※本稿は、奥村歩『10万人の脳を診てきた脳神経外科医が教える 脳を休めて整える習慣』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
■目標の達成率が自ずと高くなる締切の決め方
作業は、漫然と取り組んでいても効率は上がりません。特に「やらされている感」が強い仕事では、なかなかモチベーションが持続しないものです。
じつは、同じ内容の仕事でも、人から押しつけられた場合と、自ら締め切りを決めて主体的に参加する場合とでは、ドーパミンの出方がまったく異なることがわかっています。
「会社の業務命令だから」「達成すると評価されるから」「叱られたくないから」といった、自分自身ではなく外部からの働きかけによって促される意欲のことを“外発的モチベーション”と呼びます。
これに対して、「この仕事が楽しいから」「自分のためになるから」「憧れの人のようになりたいから」など、自分自身から湧き上がる動機のことを“内発的モチベーション”と呼びます。
どちらのモチベーションも、目標が達成されればドーパミンは出ますが、決定的な違いがあります。それは、内発的モチベーションでは、仕事がまだ達成されていなくても、目標や計画を立てただけで、すでにドーパミンが活性化されるという点です。
活性化されたドーパミンはノルアドレナリンと連動し、あなたのやる気や集中力、計画に従って着実に作業を進める「遂行(実行)機能」を高めてくれます。
つまり、自分の仕事の締め切りを自分で決めるだけで、目標の達成率は自ずと高くなるというわけです。
■宣言が脳のポテンシャルを最大限引き出す
頼まれた仕事を命令通りにこなすだけでは、外発的モチベーションにとどまり、脳は疲弊しやすくなります。
しかし、これを逆手にとって「どうせやらないといけないなら、サッと片づけて自分の時間を増やそう」などと考えることができれば、内発的モチベーションに変換することができます。
例えば、「明後日の朝までに報告書を提出」という上司からの指示であれば、これをただのノルマとしてこなすのではなく、「明後日は別のことに時間を使いたいから、明日までに完璧に仕上げてしまおう」と、自分なりの目標に変換するのです。
そして、このように自分で目標を立てることができたら、それを周囲に宣言してみましょう。
「○○部長、この報告書は明日までに提出します」
「来週の火曜までに、あの案件の対応を完了させます」
このような具体的な宣言は、あなた自身の責任感を高め、ドーパミンをより強力に活性化させます。
「目標を自分事化する」というシンプルな意識改革が、あなたの脳のポテンシャルを最大限に引き出し、仕事の完了を早めてくれるのです。
■ここ一番は「ビッグマウス」で運を呼び込む
日本人のほとんどはネガティブ思考の傾向があります。私たち日本人が、セロトニンが枯渇しやすい遺伝子を持つ傾向にあるためです。
ただ、もちろん、ネガティブ思考は悪いことばかりではありません。人生でも仕事でも、最悪の事態を想定して危機管理をすることは非常に重要です。
数年前のコロナ禍でも、欧米人に比べて日本人の死亡率が圧倒的に低かったのは、ネガティブ思考に起因する優れた危機管理能力のおかげだと言われています。
しかし、仕事での勝負どころや恋愛などのプライベートシーンで、ネガティブになりすぎて萎縮していては、せっかくの運を呼び込むことすらできません。
ここでのアクションは、まさにそんな状況を打ち破るためのものです。重要な場面に臨むときは、まず明るくポジティブな言葉を、あえて人前で発してみましょう。
「僕は、30代のうちに必ず課長になります!」
「将来は○○プロジェクトに、絶対に関わります!」
「あの人と付き合えるように、努力します!」
このように人前で「ビッグマウス宣言」をすると、一度大見得を切ってしまったからには、なんとかして実現しなければならない状況に自分を追い込むことになります。いわゆる「背水の陣」ですね。
このプレッシャーによってノルアドレナリンが分泌され、その勝負への集中力や遂行(実行)機能が極限まで高まることがわかっているのです。
■「ポジティブ発言」は脳を覚醒させる
ポジティブ思考のカリスマとも言えるメジャーリーガーの大谷翔平選手は、人生の節目節目で、まさに爆弾発言をしてきました。
高校時代には、なんと「将来ワールドシリーズで優勝する」と、すでに人前で宣言しています。さらに、2024年のポストシーズンでドジャースがパドレスに負け越し、土俵際に追い詰められたときでさえ「あと2試合、連勝すればいいだけのことなんで……」と記者会見で答える彼の姿は、まさにビッグマウスで自らを追い込み、脳を最大限に活性化させる典型例だと言えるでしょう。
しかし、そんな彼も「いつも、ポジティブであろうとは思っていない。何事もバランスかなと思っているので」と語っています。この発言から、大谷選手も日本人特有のネガティブ思考の気質を持っていると推測できます。
だからこそ、ここ一番の勝負時には、あえてポジティブ発言で退路を断つことが、彼の遂行(実行)機能を高めてくれているのでしょう。
あなたが本来持っているネガティブ思考の特性を最大限に活かしつつ、ここ一番で勝負に挑む際には、ぜひ「ビッグマウス」で、あなたの脳と運命をポジティブな方向へと導いてあげてください。
「この記事に書いてあることを実践して、人生をよりよくする!」
宣言してみましょう。
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奥村 歩(おくむら・あゆみ)
医学博士
1961年生まれ。おくむらメモリークリニック院長。岐阜大学医学部卒業、同大学大学院博士課程修了。2008年に「おくむらクリニック」を開院し、設置した「もの忘れ外来」ではこれまでに10万人以上の脳を診断した。著書に『スマホ脳・脳過労からあなたを救う 脳のゴミを洗い流す「熟睡習慣」』(すばる舎)、『ボケない技術』(世界文化社)、『スマホ脳の処方箋』(あさ出版)、『脳の老化を99%遅らせる方法』(幻冬舎)、『あなたの脳は一生あきらめない!』(永岡書店)など。
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(医学博士 奥村 歩)

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