米司法省が公表した約350万ページにも及ぶ「エプスタイン文書」には、日本人の名前も登場する。ジャーナリストの岩田太郎さんは「エプスタイン文書には、元MITメディアラボ所長、現千葉工業大学学長の伊藤穣一氏の名前が約1万回以上も登場する。
伊藤氏には説明責任があるのではないか」という――。
■1万回以上も登場する「日本人の盟友」
未成年の少女1000人以上を人身売買し、性的に虐待したとして2008年と2019年の2回起訴された小児性愛者で富豪のジェフリー・エプスタイン氏は、2回目の逮捕の後、2019年8月に留置場の独房で自殺した。
そのエプスタイン氏は生前、トランプ大統領やテック界の大物ビル・ゲイツ氏、チャールズ英国王の弟であるアンドルー元王子などと親交があり、彼ら大物たちはエプスタイン氏のあっせんで少女たちから性接待を受けたのではないか、という疑惑がかけられている。
華麗なるセレブたちとエプスタイン氏の交友の詳細は、米司法省が1月に、約600万ページに及ぶ膨大な捜査資料「エプスタイン文書」の内、約350万ページあまりを公開したことでより鮮明にあぶり出されつつある。
そのエプスタイン文書に「Joi Ito」という名前で1万回以上も登場する、エプスタイン氏の盟友だった日本人がいる。2011~2019年にマサチューセッツ工科大学(MIT)傘下の研究機関メディアラボ所長を務め、エプスタイン氏とテック界およびアカデミアの重要な橋渡し役を務めた千葉工業大学の伊藤穰一学長である。
■伊藤穣一氏はエプスタイン島を訪問していた
伊藤氏は、エプスタイン氏が米領ヴァージン諸島に保有し、少女たちを乱交パーティーに参加させていたとされるリトル・セント・ジェームズ島(通称「エプスタイン島」)を訪問した可能性が高いことが、公開されたエプスタイン文書から読み取れる。
まず、エプスタイン氏の秘書であったレスリー・グロフ氏が2013年7月2日に伊藤氏に宛てたメールで、次のように連絡をしている。
「(ヴァージン諸島の玄関口である)セント・トーマス空港からあなたをヘリコプターでお迎えするはずでしたが、予定が変わりました。空港であなたの名前のカードを掲げたジャーメインさんを探してください。彼が、代わりに船であなたをジェフリーの島にお連れします」
また、グロフ氏は同年9月30日に、エプスタイン氏宛てメールで、「リマインドです。10月15日以降、リード・ホフマン氏と伊藤穣一氏を島にお連れすることになっています。
(まだリマインドが必要でしたかしら?)」と予定を思い起こさせている。
■訪問時に撮影された「証拠写真」
実際に、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙の2026年2月8日付記事には、伊藤氏の親友で、講師として頻繁にメディアラボに招聘されていたビジネス・ソーシャルメディア大手「LinkedIn」の創始者であるホフマン氏が、伊藤氏とリトル・セント・ジェームズ島を訪問した際に撮影されたのではないかと思われるエプスタイン文書由来の写真が掲載された。
写真では、伊藤穣一氏がスマホ画面を確認しており、その右にサングラスをかけた黒シャツ姿のホフマン氏、そして白シャツ姿でこちらに背を向けた眼鏡着用のエプスタイン氏が確認できる。3人の後ろには、乳房をグロテスクに強調した少女像のようなものが置かれており、いかにも「乱交島」にありそうな淫靡な雰囲気が醸し出されている。
テーブルの上には、エプスタイン氏の所有と思われるiPhone 5(2012年9月発売)らしきスマホが写っており、2013年10月以降に伊藤氏とホフマン氏が連れ立って島を訪れた可能性と矛盾しない。
また、2014年3月22日には伊藤氏とホフマン氏が、ニューメキシコ州にエプスタイン氏が所有していた「ゾロ牧場」を訪問する予定であったことが、秘書のグロフ氏のメールから判明している。実際に両人が牧場に行ったかは不明だが、ゾロ牧場では長年にわたり性的暴行や虐待の疑惑があった。
さらに、2014年9月2日にはエプスタイン氏自身が、著名なコンピューター科学者のダニー・ヒリス氏宛てのメールで、「リード・ホフマン、伊藤穣一、それにもしかしたらイーロン(マスク)が12月6日の週末に島に来るぞ。(君も)来いよ」と誘っている。実際にはヒリス氏やマスク氏は来島しなかった模様で、代わりに11月29日にエプスタイン氏が伊藤氏とホフマン氏を伴いエプスタイン島に到着していたことが、ハーバード大学の理論物理学者であるリサ・ランドール教授と交わしたメールで判明している。
伊藤氏はこれまで、このエプスタイン島への訪問について語ってこなかった。エプスタイン文書によれば少なくとも3回の訪問の可能性があることから、それが事実なのか、さらに島で何を見て、何をしたのか、説明する責任があるだろう。

