※本稿は、金森重樹『なぜヒトは脂質で痩せるのか』(扶桑社新書)の一部を再編集したものです。
■肉は骨付き肉、筋の多い部位を選ぶ
Q 断糖高脂質を始めようと思います。食べていい食材、ダメな食材は?
断糖高脂質食で扱う主な食材は、肉と魚、卵、脂と極めてシンプルです。基本的に加工品はすべてNG。添加物や身体に害があるものを避けるためには、食材に極力手を加えず“そのまま”で食べるイメージを持つとわかりやすいでしょう。なるべく自身で調理することもおすすめです。
・肉
牛肉、豚肉、馬肉、鹿肉、羊肉をメインに。鶏肉は脂質にオメガ6が多く炎症を起こしやすいため、控えめに。ホルモン類もOKです。
ここで特に推奨したいのは グラスフェッド(牧草飼育)の肉。穀物飼育の肉に比べてオメガ3脂肪酸が豊富で、炎症抑制や脳機能維持に有益です。
さらに、ステーキ用の赤身だけでなく関節部位、骨付き肉、筋の多い部位を積極的に食べることをおすすめします。
よく「コラーゲンは食べてもアミノ酸に分解されるだけで意味がない」という説が流布していますが、近年の研究では コラーゲンペプチドがシグナル分子として働き、骨や関節、皮膚の修復を促す効果があることが示されています。つまり、長期間にわたってコラーゲン部分を摂取することは、単なる栄養補給以上の意味を持つのです。
■ツナ缶の漬け込み油には注意
・魚
鮭、サバ、マス、イワシなどオメガ3を豊富に含む魚は特におすすめ。マグロやメカジキは水銀汚染の懸念があるため控えめに。サバ缶は便利で愛用していますが、市販のツナ缶は漬け込み油がオメガ6系(綿実油や大豆油)の場合が多く、炎症原因となるため避けましょう。
・脂
牛脂、バター、MCTオイル、オリーブオイルは良質な脂質源です。逆にマーガリンやトランス脂肪酸は避けるべき。植物油(大豆油・ごま油など)はオメガ6系が多く炎症作用があるため控えましょう。
■卵の「体に悪い」はウソ、毎日食べたい完全栄養食
・卵
完全栄養食。安価で入手しやすく、毎日の食事に取り入れたい食材です。特に「オメガ3強化卵」は、魚油由来のDHA・EPAを含み、脳や心血管の健康維持に役立ちます。
Q 卵はコレステロールが多いから体に悪いって本当?
「卵はコレステロールが多いから体に悪い」という言葉を一度は聞いたことがあると思います。いわゆる「コレステロール悪玉論」です。でも、これは実は大きな誤解なんです。
コレステロールは体にとって欠かせない物質で、細胞膜の材料になり、ホルモンの原料にもなります。さらに脂質を全身に届ける重要な役割を担っています。つまり「悪者」どころか、生命活動を支える必須の分子なんです。
編集者:「コレステロールは体に悪いものだって、思い込んでいました!」
僕:「とんでもない誤解だね。栄養周りの話は間違った言説が多いから、正しい知識を身につけて」
編集者:「たしかに。糖vs脂論争でもありましたもんね。しっかり勉強します!」
ではなぜ「コレステロール=悪」というイメージが広まったのでしょうか。
きっかけは1950年代、アメリカの生理学者アンセル・キーズが提唱した「食事の脂肪が心臓病を引き起こす」という仮説でした。彼は「脂肪を摂ると血中コレステロールが上がり、心臓病になる」と主張し、食品会社もそれに乗っかって「低脂肪」「コレステロールゼロ」といった商品を次々に開発しました。
■タンパク質と脂質、ビタミンを含む優秀な食品
しかし科学的に見ると、コレステロールには「善玉」「悪玉」という単純な区分はありません。血液中で脂質を運ぶリポタンパク質の種類によって性質が違うだけです。
特に問題視されるのは「小型で酸化しやすいLDL(small dense LDL)」で、これが血管壁に入り込みやすく動脈硬化の原因になるとされています。でもこれは「コレステロールそのものが悪い」という話ではなく、「粒子のサイズや状態によってリスクが変わる」という話なんです。卵に含まれるコレステロールが直接心臓病を引き起こすわけではありません。
さらに近年の研究では、食事から摂るコレステロールが血中コレステロール値に与える影響は非常に小さいことが分かっています。体内のコレステロールは肝臓で合成される量が大部分を占めていて、食事からの影響は限定的です。
だから卵を食べても血中コレステロールが危険なほど上がることはありません。むしろ卵は良質なタンパク質と脂質、ビタミンを含む優秀な食品です。
■「コレステロールを下げれば健康」は誤り
それでも「コレステロール悪玉論」は長く信じられ、医薬品業界もこれに乗りました。代表的なのが「スタチン」と呼ばれるコレステロール低下薬です。
スタチンは肝臓でのコレステロール合成を抑える薬ですが、これが高齢者の死亡率や精神的な不調に関わっているのではないかという議論もあります。日本では電車の飛び込み自殺が増えた背景にスタチンの影響があるのではないか、老人の突然死にスタチンが関わっているのではないか、という指摘もあるほどです。
もちろん医学的にすべてが証明されているわけではありませんが、「コレステロールを下げれば健康になる」という単純な図式が間違いであることは確かです。
結局のところ、コレステロールは体に脂質を届ける大切な役割を持ち、悪者ではありません。卵を食べることを恐れる必要はないし、むしろ断糖高脂質の食生活においては、卵は脂質とタンパク質を同時に摂れる理想的な食品です。アンセル・キーズの仮説と食品会社のマーケティングが作り上げた「コレステロール悪玉論」は、科学的には誤りだったのです。
■糖質たっぷりな果物の中では異質なアボカド
Q なぜ果物なのにアボカドは食べてもいいの?
