※本稿は、宮脇啓輔『できる人が大事にしている 複利で伸びる仕事術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。
■枕詞を巧みに使いこなす
突然ですが、皆さんは若手社員に突然話しかけられ、そのまま一方的に話し続けられた経験はありませんか?
「え、なんの話?」
「相談なの? 雑談なの?」
「今、聞かないといけない話?」
「私の時間を奪っていることに気づいている?」
かくいう私も若手時代に「突然話しかけムーブ」をやらかし、「この相談、何分かかるの?」と、優しい先輩を少しムッとさせたことがありました。
ここでは、そんな「突然話しかけムーブ」を防ぎ、仕事のコミュニケーションで双方にメリットをもたらす、とっておきの方法を紹介します。
■コミュニケーションは“少ないほうが良い”
意外に思われるかもしれませんが、仕事においてのコミュニケーション量は少ないほうが良いのです。これは断言できます。もちろん、ここで言う「少ないほうが良い」は、社内活性化の話ではなく、業務遂行上の話です。
会話の時間はあくまで情報伝達の時間であり、アウトプットを生む時間ではありません。会議が多いほど仕事が進まないのはこのためです。
理想は、言葉を交わさなくても意思疎通できる“阿吽の呼吸”が増えること。つまり、少ない会話で高い精度の仕事ができる状態が最強なのです。
とはいえ、全員と完璧な信頼関係を築けるわけではありません。だからこそ、コミュニケーション不足による誤解を防ぐために、「相手の時間を無料で奪っている」意識を常に持つ必要があります。
その最も効果的な方法が、本項で紹介する「枕詞を巧みに使う」ことなのです。
■枕詞は大きく分けると2種類ある
① 「会話の形式を伝える」枕詞
話しかけるときに、「これからどんな話をするのか」を明示するための枕詞です。
「相談ですが……」
「共有ですが……」
「雑談なんですが……」
もう少し丁寧にしたいときは、修飾語をつけると印象がさらに変わります。
「2分で終わる相談ですが……」
「ただの共有ですが……」
「まとまっていない雑談なんですが……」
こうした一言を添えるだけで、相手は「目的」「緊急度」「所要時間」を瞬時に把握できます。つまり、「相手の時間を奪わない配慮」が伝わるのです。このタイプの枕詞は、すべてのビジネスパーソンの必修スキルと言っていいでしょう。
②「期待値を調整する」枕詞
こちらは、質問や発言の際に「自分の自信度」や「意図のレベル感」を示す枕詞です。
「以前考えたことがあって……」
「今パッと考えて答えるのですが……」
「思考が整理できていないのですが……」
こうした枕詞を加えるだけで、聞き手は「どの程度の確かさで話しているのか」を察知でき、その結果、対応の仕方も変わります。たとえば、
「思考がまとまっていない」と言われたら、一緒に考える姿勢で聞く。
「明確な回答がある」と言われたら、しっかり検証する。
こうした“潜在的な依頼”を読み取るヒントになります。つまり枕詞は、自己認知と他者認知のズレを埋めるコミュニケーションツールでもあるのです。
■枕詞は「使う側」にも大きなメリットがある
ここまで、枕詞を「相手への配慮」として解説してきましたが、実は使う側にも多くのメリットがあります。枕詞を使うことで得られる恩恵は、次の3つです。
① 敬意が伝わる
相手の時間を大切に扱っていることが伝わり、「感じの良い人」「話しかけやすい人」と思われます。
②「仕事ができる人」とみなされる
言葉選びに気配りがある人は、基礎力が高く見えます。結果的に信頼が増し、チャンスや抜擢にもつながります。
③ より良い情報を得られる
相談の質が上がり、的確なフィードバックや支援を受けやすくなります。意思決定は、早くしても大きな誤差は生じにくいのです。
■枕詞が自然に出る人は、信頼される人
枕詞は相手の心理的負担を減らし、自分の印象を良くする最強のスキルです。たった一言で、会話の温度も信頼も変わります。報連相を始める前に、まず枕詞を添えてみましょう。これを意識的に繰り返していけば、やがて反射的に出るようになります。
20代のうちに、“枕詞が自然に出る人”、すなわち信頼される人を目指しましょう。
■上司が喜ぶ「確認依頼」3つのお作法
私は代表という立場上、日々メンバーからあらゆる確認依頼を受けています。そのなかで、「この確認のされ方、本当に困るんだよな……」と思うことが何度もありました。確認を受ける立場になって初めて、「確認依頼にも技術がある」ことがわかったのです。
とはいえ、上司や責任者の立場を経験する前に身につけておいても損はない、価値のあるスキルです。今回は、上司が喜ぶ3つの確認依頼のお作法を紹介します。
お作法1:過不足チェック
過不足チェックとは、「何か足りない点や不要な要素がないか見てほしい」という依頼です。最も曖昧になりやすく、正直なところ、上司にとっては一番疲れる確認依頼です。
たとえば人事が採用施策の立案を行っているときに、施策案の洗い出しのタイミングでこんなメンションが飛んできたら、どう思いますか?(図表1)
アイデアを大量に並べただけの段階で「過不足ないか、ご確認ください」と聞かれても、粒度も抽象度もバラバラで、どこをどう見ればいいのかわかりません。
確認する側の脳を疲弊させないためには、構造化と整理が不可欠です。
ポイントは次の3つです。
① 抽象度の中レベルをつくる
施策を「抽象度:大(目的)」「中(カテゴリ)」「小(具体)」に整理すると、MECE(抜け漏れや重複がない)かどうかを判断しやすくなります。