当然、「エプスタイン島が少女たちの性的搾取と不可分との認識はあったか」「島で少女たちからサービスを受けたか」という質問にも伊藤氏は答えなければならないはずだ。
■ただちに「性的搾取への加担」を意味するわけではない
同時に、ここで押さえておくべき重要な点は、伊藤氏が実際に島を数回訪問していたとしても、それだけでは犯罪や不適切な行為の証拠にはならないことだ。
米司法省は伊藤氏を含め、エプスタイン文書に名前が出てくる者をひとりたりとも訴追していない。
性的搾取の被害者であるバージニア・ジュフリー氏(2025年自殺)による証言では、2001年にエプスタイン島で、伊藤氏と同じくMITに所属していたコンピューター科学者で「人工知能(AI)の父」ことマービン・ミンスキー教授(2016年死去)との性交を強要されたという。ただこの証言は物証を欠いている。
しかし、今のところ被害者による証言の中に、加害者として伊藤氏の名前はあがっていない。もし伊藤氏が未成年に対する性犯罪に加担していた疑いがあれば、米司法省によって逮捕・起訴されていた可能性が高いが、そうなっていないということは直接加担した可能性が低いことを示している。
伊藤氏はMITメディアラボ所長として、MITがエプスタイン氏から受領した総計85万ドル(約1億3000万円)の寄付のうち、およそ62%に相当する52万5000ドル(約8030万円)をエプスタイン氏から受領していた。その責任を取り、エプスタイン氏の自殺から間もない2019年9月に、謝罪して同職を辞している。一応、禊(みそぎ)は済んでいるとも言える。
とはいえ、伊藤穣一氏は現在千葉工科大学の学長を務めており、日本社会で責任ある立場にあるのだから、メディアの前に出て経緯をきちんと説明すべきではないだろうか。
■なぜエプスタイン氏と付き合っていたのか
米司法省がエプスタイン文書で公開した、2015年8月に西部カリフォルニア州パロアルトで撮影された写真には、ホフマン氏主催の会食の様子が写っている。

この写真は「エプスタイン氏にとっての伊藤氏の価値」を端的に表す一枚だ。ホフマン氏によると、このディナーに「エプスタイン氏を呼んでもよいか」と尋ね、実際に彼を連れて来たのが、伊藤氏その人であるからだ。
左端に大きく写るのはフェイスブック(現メタ・プラットフォームズ)最高経営責任者のマーク・ザッカーバーグ氏、さらにテスラCEOのイーロン・マスク氏(右から3番目)、伊藤氏、MIT所属の神経科学者エドワード・ボイデン氏(右端)だ。
また、ここに写り込んでいないものの、現トランプ政権に隠然たる影響力を持つ大富豪で投資家のピーター・ティール氏も参加していた。錚々(そうそう)たるメンバーである。
エプスタイン氏は2013年9月1日にアラブ首長国連邦の大物実業家スルタン・アハメド・ビン・スレイエム氏に宛てたメールで、「ジョイ(伊藤氏の名前を短縮したニックネーム)は、米テック界で最も顔が広い人物で、MITのメディアラボを運営している我々の一員です」と紹介している。エプスタイン氏にとって伊藤氏が最も信頼のおける仲間と見なされていたことは明白だ。
■メディアラボを少なくとも9回訪れていた
エプスタイン氏は大口寄付者としてMITメディアラボから優遇されており、少なくとも9回はラボを訪れていたことが、MITの報告書で確認されている。
下記の写真は、その内の1回において、伊藤氏とメディアラボの職員たちがエプスタイン氏と撮影したとみられるものだ。
なお、米ニューヨーク・タイムズ紙に寄稿するジャーナリストのアナンド・ジリダラダス氏がメディアラボの女性スタッフ複数に聞き取りを行ったところ、女性好きのエプスタイン氏への接待のような形で「案内させられた」と感じていることが判明したという。
犯罪に該当する行為ではないが、こうした扱いを伊藤氏がどう考えていたのかは興味深い点だ。
メディアラボの使命は「研究者が契約や四半期ごとの利益に縛られることなくイノベーションを育むこと」であり、可能性のあるアイデアを自由に探究できる環境を提供していた。

