■小学校受験で「最重視」される力
小学校受験を考えているご家庭であれば、11月に新年度がスタートして、そろそろ教室に慣れてきたころでしょうか。春を迎えれば、いよいよ年長さんになりますね。新しい環境に慣れていくこと自体が受験対策になるのですが、一番多くの時間を過ごす「家」での過ごし方がやはり重要です。今回は、ぜひ今から、小学生受験をお考えの保護者の方々に知っておいてほしいことを語ります。
まず、小学校受験で、最重視されるのは“受けとる力”です。相手の言葉だけでなく、“気持ち”を受けとることが求められます。
幼児教室に通う子の中には、お話が上手な子や、ませている子がいます。まさに“利発な子”という印象ですが、こういう子に受けとる力があるかというと、アンバランスなことが多い。受けとる力というのは、意識して鍛えないと、身に付けるのが難しい力なのです。
小学校受験の考査は、ペーパーテストや巧緻性テスト、体操テスト、行動観察、絵画制作、面接など内容は学校ごとに異なりますが、“耳から入った指示”を聞きとって行うものが大半です。
つまり子供は、考査では“聞く”スイッチを入れなければいけません。先生からの指示を一度で受けとめられない子は、試験の突破が難しくなってしまいます。
小学校受験において大事になるのは、メリハリ。聞くときは聞く、今は自分が何をすべきか考えられる。そのもとになるのが“受けとる力”なのです。
■受けとる力を鍛える3つの方法
では、家庭で「受けとる力」を鍛えるには、どうしたらよいのでしょうか。その方法は、大きく分けて3つあります。
(1)「問いかけ」をする
受けとる力を鍛えるには、親が子供に向けて話したことを、子供が一度で聞けるようにしましょう。「○○しなさい」というような指示出しではなく、問いかけでもOKです。
例えば「今日は○月○日?」「どんなお天気?」など。こういった問いかけに対して、その子がきちんと答えることも、受けとる練習になります。このときに気をつけたいのは、子供が答える前に、親が答えを言ってしまうことです。
教室に通う親子にありがちなのが、私が「今日のお天気どうだった?」と子供に聞くと、子供が答える前に親が「今日は雨が降りそうだったわよね」と先にお話されること。こちらは、その問いかけを子供に受けとめてほしいのに、これだとトレーニングになりません。
日付や天気など“事実”についてだけでなく、「どう思った? どんな気持ち?」と考える時間を設けてあげることも大事です。
■「楽しかったよ」で終わらせない
だからといって「幼稚園、どうだった?」と聞いても、子供の口からは、なかなか言葉が出てきません。「楽しかった」で終わり。そこで、おすすめなのが「今日は何をしたの?」から始まり、グッドニュースとバッドニュースを3つずつ聞くことです。
例えば、私の5歳の姪っ子に「どんないいこと(グッドニュース)があった?」と聞くと、「○○で遊んだ」「○○ちゃんがこうしてくれた」と自分が楽しく過ごせたことが出てきます。
バッドニュースは出てこない子も多いかもしれませんし、無理やり言わせることはありません。でももし思い通りにいかずに悲しい思いをしているようなことがあれば、「嫌だったね、悲しい気持ちになったね」と共感して寄り添ってあげてください。
こんなふうに子供に今日一日の出来事を思い出させて、子供自身が心の中のものを吐き出すことは、受けとる力を高めるトレーニングになるだけでなく、トラブルも拾いやすくなるため、小学校受験をしない家庭にもおすすめです。
■「記憶力」を高める声かけ
(2)読み聞かせをする
絵本を読み聞かせをしながら「このブタさんは、どうしてこういうことをしちゃったのかな?」などと質問すると、受けとめる練習になりますし、読み聞かせのあとに「誰が出てきた?」「何を忘れて行っちゃった?」と思い出させると、“記憶力を高める”トレーニングにもなります。
また本には、日常で使わない言葉が山ほど出てきますから、語彙の幅も広がります。多感なこの時期に、読み聞かせできれいな言葉をたくさん浴びせてほしいですね。
本を選ぶときは子供の興味に任せて選んだ本と大人が子供に出会わせたい本の両方をミックスするとよいでしょう。
