※本稿は、井上新八『「やりたいこと」も「やるべきこと」も全部できる! 続ける思考』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。
■「苦手」は「好き」の入り口かもしれない
やりたいことが何も思いつかない。
くだらないこともやろうとは思わない。そんなときはどうするか。
「やりたくない」ことをしてみるのはどうだろうか?
気が進まないよね。わかる。
痛いほどよくわかる。誰だって苦手なことはやりたくない。
でもやりたくない、苦手だなと思って敬遠していることって、そもそもなんでやりたくないんだろう、苦手なんだろう?
楽しくないから? やるとめんどくさいから? 疲れるから?
でも、もしかしたらそれはそう思っているだけで、じつはやってみたらそうじゃないかもしれない。
■毎日1カ所を磨き上げた
わたしの場合、掃除がそうだった。
できるだけやりたくないことの代表格が掃除だった。
ただその頃読んでいた本に立て続けに「朝の掃除の習慣はいい」と書いてあった。
1冊だったらスルーしていたんだけど、その数日後に読んだ本にも同じようなことが書いてあって、生活に取り入れてみることにした。
でもかなり掃除はハードルが高い。できるだけ負担にならない方法ではじめた。
最初は超小さく。金曜日の朝、リビングのテレビ台の上のほこりを拭く。土曜日の朝、仕事部屋のデスクと棚の上を拭く。拭くというより、ほこりを払うという感じ。
小さなほこりとりのような道具でさっと払うだけ。
週2回。1分もかからない小さなことからはじめた。
これをしばらく続けてみて、なんとなく定着してきた頃を見計らって、やり方を変えた。
毎日気になるところを掃除しはじめた。今日は台所を磨いてみるか! 今日はお風呂を磨くか! って、毎日1カ所気になるところを磨くようにしはじめた。
「ほこりをさっとはらう」から、「きれいに磨く」に格上げした。
例えばずっと気になっていた台所のおたまやヘラを入れた容器。
油が散って少し薄汚れている。それをきれいに磨いてみる。なかなかきれいにならない。半分くらい磨いて、また翌週再チャレンジ。そうやって何週間かかけて1カ所を磨き上げる。
■掃除が「楽しい」に変わっていった
気がついたのは、磨くのは案外気持ちがいいということだ。
汚れが落ちてきれいになるのを見るのは単純に気持ちいい。
そして磨いている間、何も余計なことは考えず無心になれる。
これはいわゆるマインドフルネスなのだと気がついた。
それからは曜日ごとに場所を決めて毎日忘れずに掃除をするようにした。
図表1のスケジュールで毎日掃除をすることにした。
1年くらいは「掃除か、めんどうだな」と思いながらやっていた。
ところが1年もそれを続けたら意識が完全に変わっていた。
「嫌い」だった掃除を、「好き」になっていた。
掃除が自分にとっての「楽しい」ことに変わっていた。
「あ、ここは見逃してた」ってところを見つけてきれいにするゲームのようになっていた。
■次はどこをきれいにしようか
道具も考えるようになった。
どうしても落ちない汚れがどうしたら落ちるか調べて、必要なものを買って、それを楽しんでするようになっていた。本当にいつのまにかそうなった。
変わった理由は単純だ。
毎日、続けたからだ。掃除のことを毎日考えた。
誰に命令されるわけでもなく、自分でやり方を考えて、それを記録し、工夫して、実験して、考えて、あとはやめずに、ずっと続けた。
毎日、ほぼ決まったタイミングで違う場所を掃除する。
今日はここをきれいにしたとメモを残す。記録なんてスマホに1行残すだけ。
2022年4月1日(金)
リビング床掃除 小さなゴミ箱とテレビのリモコンなど磨く
次はどこをきれいにしようかなって、わくわくしながら考えている自分に驚く。
ベランダのエアコンの室外機を磨いたり、そうすると空気孔のフタの汚れが目について、掃除する範囲が広がっていく。
■「苦手」が職に繋がることも
いつのまにか「掃除、めんどくさい」が「どこをきれいにしよう」に変わっていた。
まさか自分が掃除を楽しむ日がくるなんて。本当に信じられない。
優れた才能をつくるために最も大切なことは、何度も繰り返してやること、身につくまで何度でも繰り返すこと、こんなようなことが何かに書いてあった。
「やりたくない」「苦手」だなんてただの思い込みかもしれない。
ちょっとだけ入り口を工夫してやるだけで、苦手ではなくなる可能性がある。そしてそれを続けていくうちに、いつのまにか「好きなこと」に変わっているかもしれない。
わたしの場合、なかなか「文章を書く」ことの苦手意識が克服できなかった。
それでも苦手なことをひたすら何年も繰り返しているうちに、こうして本を書いている。
苦手なままだけど、それが「仕事」になりかけている。
そして書くことが少し「好き」になってきている。
苦手なことや、やりたくないことを続けた先にはとてつもない力が眠っている。
まず克服すると、「苦手」と思っている人の気持ちがわかる分、アドバンテージがある。
どうやって克服したのか、人に教えることができる。
つまり、それは職業を獲得することにもつながる。
そしてそれが自分を思ってもみなかった未来に連れて行ってくれる可能性だってある。
実際、わたしは苦手に向き合った結果、「本を書く」という考えてもみなかった未来に行こうとしている。
「苦手」「やりたくない」と思っていること、これを小さくして繰り返す。
もしかすると、そこに大きな財産が眠っているかもしれない。
「やりたくない」こそやってみる
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井上 新八(いのうえ・しんぱち)
ブックデザイナー・習慣家
1973年東京生まれ。独学でブックデザイン業を始め、大学卒業後、新聞社で編集者を務めたのち、2001年にフリーランスのデザイナーとして独立。デザインした書籍にベストセラー多数。書籍の帯を広くしてたくさん文字を掲載する、棒人間(ピクトグラム)を使う、カバーに海外の子どもの写真を使う、和書も翻訳書のように見せる、どんなジャンルの本もビジネス書風に見せるなど、主にビジネス書のデザインという小さな世界で流行をつくってきた。
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(ブックデザイナー・習慣家 井上 新八)

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