約90社の企業スポンサーやエプスタイン氏などは、メディアラボの発明をいち早く知る機会を得る対価として会費支払いや寄付を行っていた。その資金によって教員や学生はお金のことを心配することなく、ひたすら研究に打ち込むことができたのである。
細かい制約をつけずにポンと大金を出してくれるエプスタイン氏は、さらに知り合いであるビル・ゲイツ氏などの富豪にも声を掛け、メディアラボへの多額の寄付を引っ張ってきてくれる存在だった。
伊藤氏にとってはまさに「神様」のような存在であったに違いない。
■「汚名返上」の手助けをしていた?
では、エプスタイン氏は多額の寄付を受ける側の伊藤氏からどのような見返りを受けていたのだろうか。
前述のように、エプスタイン氏には2008年にフロリダ州において性犯罪者として起訴された過去がある。有罪となったことで彼の信用は大きく傷ついたわけだが、そのエプスタイン氏が、汚名返上し「太っ腹で気前のいい富豪寄付者」という地位を得る手助けをしたのが伊藤氏だったと言えるのではないか。
ニューヨーク・タイムズ紙が2025年12月に掲載した大規模調査報道によれば、エプスタイン氏は「自身に正統性を与える人脈に依存していた」とされる。
伊藤氏とともにエプスタイン氏と積極的に交友していたホフマン氏は、2023年にウォール・ストリート・ジャーナル紙の取材に対し、「私はエプスタイン氏との交友関係を通して彼の評判回復の手助けをしてしまったのであり、被害者たちが正義の裁きを得るプロセスを私が遅らせてしまった事実に悩み苦しんでいる」とメールで回答している。
実際に、エプスタイン文書で公開されたメールを分類すると、「人身売買と性的虐待(7800件)」「訴訟関係(4万6380件)」「エリート人脈(2万2118件)」「科学とアカデミア(8095件)」「知的探求(1万437件)」「慈善事業と評判回復(2407件)」となる。人脈や科学関連のメールの多さは、エプスタイン氏が自身の犯罪に起因する訴訟や当局からの追及を、学界やテック業界の超エリートたちとの交友や寄付によって抑え込もうと努力していたことを示している。
また、ウェブ上において性犯罪者としてのネガティブなイメージが増殖していることに対して、エプスタイン氏は2008年の有罪確定後から「評判回復屋」を雇って対処させていたと報じられている