また昔話は、このタイミングで出合わないと、この先出合う機会を逃してしまいがちなジャンルですので、ぜひ読んでおいてください。「まるでオオカミ少年みたいだね」などといった比喩表現は、会話の共通言語になることもあるので知っておいてほしいところです。
■ケーキを一緒に切ってみる
(3)カレンダーや時計をいつも見えるところに
「今日は○月○日?」と聞いて、子供が日付を正しく答えられるかどうか確認してみてください。例えば7月8日なら、「なながつ はちにち」ではなく「しちがつ ようか」と読みますよね。慣れるまでは、カレンダーの1日の下に「ついたち」、2日には「ふつか」と、ひらがなで正しい読み方を書いておきましょう。
カレンダーに天気のシールを貼っていくのもおすすめです。「今日のお天気はどうだった?」と聞いて、晴れのシールを貼れば、カレンダーを見る習慣づけにもつながります。
ここまで紹介したトレーニングは、受験する、しないにかかわらず未就学のうちに行うことをおすすめしています。
受けとる力の他に、特にトレーニングしておきたいのが、数や図形の概念。小学校で、子供がつまずきやすいところなので、未就学のうちに日常に溶け込ませ、苦手意識を持たせないようにします。
時計は、文字盤に数字があり、分針の位置が目で追えるタイプのものを、生活スペースに置いてください。時刻を確認したり、「あとどのくらい?」と時間を意識したりすることで、自然と数が身近なものになっていきます。
そのほかにも、イチゴを家族に同じ数になるように分けたり、ホールのケーキを4人で同じ大きさになるように切るにはどうする? と聞いて、十字型に4つに分けるのを見せるなど、こういった数や図形の概念は、暮らしの中でうまく鍛えることができます。
■日常で「巧緻性」と「季節感」を養う方法
また手先を上手に動かす力を見る巧緻性のテストでは「ボルトにナットをはめましょう」「線に沿ってちぎりましょう」などといった問題が出ます。手先を動かす動作は脳の発達と密接に関わっており、単なる器用さが必要なだけでなく、丁寧さや集中力も必要とされます。
蛇口やジャムの瓶の蓋をひねって開ける、何かを束ねてひもで結ぶ、など、日常生活の中には、子供たちの巧緻性を養うヒントがたくさんあります。そして、できなかったときに大人が何でもやってしまわずに、ぐっと見守る時間も大事にしてほしいと思います。
ペーパーテストでは「夏のものを選びなさい」など、季節感を問う問題も出ます。お正月、お花見、端午の節句といった行事をたっぷり楽しむのはもちろん、お天気や食べ物など日々の生活の中で季節を見つけてほしいと思います。
思い出の写真などを壁に貼っておくのもおすすめです。大きな模造紙を春夏秋冬に四分割して、その時々の家族写真や折り紙制作などを貼ってみると子供の記憶に残りやすくなります。子供といっしょに楽しんで制作してくださいね。
親がそばで関わりやすい未就学の時期に、ぜひ取り入れられるものは、取り入れて、楽しくトレーニングしてみてください。多くの小学校が「家庭と協力して育てていきたい」という言い方をしていることからも、学校は家庭に対して、理解と協力を求めていることがわかります。
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齊藤 美琴(さいとう・みこと)
幼・小・中学受験家庭教師
「12歳までの可能性を広げる」をモットーに、受験との向き合い方、成績の伸び悩み、保護者の関わり方など、多様な受験相談に対して家庭の力を引き出すコーチングを行う。SAPIXの個別指導部門プリバートで国語科専任として指導にあたるなど、中学受験指導の実績多数。JAC幼児教育研究所(四谷教室)での講師を経てフリーランスとして独立。自身も黎明期のSAPIX生として中学受験を経験し、慶應義塾中等部へ進学。慶應義塾総合政策学部、法学部を卒業。
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(幼・小・中学受験家庭教師 齊藤 美琴)

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