本当のお金持ちは何にお金を使っているのか。資産7億円を築いた実業家の上岡正明さんは「お金を使うための基準軸をしっかりと持っている。
ブランド品やパーティーに興味を示さず、無駄なお金を徹底して使わない」という――。(第1回)
※本稿は、上岡正明『資産7億円の父が子どもに伝えたい 本当のお金持ち入門』(大和書房)の一部を再編集したものです。
■高級ブランド=富裕層は間違い
最初に「本当のお金持ち」の定義を見直してみよう。もしかしたら、君たちがイメージしている「お金持ち」は僕が定義する「本当のお金持ち」とは違うかもしれないからだ。
ゴールが間違っていたら、それまでのチャレンジが無駄になってしまう。無駄とまでは言わなくても回り道になるのは確かだ。それに、人はイメージした人間になるという事実もある。君たちが間違ったイメージを持っていたら、「本当のお金持ち」にはなれない。だから、君たちが「本当のお金持ち」を認識しておくのは、大切な準備なんだ。
さて、君たちは今、僕と買い物にきている(としよう)。繁華街の大通りを高級ブランドのウェアを着て歩いている人がいるね。果たして、その人は「お金持ち」かな? もしも、それが君たちの「お金持ち」のイメージならば、はっきりと「違う」と言っておく。

確かに、お金がなければ高級ブランドは買えない。でも、それは本当のお金持ちではなくて「自分をお金持ちに見せたい人」なだけの可能性がある。
■お金持ちこそユニクロやGUを着用する
実は、お金持ちは節約がとても上手だ。お金があるからといって、漫然とお金を使ったりはしない。それは、「お金を使うための基準軸」をしっかりと持っているからだ。
たとえば、高級ブランドとファストファッションのウェアを比べても、こだわりがなければファストファッションを選ぶ人が多い。価値がそれほど違わないものに、贅沢(ぜいたく)にお金を使う意味はないからだ。
お金持ちだって、できる限り消費を抑えている。日用品は安いほうを選ぶし、同じ価値のものならなるべく安く済ませる。無駄なお金を使わない分、貯蓄や投資に回す。だからお金が増えるのだ。
その代わり、意味があるものには出し惜しみせずにお金を使う。
たとえば、大事なビジネスで自分をアピールするために高額なイベントが必要だと判断したら、たとえ100万円でも即決する。
最近、僕は1カ月で300万の広告をうった。リターンは同じ300万だった。収支はトントンだ。だが、それ以上に貴重な経験を手に入れた。次はもっと少ない予算で大きなリターンを生み出せるだろう。最初のトライや学びへの出費だけで、自分次第で次からいくらでも利益を生み出せる。
■ブランド品やパーティーは「浪費」でしかない
一方で、お金持ちにとって、浪費なんてもってのほかだ。飲んだり食べたりして、そのうえ自慢話をして、騒ぐだけのパーティにも出かけない。
会社を経営していればなおさらだ。僕は、常に僕の代わりに働いている社員のことを考えている。もし、社員がそんな姿を見たら、どう思うかをまず考える。
多分、社員は「社長の夜の楽しみのために、自分たちはこんなに遅くまで働いているんじゃない」と思うだろう。
それは労働意欲を低下させることになるし、優秀な社員は転職を考える。そんなことになったら、会社にとっては大きな損失だ。「本当のお金持ち」にとって、自分をお金持ちに見せるだけのファッションや集まりに使うのは、無駄なものに費やす「浪費」でしかない。
このように、お金持ちはお金の使い方にメリハリをつけている。浪費をしないで、生きたお金を使うのが本当のお金持ちなんだ。君たちも、お小遣いを何に使って、何に使わないのか、意識するところから始めてみてほしい。
「浪費」は「死に金」ともいう。使った後に価値を生まないお金だ。お金持ちに見られたいだけの人は浪費する。浪費している以上、いくら稼いでもお金は貯まらない。
■資産家がお金をかけているもの
この「死に金」の反対が「生き金」だ。
使っても何かしら次につながる、価値のあるお金だ。先ほど話した広告への投資も同じだ。本当のお金持ちは、そんな生きたお金の使い方をする。
その代表が株式や不動産への投資だ。投資は利益を生む。ものを買う時も、「投資」を前提に検討する。車ならリセール(売却価値)の高い車種を買う。500万円で購入しても、数年後に485万円で売却できれば節税効果もあり、充分に元が取れるよう購入前に計算をして車種を選ぶ。
将来的に収益をもたらす可能性のある財産を「資産」という。本当のお金持ちは、この生きたお金を使って資産を築くのが抜群にうまい。そして、お金持ちが扱う資産は、有価証券、土地など、物理的な形を持つ「有形資産」に留(とど)まらない。
自分自身の価値を高め、将来的に収益を生み出す源泉となるスキル、経験、知識といった、物理的な形を持たない「無形資産」にも生きたお金を使う。
たとえば、自己投資。自分自身を成長させるために資格取得などのスクールに通うのも、価値が減らないお金の使い方だ。
■子どもの頃にやったほうがいいこと
プロローグのおさらいとなるが、お金持ちになる近道は、働きながら投資することだと言った。しかし、投資の元手となる「元本(種銭)」が少なければ利益も少ない。次の二人を比較するとわかりやすいだろう。
・元本100万円の人が年利10%で運用すると、利益は10万円

