※本稿は、新井直之『なぜかいつも上手くいく人の休みの使い方』(あさ出版)の一部を再編集したものです。
■心地よい疲れ、心地よくない疲れ
疲れには大きく分けて2つの種類があります。
「心地よい疲れ」と「心地よくない疲れ」です。
たとえば、週末に仲間とゴルフをして疲れたとき、その疲れは「心地よい疲れ」といえます。体は疲れても気持ちは晴れやかで、翌日にはすっきりとリセットされ、またがんばろうという意欲がわくからです。
一方で、同じゴルフでも仕事の関係で行う接待ゴルフの場合、その疲れは「心地よくない疲れ」になります。
相手に気を使い、楽しむというより仕事の延長のようになってしまうため、疲れがとれず翌日に持ち越してしまうからです。
この違いは、行動そのものではなく、どんな気持ちで取り組んでいるかという意識の差にあります。つまり、自分から主体的に取り組んだのか、それとも他人に求められて仕方なく動いたのか。
その違いが、疲労の質を大きく左右するのです。
仕事でも、受け身で動く人ほど疲れやすい傾向があります。
上司にいわれたことをこなすだけ、取引先の指示に振り回される。
これらは、自分で主導権を持てず、いつも外からの要請に対応している状態です。
もちろん、仕事をきちんとこなすことは大切です。
中には、タスクを効率的に片づけるタイプの人もいますが、そうした人は一見疲れていないように見えても、突発的な業務が入ると一気にリズムが乱れ、精神的な余裕を失うこともあります。
つまり、上手く進んでいるときと、そうでないときの差が大きく、疲れを自分でコントロールできないのです。
■接客業から学ぶ「疲れをためない働き方」
では、どんな働き方をすれば、疲れをためずに済むのでしょうか。
その答えは、常に先を読んで動くことにあります。
仕事で成果を上げる人ほど、相手の動きを予測しています。
「この後に何を求められるか」「次にどんな作業が発生するか」を考え、先回りして対応しているのです。
飲食店の接客を思い浮かべるとわかりやすいでしょう。
できる店員は、お客様に呼ばれる前に動きます。
こうして先手を打つことで、自分のペースを保ちながら仕事を進めることができます。
主導権を自分で握れば、相手に振り回されることがなくなります。
結果として気持ちに余裕が生まれ、精神的にも疲れにくくなります。
仕事を終えたときには「やりきった」という達成感が残り、その日の疲れも「心地よい疲れ」に変わるのです。
疲れない働き方とは、受け身でがんばることではなく、自分から動くこと。
先を読んで、能動的に仕事を進めることです。
この2つを意識して行動できれば、精神的な負担が減り、体の疲れも驚くほど軽くなっていくでしょう。
■趣味に「挑戦」や「実益」を求めない
休日に没頭できる趣味があるというのは、心身を整えるうえでとても良いことです。趣味を楽しんだ人の表情には晴れやかさがあり、リフレッシュできたことが一目でわかります。
ところが、この「趣味」も目的を誤ると、かえって疲れやストレスをためてしまうことがあります。
よくあるのが、いきなり難しいことに挑戦するケースです。
たとえば、登山初心者が難易度の高い山を目指す、ジョギングを始めたばかりでフルマラソン完走を掲げる――こうした高い目標設定は、チャレンジ精神としては立派ですが、実力とのバランスが取れなければ続きません。
思い通りにいかない日が続けば、疲労感と挫折感が募り、結局は三日坊主で終わってしまう――。
これは、気晴らしがかえって負担になっている典型です。
一方で、趣味に「実益」を求める人もいます。
たとえば、ワインが好きで有料セミナーを開いたり、趣味仲間を集めて交流会を主催したりと、趣味をビジネスや人脈づくりにつなげようとするのです。
これは一見効率的ですが、「成果」が得られなければ徒労感が残ります。
私の知人にも、得意先との接待ゴルフを続けていた人がいましたが、期待した営業効果が得られないとわかると、「こんなことなら行かなきゃよかった」と疲れた表情を見せていました。
これでは、趣味がリフレッシュどころか義務の延長になってしまいます。
■いちばんの気晴らしは「確実な成果」
成果を出す人たちが、趣味に求めるものはとてもシンプルです。
彼らは、趣味に「達成感」だけを求めます。
難しい挑戦はせず、確実に成果が得られる活動を選ぶのです。
たとえば釣りなら、大物を狙うのではなく、比較的簡単に釣れるアジなどをターゲットにします。
ゴルフなら、知り合いのレッスンプロに同行してもらい、良いスコアを出すサポートを受ける。
こうして確実に成果を得ることで、達成感が得られ、それが何よりの気晴らしになるのです。
結果が出れば自然と気持ちも軽くなり、会話も弾みます。
