※本稿は、藤田田『起業家のモノサシ』(KKベストセラーズ)の一部を再編集したものです。
■成績優秀でも中学校受験に落ちたワケ
私は小学校6年生を2回やった。といっても成績が悪くて落第したわけではない。成績が悪いどころか、常にクラスのトップで、いわせていただけば、弘法大師の再来か、とまでいわれたものである。
私は小学校を優秀な成績で卒業すると、6人の同級生と一緒に中学を受験した。もちろん、6人の中では私の成績がトップである。
ところが、ほかの5人は無事パスしたのに、私だけが入試に落ちた。
当時は学業優秀な自分だけがなぜ落ちたのか、フにおちず、狐につままれたような気持だったが、あとで聞いた話では、当時、私を教えていた小学校の先生が、こいつはこのまま伸ばしたら大変なことになる、ここらで一発くらわしておかなければならない、と思って、「藤田という生徒はカスだから、入学させないほうがいい」と、内申書に書いたのだそうである。
それで、みごとに落とされた。
遊んでいても仕方がない。そう思って、私は父親に、「もう1回、6年生をやらせてくれ」といい、父親は、それもいいだろう、といって、校長に頼みに行ってくれた。
■6年生を2回やって得たメリット
ところが、校長はいくら父親が懇願しても、「一度、卒業証書を渡した生徒にもう一度6年生をやらせるわけにはいかない」といって突っぱねる。
「健康を損ねて長期欠席をしたというのなら、6年を2回やってもかまいませんが……」そう父にいったそうである。不健康どころか体は健康そのものだし、頭のほうも弘法大師の再来か、ニュートンの生まれかわりかといわれるほどサエている。
結局、卒業した小学校はお百度踏んでもダメだということになり、別の小学校の6年生へ入れてもらい、翌年、今度はまぎれもなく優秀な成績で中学校へ進んだのである。
しかし、私は6年生を2回やったおかげで普通の人の倍の友人に恵まれた。中学校では同級生はもちろん友達だが、一級上の連中も友達である。友達の多いということが、それ以後の私に、どれだけ無形の財産となったかわからない。
落第も浪人も、一種の“ゆとり”である。そしてその“ゆとり”は、商売をする上でも金儲けをする上でも、大切な要素である。
■上司にゴマをすったって一銭も儲からない
日本人は社会でもチョコマカ動いていると、とかく働いているのだと勘違いしがちである。“動く”ということと“働く”ということは字を見ても違う。“働く”ほうにはニンベンがある。
会社では”動く”ことに価値はない。仕事をしてこそ、初めて社員としての価値が生まれてくる。
せっせと上役にお茶を入れてゴマをすったり、社長の前をパーッと走っていって、いかにも働いているように装っているヤツがいるが、そんな無駄な動きをみせても会社は一銭も儲からない。
じっとしていても、会社のためになることを考えているのなら、それはすでに働いていることになる。
私が会社へ出ると、「社長、おはようございます」と、わざわざいいに来るヤツがいるが、こういうのは働いているものとは見なさないことにしている。
■身分が上なら下のものをコキ使え
社長のところに大切な来客があると、よく、社長自身がお茶を入れてもてなす場面にお目にかかる。
日本人は、社長自身がお茶を入れたり、コーラを持ってくると、とたんに印象をよくするような、幼稚なところが多分にある。そして、それを日本人の“美徳”と考えたがるが、とんでもないことだ。
社長は「お茶を持って来い」と部下なり女のコに指示すればいい。それは決して身分の上のものが下のものをコキ使うという“差別”ではない。上のものが指示することこそ、金儲けのシステムなのだ。
有能なアメリカ人にいわせると、月給の高い人は動くな、である。
日本人は、社長たるもの、率先垂範して動かなくては、と考える風潮があるが、彼らは、動いてはダメだ、頭を働かせなくてはと考える。だから、外国では月給の高い人は絶対といっていいほど動かない。次から次へ手を動かして部下に指示を与えるだけだ。
ジェット時代、コンピューター時代には、身を粉にするよりは、頭を粉にしなければならない。
■小便はゆっくりとやったほうがいい
私にも日本人独特のセッカチなところがあって、以前はよくトイレからハンカチで手を拭きながら出て来て、それをアメリカ人に見とがめられたものである。
「デン、君はなぜ、トイレを急ぐのかね」
彼はそういって私に首をふってみせる。はじめは、私のエチケットのことを注意されているのだろうと思っていた。ところが、よく聞いてみるとそうではないのだ。
「体のことは自然にさからってはいけないよ」
彼らは口をそろえてそういう。
日本人がトイレでおシッコをするのを見ると、みんな力んで放水している。しかし、彼らは力まない。
「おチンチンもパイプだよ。パイプの口に水圧を加えて流せば、パイプが傷みやすい。自然に流すのにくらべると長持ちの度合いが違う。
自分の命のことを考えたら、急いで放水しちゃいけない。力んでおシッコする人は、器官をこわして早死にする可能性が高いから、危なくてそんな人を相手にして商売できないよ」
■トイレの仕方で人間がわかる
こう言われて、私はグウの音も出なかった。それ以後は、トイレで商談の相手と並ぶと、つとめて私はツイ立て越しにヒョイとのぞきこむことにしている。
何もサイズを気にしたり、ホモッ気があるからではない。どれだけ器官を大切にしているかを観察するためである。
これからの時代は、お見合いのときに血液検査証を交換するのもいいが、お互いにおシッコの音の聞きっこをして、いかに体を大切にしているかを推測し、成否の判定のデータにするのもいいのではあるまいか。
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藤田 田(ふじた・でん)
日本マクドナルド創業者
1926年大阪生まれ。旧制北野中学、松江高校を経て、1951年東大法学部を卒業。
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(日本マクドナルド創業者 藤田 田)

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