自身に好意的なウェブサイトを多数立ち上げ、悪評をばら撒くサイトを埋もれさせるという検索エンジン最適化(SEO)対策を実施し、科学や学問の進歩のために気前よく寄付する篤志家を演じた。その裏付けとして、伊藤氏のメディアラボなどに惜しみなくカネを出したと考えられるわけだ。
こうした文脈において、エプスタイン氏に最も信頼された人物の一人であった伊藤氏は「失われた信用と正統性の回復」を、寄付の見返りに提供したと言えよう。
■伊藤氏自身のビジネスにも投資
また、エプスタイン氏から寄付を受けた際に、伊藤氏自身のビジネスへの投資が抱き合わせになっていた可能性がある。
伊藤氏は、勤務先への累計寄付額である85万ドルよりもはるかに多い120万ドル(約1億8300万円)を、エプスタイン氏から自身のベンチャーに投資してもらっている
この件については、伊藤氏がメディアラボ所長としての立場を利用し、エプスタイン氏に便宜を図り、見返りに自身の事業への投資を得る「利益相反」という解釈も成り立つため、伊藤氏はきちんと説明する必要があるのではないだろうか。
■「エプスタイン氏からの寄付」を隠蔽
また、伊藤氏は一貫してエプスタイン氏からの寄付の出所を隠そうとしていた。
エプスタイン氏が2008年に人身売買と未成年者性的虐待で有罪となり、MITによって「寄付不適格者」に指定されており、MITの倫理規定に抵触することを知っていたからである。
そのため、寄付の受け入れに際しては、エプスタイン氏が別人や他大学への寄付を行い、それらの個人や機関がMITに再寄付するという、合法だが脱法的なマネーロンダリングまがいの手法が用いられたという。MITが2020年1月に第三者の法律事務所に依頼して作成した報告書によると、当時のMIT副学長ら上層部はこれを黙認し続けた。また当時は、有罪認定された人物からの寄付を禁ずる明文規定もなかった。一方で、伊藤氏が寄付の出所を隠そうとしたことは、道義的にやましいことがあると認識していたからに他ならないだろう。

メディアラボ職員たちの間ではエプスタイン氏との交流を隠す目的で、「名前を言ってはいけないあの人」とか、『ハリー・ポッター』シリーズに出てくる悪役の「ヴォルデモート」の名で呼ばれていたという。
米ニューヨーカー誌は、伊藤氏の予定表には通常、面会する人物のフルネームが記載されているにもかかわらず、エプスタイン氏だけはイニシャルになっていたと報じている
■バレないように自宅で会おうとしていた
エプスタイン文書では、2017年にMITのすぐそばにあるボストン市のハインズ・コンベンション・センターで開催された全米科学振興協会(AAAS)の年次総会で、伊藤氏がエプスタインを有力な科学者たちに引き合わせようとしていた事実が明らかになった。
その準備段階の2016年6月に伊藤氏がエプスタイン氏に宛てた「禁じられた研究(Forbidden Research)」と題されたメールで、伊藤氏は次のようにエプスタイン氏を誘っている。
「禁じられた研究パネルの2日目は、僕の家から数ブロックしか離れていない場所で開かれるんだ。リード(ホフマン氏を指す)も来るよ。興味深い面々をパネルから引きずり出して(drag over)、僕の家で会わせてあげる。君がリードにも同席させたいなら、そうする。(著名な哲学者の)テンジン(プリヤダルシ)も会議に来るぞ」
ここで注目されるのは、伊藤氏がエプスタイン氏と自宅で会うことにしている点だ。自宅にパネル参加者の一部を無理矢理連れてくるようなニュアンスで話を持ちかけている。
おそらく会議に出席している科学者たちにエプスタイン氏と会っているところを見られたくなかったのだろう。
■逮捕直前まで「エプスタイン氏の味方」だった?
他方、伊藤氏やホフマン氏たちがエプスタイン氏の失われた信用と正統性の回復に力を貸しても、エプスタイン氏の評判は悪化する一方の状況であったことも読み取れる。
フェミニストを中心に「私も性的犯罪の被害者である」ことを訴える#MeToo運動が2010年代の米国で高まりを見せる中で、エプスタイン氏が2008年に有罪となったフロリダ州以外の場所で犯した罪の捜査が、2019年2月に連邦検察官によって開始された。
2019年2月28日に伊藤氏はエプスタイン氏に宛てたメールで、「(投資家の)レオン・ブラック経由の寄付はキープできるけど、君の財団から出た2万5000ドルはMITがアリゾナ州立大学に送り返すことになった」と連絡している。
エプスタイン氏は、「大丈夫だ。もっとブラック経由で送ってあげるよ」と返信し、伊藤氏も「ありがとう!」と応じている。
ところが3月4日になると、エプスタイン氏は次のような弱音を吐くようになる。
「マスコミの報道が酷すぎる。俺が諸悪の根源みたいな扱いだ。金持ちで、男性で、トランプみたいなタイプは標的になるのさ。少なくとも今はね。君は元気でやれよ」
伊藤氏は、「僕は大丈夫だ。幸運を祈る」と返している。
そうした中でも捜査は進み、いよいよエプスタイン氏の逮捕が避けられない情勢になってきた5月に2人は、メールに続いてテキストメッセージで次のような通信を交わしている。
伊藤「君は有能な人にサイバーセキュリティを管理してもらってる? 僕は君のメールがいつも心配なんだ」

