お金が貯まる人の特徴は何か。心理学者の内藤誼人さんは「内向的な人は、外交的な人と違ってブランド物の洋服を着て、高級な自動車を乗り回し、タワーマンションに住みたがろうとしない。
この堅実さこそが、無用な競争から解放し、経済的な成功をもたらすポテンシャルとなる」という――。
※本稿は、内藤誼人『もの静かで繊細なあなたが生きやすくなる本』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
■見栄を張らないからお金が貯まりやすい
幸せな人生を歩みたいのであれば、仕事に精を出すことです。どんな業界でも、がむしゃらに働いていれば、出世、昇進します。当然、給料も上がります。まじめにやっているのに、給料が下がるということはないでしょう。
給料が上がり、裕福になると、幸福感も高まります。
お金に余裕があるということは、まことに心強いことです。お金の心配をしないで済むというだけで、精神的にとても落ち着いていられます。
「裕福な人ほど幸せ」という傾向は、数多くの研究で明らかにされています。
英国ケンブリッジ大学のピーター・レントフロウは、全米で行われたギャロップ調査(約35万人が対象)のデータを使い、各州の金銭的な裕福度と幸福感との関係を調べました。
金銭的な裕福度は、「域内総生産」(GRP)、平均年収、不動産価格の中央値を指標にしました。

幸福感については、人生に対する評価(現在も、5年後もよい人生だと思う)、感情的健康(毎日、ポジティブな感情でいられる)、身体的健康(疲労がなく、エネルギッシュでいられる)などの指標を合わせて調べました。
その結果、裕福な人が多い州ほど、幸福感も高くなる傾向が明らかになりました。お金があると、幸せでいられるということです。ちなみに一位はユタ州でした。
■昇進・昇給も「お手のもの」
とにかく仕事に精を出して、経済的に余裕ができるように頑張ってください。お金があれば、人生で遭遇する悩みのほとんどは、解決できますからね。
幸い、内向的な人は根がまじめですので、仕事もうまくいきます。無駄口を叩かず、黙々と仕事に取り組みますので、昇進も昇給も期待できます。
また、お金というものは使っていたらなくなってしまいますが、内向的な人はそんなにオシャレにもお金を使いませんし、見栄を張ったりもしませんので、お金はどんどん貯まります。
そのため、内向的な人のほうが人生のいろいろな悩み(特に金銭がらみの悩み)が少ないのではないかと心理学的に予想できるのです。
外向的な人や社交的な人は、見栄を張る傾向があるため、ブランド物の洋服を着て、高級な自動車を乗り回し、タワーマンションに住みたがります。これでは貯蓄は進まず、結果的に経済的な安定を遠ざけるかもしれません。

一方、内向的な人は、派手な生活をしません。だからこそお金持ちになれる可能性も高いと考えられます。この堅実さこそが、無用な競争からあなたを解放し、経済的な成功をもたらすポテンシャルなのです。
■「お金持ちになる秘訣」を体現
本屋さんに行くと、「株で儲けるための本」だとか、「お金持ちになれる本」といったテーマの本がたくさん並んでいます。それだけお金持ちになりたい人が多いということなのでしょう。お金はいくらあっても困るものではありませんからね。
しかし、そういう本も内向的な人には不要です。
なぜかというと、内向的な人は、わざわざそういう本を読まなくとも、自然にお金持ちになっていく可能性が非常に高いからです。
お金持ちになる秘訣は、とにかくお金を使わないこと。
お金を使わなければ、たとえどんなに給料が安くとも、お金は貯まっていきます。当たり前の話です。
内向的な人はというと、生まれながらの貯蓄タイプ。
自分では貯金をしているつもりなど全然ないにもかかわらず、通帳の預金残高は増えていく一方。何しろお金を使わないのですから、増えるに決まっているのです。
英国ロンドン大学のブレイン・ランディスは、銀行に口座を開いている718名に、12カ月間の支出を教えてもらい、さらに性格テストも受けてもらいました。
すると、「内向的な人はほとんどお金を使わない」という傾向が明確に確認できました。
お金を多く使うのは外向的なタイプでした。
しかも面白いことに、外向的な人で、しかも収入が低い人ほど、自分の地位を高めてくれそうなところ(ゴルフ、美術品、海外旅行など)への出費が多かったのです。
収入が低いのですから、本当は無駄な出費をしないほうがいいのに、外向的な人は見栄っ張りが多いということでしょう。
■「気づいたらお金持ちになっている」
外向的な人は、人付き合いが多いので、洋服もたくさん必要になります。毎回、同じ格好で人に会うわけにはいきませんから。
また、美容院に行く回数も増えるでしょうし、アクセサリーも安物を身につけていたら恥ずかしいので、どうしてもある程度は値の張るものを選ぶことになるでしょう。
そういう生活をしていたら、お金が貯まるわけがありません。支出以上にたくさんお金を稼がないと、貧乏になってしまいます。

ところが、内向的な人は真逆のライフスタイルをとります。人に会う頻度が低いので、新しい洋服を買うこともほとんどなく、出かけるときには一人で出かけるので、見栄を張って高級店で食事をすることもないでしょう。なので、お金が貯まるのです。
内向的な人は、気づいたらお金持ちになっているという、まことに羨ましいタイプだといえるのです。

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内藤 誼人(ないとう・よしひと)

心理学者

慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。立正大学客員教授。有限会社アンギルド代表。社会心理学の知見をベースに、心理学の応用に力を注ぎ、ビジネスを中心とした実践的なアドバイスに定評がある。『心理学BEST100』(総合法令出版)、『人も自分も操れる!暗示大全』(すばる舎)、『気にしない習慣』(明日香出版社)、『人に好かれる最強の心理学』(青春出版社)など、著書多数。

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(心理学者 内藤 誼人)
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