※本稿は、牧田善二『糖が脳を破壊する』(SB新書)の一部を再編集したものです。
■健康づくりの土台「体重計測」を毎日やる
これまで何度かふれてきたように、肥満の原因は糖質の過剰摂取です。太っている人は、日頃から糖質を摂り過ぎている可能性大で、それはすなわち「脳にダメージを与えている」と考えられます。
脳に限らず、肥満は全身の健康にとってもマイナスばかり。2016年に国際がん研究機関が発表した報告では、太ると慢性炎症が起きて、さまざまながんの発症リスクが上がることがわかっています。
さらに、肥満は動脈硬化を促進し、高血圧や脳卒中のリスクも上げます。つまり、血管性認知症やアルツハイマー型認知症にも罹りやすくなるわけで、脳にいいはずがないのです。
残念なことに、太っている人ほど自分の体重を計測することに後ろ向きです。しかし、体重計測は脳や全身の健康づくりにとって基本中の基本。今日からしっかり体重を量りましょう。
朝起きてトイレを済ませたら、血圧計測の前か後に体重計に乗りましょう。
私は、朝の体重計測の結果によって、その日に摂る糖質量を調整しています。もし増えていたらあまり糖質を摂らないように、減っていたら「今日はそばでも食べるか」というようにしているのです。
そのために、自分の「標準体重」を知ることも重要です。
■太りすぎも痩せすぎも脳にとって危険
よく用いられるBMIで言うと、「22」という数値が厚生労働省が推奨する標準体重にあたります。たとえば、身長172センチメートルなら約65キログラム、158センチメートルなら約55キログラムが標準体重となります。次のページの計算式でご自分の数値を出してみてください。
しかし実際には、これより太っている人が多いのが現状です。
BMIは基準であるにもかかわらず、大国アメリカは、それを手に都合よくいじって30以上を「肥満」としています。そこまで甘くしてもデブだらけになっているのがアメリカです。
とはいえ、最近では日本にもアメリカ人のような肥満者が増えています。私が見てきたケースでも、男性で100キロ、女性で80キロを超えるようになると、ダイエットは相当、難しくなります。
あなたも、せめてBMI22くらいに収めるようにしましょう。
日本人の場合、若い女性に限って痩せすぎの人が多く、これはこれで問題です。BMIが18.5以下になると、とくに女性で脳出血のリスクが高まります。
痩せすぎることで血管の内皮細胞が薄くなったり、コレステロール値が低くなったりして、血管が破れやすくなるものと考えられます。
つまり、太りすぎも痩せすぎも脳にとって危険なのです。
■食べたそばから血糖値を測定する
糖尿病の治療を受けていない人にとって、血糖値は年に一度の健康診断で測るものという認識のはずです。でも、本書をここまで読み進めてくれたなら、「それでは少なすぎるのではないか」と気づいてくれたことでしょう。
いや、たとえ糖尿病の治療で通院し、そのたびに医療機関で測っていたとしても、やはり足りません。
前に述べたように、血糖値計測で大事なのは、空腹時血糖値ではなく食後血糖値です。また、その食事内容によって、血糖値は大きく変わります。
だから、食事をするたびに計測すること、しかも「何を食べたら血糖値が上がるかわかる」ように計測することが本当は必要なのです。
はたして、そんなことが可能なのでしょうか。
最近は、血圧や体重と同様、血糖値の自己計測も容易になっています。いろいろな血糖値計測機器がありますが、私が患者さんにすすめ、私自身も愛用しているのが、アマゾンでも入手できる「リブレ」というものです。
リブレは厚生労働省の認可も取得している信頼のおける機器で、腕に張り付ける「センサー」と血糖値を読み取る「リーダー」からなり、絶えず変化している血糖値を感知・記録してくれます。
■血糖値スパイクを可視化する
リーダーは、アプリをインストールしたスマホでも代用でき、センサーは、約2週間、腕に張り付けたままで入浴も可能です。
脂身たっぷりの身厚なステーキを食べて、センサーにリーダーを近づけてみると、血糖値はほとんど上がっていないことがわかります。
一方、たった1個のメロンパンを食べて、センサーにリーダーを近づけてみると、あまりの上がり方にギョッとします。
このように、リブレを使えば、何を食べるとどのくらい血糖値が上がるのかを、はっきりあなた自身の目で確かめることができます。
血糖値スパイクが起きているその瞬間も、捉えることができるでしょう。
知らぬ間に血糖値スパイクを繰り返していれば、確実に脳と全身を劣化させます。リアルタイムで自分の血糖値を計測し、「これを食べるといけないのだ」ということがわかれば、そうした事態も防げます。
なお、長く血糖値管理が必要な糖尿病の患者さんの場合、センサーを買い足す人がほとんどですが、糖尿病でないなら、それも必要ありません。
1つのセンサーで2週間、いろいろなものを食べながら計測してみるだけでも、十分な気づきが得られます。
■食後すぐにスクワットを
脳を大事に考えるなら、無理のない範囲でいいから体を動かすこと。なかでも、筋トレはおすすめです。
筋トレをすることで全身の血流が良くなり、脳の血流量も増加します。血流量が多くなれば、それだけ酸素や栄養が運ばれ脳も活発に働きます。
また、「アイリシン(イリシン)」という骨格筋由来ホルモンが分泌され、アルツハイマー型認知症の予防に役立つことがわかっています。
さらに、筋トレによって、記憶を司る海馬に多く含まれ、神経細胞の働きを活発にしてくれるBDNF(脳由来神経栄養因子)という物質の分泌が促されます。それによって、脳の神経細胞が守られるだけでなく、新生もできます。筋トレは、脳の若返りに確実な効果があると考えられます。
加えて、食後すぐに運動することで血糖値の上昇が緩やかになることもわかっています。
血糖値の上昇を緩やかにすれば脳を守ることにつながるのは、これまで説明してきたとおりです。
ということは、食後すぐに筋トレすれば、まさに一石二鳥の効果を手にできます。
筋トレと言っても、たいそうなことをする必要はありません。運動を習慣にするために大事なのは、身近なものにしておくこと。「ついで感覚」でできるのが一番です。
私のおすすめはスクワット。食後すぐに、その場で10回のスクワットを3セットも行えば十分です。
あるいは、1回のスクワットに10秒ゆっくりかける「スロースクワット」を10回行ってもいいでしょう。いずれにしても、時間は2~3分しかかかりません。
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牧田 善二(まきた・ぜんじ)
AGE牧田クリニック院長
1979年、北海道大学医学部卒業。地域医療に従事した後、ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで、糖尿病合併症の原因として注目されているAGEの研究を約5年間行う。この間、血中AGEの測定法を世界で初めて開発し、「The New England Journal of Medicine」「Science」「THE LANCET」等のトップジャーナルにAGEに関する論文を筆頭著者として発表。1996年より北海道大学医学部講師、2000年より久留米大学医学部教授を歴任。
2003年より、糖尿病をはじめとする生活習慣病、肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開業。
著書に『医者が教える食事術 最強の教科書』(ダイヤモンド社)、『糖質オフのやせる作おき』(新星出版社)、『糖尿病専門医にまかせなさい』(文春文庫)、『日本人の9割が誤解している糖質制限』(ベスト新書)、『人間ドックの9割は間違い』(幻冬舎新書)他、多数。 雑誌、テレビにも出演多数。
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(AGE牧田クリニック院長 牧田 善二)

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