普通「果物」と聞くと、甘くて糖質が多いイメージがありますよね。バナナやリンゴ、ブドウなんかは糖分がたっぷりで、血糖値を一気に上げてしまいます。だから断糖高脂質をしている人にとっては「果物=避けるべきもの」という印象が強いと思います。
でも、アボカドだけはちょっと特別。果物なのに食べてもいい、むしろ積極的に取り入れたい存在なんです。
その理由を進化の歴史から見てみると面白い。
アボカドは中南米原産で、昔はマンモスや巨大ナマケモノといった「メガファウナ」と呼ばれる大型動物が種を運んでいました。彼らは果肉を食べて、消化管を通した大きな種を遠くへ運び、排泄することで繁殖を助けていたんです。
ところが最終氷河期にメガファウナが絶滅すると、アボカドは種を運んでくれる存在を失ってしまいました。種が大きすぎて小さな動物では運べないので、自然散布ができなくなり、絶滅の危機に陥ったんです。
そこに登場したのが人類。人間はアボカドを食べ、種を持ち運び、やがて栽培するようになりました。つまりアボカドは「人類に救われた果物」なんです。人間がアボカドを助け、アボカドは人間に脂質を提供する――そんな持ちつ持たれつの関係が続いてきたからこそ、今日までアボカドは生き残りました。
■ビタミン、脂質が豊富な「特別枠」
栄養面でもアボカドはユニークです。可食部100グラムあたり脂質が約15%も含まれていて、糖質はわずか2グラム前後しかありません。普通の果物が「糖質の塊」なのに対し、アボカドは「脂質の塊」。しかもその脂質はオレイン酸という良質な一価不飽和脂肪酸で、炎症を抑えたり心血管の健康を守ったりする働きがあります。
さらにビタミンEやK、葉酸、カリウムなども豊富で、栄養密度が高いのも魅力です。食物繊維もたっぷりなので腸内環境のサポートにも役立ちます。腸が整えば炎症が抑えられ、免疫も安定します。
何よりアボカドは「森のバター」と呼ばれるほど脂質が豊富で、断糖高脂質の食生活において不足しがちな脂をしっかり補ってくれる存在です。一般的な果物が糖質中心なのに対し、アボカドは脂質中心。だからこそ「果物なのに食べてもいい」特別枠であり、断糖高脂質のスタイルにぴったり合う果物なんです。
こうして見てみると、アボカドは進化史的にも人類と特別な関係を持ち、栄養学的にも断糖高脂質食にぴったりの果物だとわかります。
最終氷河期に絶滅しかけたとき、人類がその存続を助けました。そして現代では、人類がアボカドから恩恵を受けています。糖質が少なく脂質が豊富なアボカドは、まさに「人類に救われ、人類を救う果物」。果物の中で唯一、安心して食べられる特別枠なんです。
編集者:「アボカドって、実は人類に救われたんだね」
僕:「そう、人類とアボカドは持ちつ持たれつの関係なんだ」
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金森 重樹(かなもり・しげき)
行政書士・不動産投資顧問
東大法学部卒。25歳の時に1億2000万円の借金を負う。マーケティングの技術を活用して35歳で借金を完済。行政書士として脱サラ。不動産、建設、ホテルチェーン、医療法人、福祉事業などグループ年商100億円の企業グループのオーナー。個人で日本最大2メガワットのメガソーラー発電所を宮古島で開設。著書に『2015年改訂版 100%得をするふるさと納税生活完全ガイド』『運動ゼロ空腹ゼロでもみるみる痩せる ガチ速“脂”ダイエット』(ともに扶桑社)など。
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(行政書士・不動産投資顧問 金森 重樹)

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