はどんなことか、家族や知人にどれだけサポートを頼めるのかなどがわかります。
この他にも、運転記録をつけてどんなときに車を使うのか、そしてご自身がヒヤッとした経験があったかなどを可視化するのもいいでしょう。いきなりスパッとやめるのではなく、少しずつ運転しない生活に慣れていくのはいかがでしょうか。運転免許を返納すると、遠出するには公共交通機関や乗り合いタクシーなどがメインになります。自治体が移動方法を支援してくれる場合もあるので、必ず返納前に確認しましょう。
近場の買い物では、シニアカーを使う方もいますが、比較的、踏切での事故が多いので、踏切は極力通らないように注意しましょう。
■家族に免許返納をすすめられたら
家族から免許を返納するように言われた場合は、まずは家族がどうしてそう思うのか尋ねてみましょう。安全運転を心がけているつもりなのに、家族や親しい人から突然、返納を勧められると、驚いたりがっかりしたりする気持ちになって当然です。ただ、そういったアドバイスをもらったときは少し落ち着いて、話を聞いてみましょう。返納を勧める家族の心理には2つあります。
① シニアの事故の報道を見て、あなたを心配している。
② あなた自身の運転を見て、運転技術に不安を覚えている。
どちらにしても、運転するあなたを思っての言葉なので、煩わしく感じても一度は受け止めてみてください。そして、運転する車に同乗してもらって、どう思うか率直に意見を聞いてみましょう。下に内閣府が公表している運転行動チェックリストを載せました。ご自身と家族で定期的にチェックすることで、感情的にならず、客観的な判断ができます。
■家族が運転をやめてくれない場合
反対に、運転に不安のあるご家族がいて、運転をやめてくれなかったり、ご本人が危険性を自覚できていない場合は、医師の診断を受け、相談窓口などでプロに頼りましょう。
シニアの事故の報道などを見ると、高齢の家族が事故に巻き込まれたり、ましてや加害者になったりしたらどうしようと不安になるのは当然です。ただ、感情をそのままぶつけるのではなく、よく観察しましょう。
ご家族の運転の様子はどうなのか、違反歴や危ない兆候はないかをチェックします。実際に無理に返納させて、いきなり車を禁止しては、生活が破綻するおそれもあります。車を使わずに済む方法があれば返納に前向きになる方もいるので、徐々に車なしの生活に慣れてもらいましょう。
車の運転をやめた軽度認知症患者は、行動範囲が狭くなり、認知症が進みやすいという報告もあります。運転以外での楽しみや脳を刺激する生きがいを見つけていくことも大事です。
■事故などを繰り返すならプロに相談
ただし、すでに軽微な事故や違反を繰り返していても返納を拒む方は、自身の認知機能の衰え、運転技術の衰えを認識できていません。
医師の診断を受けたうえ、近隣の警察署や安全運転相談ダイヤル(#8080)に相談し、プロの力を借りましょう。また、運転免許センターには看護師の資格を持つ相談員が配置されることが増えています。
場合によっては、免許を取り消してもらい、車を売却するなどの方策を取らざるを得ないこともあります。
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長 信一(ちょう・しんいち)
自動車運転免許研究所所長
1962年生まれ。1983年、都内の自動車教習所に入社。1986年、運転免許証の全種類を完全取得。指導員として多数の合格者を世に送り出すかたわら所長代理を歴任。「自動車運転免許研究所」の所長として運転免許に関する書籍や記事を執筆。手がけた書籍は200冊を超える。趣味はオートバイに乗ること。
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(自動車運転免許研究所所長 長 信一)

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