エプスタイン「うん(管理はしてるけど)、政府レベルじゃないがな」
この後、伊藤氏は当時ビデオ通話の標準であったスカイプで2人のみで会話することを提案し、エプスタイン氏と日時を設定している。メールでは話せない内容であったのだろう。
その会話において、いかに2人の通信内容を捜査から守るかが話し合われた可能性があるが、実際のところはわからない。
確かなのは、伊藤氏が守ろうとしたエプスタイン氏との通信内容はほぼすべてエプスタイン文書で公開されてしまったことだ。
■伊藤穣一氏は説明責任を果たすべき
エプスタイン文書で伊藤氏がエプスタイン氏のために行ってきた活動がより詳細に明らかになったことで、一部メディアは千葉工業大学の学長としての伊藤氏に説明責任を求めている。
しかし、千葉工業大学はITmedia NEWSの取材に対して、「2023年の学長就任時にMITの件の第三者調査報告書を含め、入念なバックグラウンドチェックを行った。問題はないと考えている」と回答するのみであった。だが、その第三者調査報告書はエプスタイン氏の有罪認定後のMITによるエプスタイン氏からの寄付受領の大半が大学上層部の黙認の下で伊藤氏によって行われたと認定している。もし千葉工業大学が主張するように「問題がない」のなら、なぜ伊藤氏は2019年9月にメディアラボ所長を辞任したのだろうか。
繰り返しになるが、現時点で伊藤氏がエプスタイン氏の性犯罪に加担した証拠はない。経緯や状況から見てその可能性は低いと考えられる。
だが筆者は、伊藤氏が組織の長としての危機管理に失敗しているのではないかと懸念している。なぜなら、メディアラボ時代を含めて「隠す」「逃げる」が伊藤氏の一貫した対応のパターンであるように見えるからだ。
メディアラボのモットーのひとつは「安全よりもリスク(Risk over safety)」であるが、伊藤氏がリスクを取ってエプスタイン氏と交友して支払った代償は、余りにも大きかった。今も彼の亡霊に苦しめられ、さらなる説明を求められているからである。
危機管理では「クライシスは必ず起こる」ことを前提として、①危機を予見して組織内や関係機関で共有しておき、②危機が起きた際には事態がそれ以上悪化しないよう迅速・的確・十分に対応と謝罪を行い、③ステークホルダーや組織が受ける二次的被害を回避し、④起きてしまったダメージの復旧を速やかに図り、⑤再発を防止することだとされる。
危機管理は正確・明快・誠実でなければ機能しないのだが、隠したり逃げたりするほどネットで掘られてしまうのが、テックが生み出した世界の現実である。
ここまで事態が悪化した以上、「決定的な証拠(smoking gun)がない」ことは、説明責任を果たさないことを正当化しない。
伊藤氏自身が記者会見を開き、疑問に丁寧に答えることが必要ではないだろうか。

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岩田 太郎(いわた・たろう)

在米ジャーナリスト

米NBCニュースの東京総局、読売新聞の英字新聞部、日経国際ニュースセンターなどで金融・経済報道の基礎を学ぶ。米国の経済を広く深く分析した記事を『現代ビジネス』『新潮社フォーサイト』『JBpress』『ビジネス+IT』『週刊エコノミスト』『ダイヤモンド・チェーンストア』などさまざまなメディアに寄稿している。noteでも記事を執筆中。

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(在米ジャーナリスト 岩田 太郎)
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