② 序列に意味を持たせる
時系列やプロセス順に並べると、上司は自然に全体像を思い浮かべながら確認できます。採用施策なら「募集 → 面接 → 内定 → 入社」などの流れに沿って並べましょう。
③ カテゴリ外の項目を“ その他” で括る
外れ値を「その他」にまとめることで、異質な要素を識別しやすくなります。不要な要素を削る判断もしやすくなるのです。
たったこれだけの配慮で、確認する側の負担は大きく減ります(図表2)。
「見やすい構造で依頼する」。このことが、上司を楽にする最初の一歩です。
■上司の評価が高くなる「確認依頼」の仕方
お作法2:品質チェック
品質チェックとは、完成したアウトプットのクオリティが一定水準を満たしているかを確認してもらう依頼です。最も一般的な依頼ですが、ここにも差が出ます。
良い依頼のポイントは、具体的な判断材料を添えることです。
次の5項目を押さえてみましょう。
① 前提共有:目的・背景を簡潔に説明する
② 判断基準:どんな状態を「合格」とするか
③ 完成度:現状の完成率や自信度
④ 期限:いつまでに確認してほしいか
⑤ 注釈:特に見てほしい箇所、注意点など図表3をご覧ください。
特に重要なのが「判断基準」と「完成度」です。たとえば「経営会議に通るレベルの資料になっているかどうか確認してください」と明示することで、上司の頭の中に明確な評価軸が生まれ、フィードバックが早くなります。
また、完成度を伝えることで、上司はレビューの深さを調整できます。
「これが100%のつもりなら全然ダメだけど、50%なら上出来だな」と、温度感を合わせられるのです。
こうした“認識のすり合わせ”は、依頼される側にとって非常にありがたい配慮です。
お作法3:修正項目チェック
修正項目チェックは、フィードバックを反映した再提出時の確認依頼です。
ここで最も大切なのは、「確認を依頼する側の記憶は鮮明だが、上司の記憶は薄れている」という前提を忘れないことです。
上司は多くの案件を並行して見ています。あなたにとって印象的な案件でも、上司には「数あるチェックの一つ」に過ぎません。1週間も間が空いたら、内容や背景をほとんど覚えていないことも珍しくありません。だからこそ、確認依頼には文脈のリマインドが必須です。
以下の3点を押さえておきましょう。
①前提整理:いつ・何の目的で・どんな修正を行っているのかを簡潔に書きます。
②修正箇所の明示(最重要):ハイライト、コメント、差分比較などで「どこが変わったか」を明確にします。“全部見てください”は最悪の依頼です。
③修正の主旨を記載:もらったフィードバックをどう解釈し、どう反映したのかを書き添えます。
この3点があるだけで、上司の確認スピードと質は劇的に上がります(図表4)。「相手が覚えていない前提で伝える」。それが確認依頼の鉄則です。
■「確認される側」を一度経験してみよう
これらのお作法は、頭で理解するよりも体で覚えるほうが早いです。インターン生の育成、小さなプロジェクトのリーダー、社内イベントの幹事など、どんな場面でも構いません。自分が“確認される側”になる経験をしてみてください。
「丸投げの確認依頼って、本当に困るな」と実感できれば、上司の気持ちがわかり、確認依頼の質は確実に上がります。確認依頼の巧拙は、コミュニケーション能力ではなく“相手への配慮の量”で決まるのです。
----------
宮脇 啓輔(みやわき・けいすけ)
unname 代表取締役、マーケティングコンサルタント、日経COMEMOキーオピニオンリーダー
1991年3月生まれ。滋賀出身、立教大学卒。2014年、新卒でサイバーエージェント入社。社会人としてのスタンス、コミュニケーション力、基礎動作などのソフトスキルを習得し、Web広告運用コンサルタントとして月間1.5億円の運用実績をあげる。2017年、上場前のBASEに入社し、アプリマーケティングを担当。2018年、ペイミーにCMOとして参画し、BtoBマーケの立ち上げから、ビジネスチーム全体のマネジメントまで行う。2019年、unnameを創業。BtoB企業を中心に累計約50社のマーケティング支援を行う。現在は総合マーケティングカンパニーとして、支援業務以外に、研修事業、プロダクト事業などを展開している。社内Slackで情報発信をしていたところ、「外に発信しないともったいない」と言われ、Xとnoteで20~30代向けに発信を始める。その一つである“「頭の回転が速い」を科学する”がnote社主催の創作大賞2024入選。本書が初の著作となる。
----------
(unname 代表取締役、マーケティングコンサルタント、日経COMEMOキーオピニオンリーダー 宮脇 啓輔)

![[のどぬ~るぬれマスク] 【Amazon.co.jp限定】 【まとめ買い】 昼夜兼用立体 ハーブ&ユーカリの香り 3セット×4個(おまけ付き)](https://m.media-amazon.com/images/I/51Q-T7qhTGL._SL500_.jpg)
![[のどぬ~るぬれマスク] 【Amazon.co.jp限定】 【まとめ買い】 就寝立体タイプ 無香料 3セット×4個(おまけ付き)](https://m.media-amazon.com/images/I/51pV-1+GeGL._SL500_.jpg)







![NHKラジオ ラジオビジネス英語 2024年 9月号 [雑誌] (NHKテキスト)](https://m.media-amazon.com/images/I/51Ku32P5LhL._SL500_.jpg)