・元本1億円の人が年利3%で運用しても、利益は300万円
極端な例かもしれないが、まぎれもない事実だ。この差を埋めるには、節約してコツコツ種銭を貯めるのも一つの方法だが、もっと早いのは、「稼げる自分」に進化して、入金力を爆発的に増やすことだ。
本当のお金持ちは知っている。「100万円を5%で運用して5万円儲ける」よりも、「自分に100万円を投資して、年収を100万円上げる(利回り100%)」ほうが、圧倒的に速いということを。つまり、まずは自分に投資したほうが、リターンは多くなるのだ。
また、お金持ちは子どもたちに稼げる大人になってもらうために教育にもお金を使う。特に、お金を使うのは、体験教育だ。
体験はスポーツでも、アウトドアでも、文化的な体験でも、なんでもいい。さまざまな体験は子どもの心を豊かにする。
体験を通して子どもはチャレンジ精神を学ぶし、失敗も経験する。そして、失敗から立ち直れば失敗を恐れない心も育つ。これを「自己効力感」と呼ぶ。価値のあるお金の使い方だ。
■稼げる大人になるには「体験を増やす」
NPO法人「放課後NPOアフタースクール」によれば年収1000万円以上の家庭では60%以上が子どもになにか習い事をさせ、30%以上が夏休みに旅行やサマーキャンプなどをしている。これに対し、300万円未満では約70%が習い事をさせず、約90%が夏休みにサマーキャンプや旅行をしていない(※1)。
また文科省の「令和5年度子供の学習費調査」(令和6年12月25日発表)でも子どもを私立校に通わせている家庭で年収1000万円以上だと、それ未満の家庭より学校外活動に使う費用がはるかに多いことが明らかになっている(※2)。
「教育格差」という言葉を耳にすると、多くの人が「塾に行けるか、行けないか」という「座学の格差」を思い浮かべるが、本当は「体験の格差」にある。
確かに、生活に余裕がないと学校外活動になかなかお金をかけられない。だが、公園や公共施設などで遊んだり、地域住民向けの町内会が主催するイベントに参加したり、地域ボランティア活動をするなど、お金をさほどかけなくても、子どもに体験をさせることはできる。
さまざまな体験をさせるのは、子どもをお金持ちにする準備でもある。僕が君たちに、さまざまな経験をさせているのは、そのためだ。銀行に残したお金は使えば一瞬で消えるかもしれない。しかし、体験を通じて子どもの脳と心に刻まれた「自分ならできる」という自信は一生消えない。これこそが、親が子どもに残せる最強の資産だ。

〈参考文献〉

(※1)放課後NPOアフタースクール「小学生の長期休みの過ごし方 実態調査 2025」

(※2)文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」

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上岡 正明(かみおか・まさあき)

投資YouTuber、作家、フロンティアコンサルティング代表

1975年生まれ。放送作家を経て、27歳で戦略PR、ブランド構築、マーケティングのコンサルティング会社を設立し、独立。これまでに大手上場企業など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。チャンネル登録者36万人を誇る人気YouTuberとしても活躍中。著書に『お金が増える強化書』『勝てる投資家は、「これ」しかやらない』(PHP研究所)など多数。

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(投資YouTuber、作家、フロンティアコンサルティング代表 上岡 正明)

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