「楽しかった」
「またやりたい」
と思える前向きな記憶だけが残るため、長く楽しむことができるのです。
だからこそ、難易度や実益にとらわれず、「気分が晴れるかどうか」を基準に選ぶのが最も健全です。
テニスや将棋など、勝ち負けがある趣味でも、上手に楽しむ人は、
「勝った」
「負けた」
ではなく、
「今日はいいラリーだった」
「初めてあの技ができた」
といった達成感を大切にしています。
その瞬間の充実感こそ、最高の気晴らしです。
結果に縛られず、できたことを喜ぶ人ほど、趣味が長続きし、気持ちも豊かになります。
■人生を豊かにする時間を持つ
映画や演劇は、日常から少し離れて心を解き放ち、感動や喜び、爽快感を得られる貴重なエンターテインメントです。趣味として楽しめるだけでなく、休日の過ごし方としてもリラックス効果が高く、心身を整える時間になります。
しかし、ただ「テレビで放送していたから」「動画配信で無料だから」と受け身の姿勢で楽しむだけでは、せっかくの映画・演劇体験がややもったいない時間になってしまいます。
目的意識を持たずに眺めているだけでは、作品から得られる刺激や学び、気分の切り替えも限定的になってしまうからです。
では、「映画館に行けばよい」「劇場に足を運べばよい」のかというと、それだけでは十分とはいえません。「話題になっているから」「賞を受賞したから」など、世の中の流れに合わせて作品を選んでいるだけでは、依然として受け身の鑑賞姿勢のままだからです。
もちろん、自分で作品を選び、劇場で鑑賞する行動自体は価値がありますが、「なぜその作品を観るのか」という意識が曖昧なままだと、体験は深まりません。
■目的を持って“本物”に触れる
映画や舞台を、より豊かな時間に変えるために重要なのは、鑑賞そのものに「目的意識」を持つことです。
「この作品からビジネスのヒントを得たい」「人生について考えるきっかけにしたい」「最高のリラックスを味わいたい」など、何を得たいのかを明確にして鑑賞に臨むことで、同じ作品でも受け取り方がまったく変わります。
作品を通して得たい学びや刺激を意図的に選び取ろうとする姿勢が、鑑賞体験をより深いものにしてくれます。
もう一つ大切なのが、「本物を見る」という視点です。
市民楽団の演奏会や地域の小さな劇場での舞台が悪いというわけではありません。
ただ、ブロードウェイのミュージカルや、ウィーンやパリの歴史ある劇場で演じられる演劇・オペラのように、厳しい審美眼にさらされ、徹底的に鍛えられた表現が集まる場所では、演者はもちろん、裏方、音楽、照明、舞台装置までが圧倒的な完成度で作り込まれています。
そこには、観る者の価値観を揺さぶり、人生観すら変える力があります。
■“本物”は明日への活力になる
充実した時間を過ごしたい、明日への活力を得たいと願うなら、目的を持って本物に触れることが大きな力になります。
本物の持つ迫力や緊張感、空気の張り詰め具合は、映像越しでは決して味わえません。
画面越しの鑑賞や、話題作だけを追いかける姿勢から一歩踏み出し、「自分が何を得たいのか」を意識し、「本場の空気」に触れることで、心は深く満たされ、明日を前向きに生きるためのエネルギーが生まれます。
映画・演劇は、単なる娯楽ではなく、自分を整え、人生を豊かにするための時間です。本物の舞台に触れ、目的を持って作品を選ぶことで、日常では得られない経験が心に刻まれます。
それが、最高の休み方であり、明日への活力となるのです。
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新井 直之(あらい・なおゆき)
執事、日本バトラー&コンシェルジュ代表取締役
明治大学 政治経済学部 卒業後、米国企業日本法人勤務を経て、日本バトラー&コンシェルジュを創業。自ら執事として大富豪・超富裕層など、国内外のVIPのお客様を担当する傍ら、企業創業家・資産家向け顧問サービス、企業向けにホスピタリティ・おもてなし・富裕層ビジネスに関する講演、研修を行なっている。著書にベストセラーとなった『執事だけが知っている世界の大富豪53のお金の哲学』(幻冬舎)、『執事のダンドリ手帳』(クロスメディア・パブリッシング)、『執事が教える至高のおもてなし』(きずな出版)など著作多数。著書は世界各国でも翻訳出版され、著者累計発行部数は50万部を超える。
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(執事、日本バトラー&コンシェルジュ代表取締役 新井 直之)

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