※本稿は、新井直之『なぜかいつも上手くいく人の休みの使い方』(あさ出版)の一部を再編集したものです。
■「真面目で勤勉な人」ほど休めていない
日本人には、どうも“休み下手”な人が多いようです。真面目で勤勉――それ自体は素晴らしい美徳ですが、裏を返せば「力の抜き方を知らない」ということかもしれません。
何事にも全力で取り組むあまり、上手に休む方法を身につけないままきてしまった――そんな風にも感じます。
私は現在、日本で執事サービスを提供する会社を経営し、自らも執事として活動しています。仕事柄、これまで、世界各国の富裕層や経営者の方々をはじめ、数多くの成功者と呼ばれるビジネスパーソンと関わってきました。
そのなかで、はっきりと感じたことがあります。
――多くの日本人は「休んでいるつもり」で、実は休めていない。それどころか、休みの日まで仕事を引きずり、リフレッシュどころか、かえって心身をすり減らしてしまっている人も少なくないようです。
本来、休みとは心と体の疲れを癒やし、コンディションを整え、次の行動の質を高めるための時間のはずです。働く人にとっては、「成果を上げるための準備期間」とも言い換えることができるでしょう。
■“月曜日がつらい”は休み方を見直すサイン
にもかかわらず「休日は寝て過ごすだけ」「休み明けなのに疲れが残る」「休んだはずなのに、気分がすっきりしない」こうした声をよく耳にします。これは、休み方そのものが誤っているサインといえます。
私がこれまで執事として仕えてきた富裕層の方々は、例外なく休み方が上手です。
彼らは、どうすればエネルギーを取り戻し、心と体のバランスを保ちながら、高いパフォーマンスを維持できるかをよく理解しています。だからこそ、多忙であっても疲れをためず、いつでも自然体で結果を出し続けているのです。
休み方の質を高めることは、働き方の質を変えることにつながります。休み方を知れば、心も体も驚くほど軽くなり、次の行動にすぐに移れるようになります。
「休んでも疲れが取れない」
「休日明けが憂うつ」
もしそんな悩みを抱えているなら、それは休み方を見直すサイン。いまの時代、長時間働くことは必ずしも美徳とはいえません。限られた時間の中で、いかに整え、いかに集中し、いかにパフォーマンスを発揮するか。そのカギを握るのが、“休み方”なのです。
■計画性のない人、心配性な人は要注意
月曜の朝、通勤電車に乗ると、疲れた表情をした人が目立ちます。
私の周囲にも、疲れが抜けないまま働いている人は少なくありません。休日返上で仕事をしたり、家族サービスで疲れたりと理由はさまざまですが、その背景には「性格的な特徴」も大きく関係しているように思います。
たとえば、計画性がなく、どこか能天気な人は、疲れをためやすい傾向にあるようです。「休みにまとめて作業すればいい」と軽く考え、休日を使って一気に仕事を片づけようとして、短期間で詰め込みすぎ、疲労が回復するどころか、さらに積み重なってしまいます。
一方で、心配性な人もまた、休んでも疲れが取れにくいタイプといえます。
「何か抜けていないか」
「トラブルが起きていないか」
と、常に気を張っており、出かけていても頭の中は仕事のことでいっぱい。せっかく休んでいるのに心が休まらないため、気づけば休日明けにはかえって消耗しているのです。
能天気な人も、心配性な人も、それぞれ性格の特徴であり、もちろんいいも悪いもありません。ただ、“休み方”という観点で見ると、どちらも理想的とはいえないのは事実です。気持ちを切り替えつつも安心して休める状態をつくるには、どうすればいいのでしょうか。
■成果を出す人は「綿密な準備」「冷静な想定」を行う
その点、成果を出し続ける人たちは驚くほど楽観的です。
彼らが楽観的でいられるのは、つねに綿密な準備と冷静な想定を行っているからです。
たとえば、重要な予定があるときには、最悪の事態まで見越して行動計画を立てます。急行を逃した場合、路線が不通になった場合、あるいはタクシーを使うべきか――といった細部まで想定するのです。
こうして可能な限りのリスクを先回りしてつぶしておくことで、不測の事態に直面しても慌てることがありません。
「不意のトラブルに対応するほど、エネルギーを使うことはない」と知っているからこそ、彼らは準備に手を抜かないのです。
月曜の朝に重要な会議やプレゼンがあれば、必要な資料や段取りは前週のうちに整えておきます。だから、休日は心から休むことができ、休み明けには最高の状態で臨めるのです。
彼らの楽観性は、何も根拠のない前向きさではありません。「起こりうることはすべて想定し、打てる手はすべて打ってある」という自信が支えています。いわば「人事を尽くして天命を待つ」姿勢です。
■軸は「他人のリズム」より「自分のリズム」
スピードが求められる、現代社会。早く決断し、すぐ行動し、短期間で成果を出す。そんな風潮が当たり前になっています。
しかし、そのスピードの中で多くの人は、疲れ切っているのではないでしょうか。焦りながら仕事を進め、休みの日にも心が休まらない。ペースを乱されたまま走り続けているのです。
一方で、長く成果を出し続けている人たちは、自分のペースをしっかりと保っています。急がず、慌てず、自分のテンポで仕事を進めます。決して怠けているわけではありません。むしろ、必要なときに最大限の集中力を発揮できるよう、日々のペースを意識的に整えているのです。
ペースを乱してしまう最大の原因となるのが、他人のリズムに合わせて、いつの間にか自分の呼吸を失ってしまうことです。
自分のペースを保てる人は、周囲の動きを見ながらも自分のリズムを軸にしています。
「今は動かない」
「今は一歩進む」
と、自分で選択をするのです。
■「ペース配分」が結果を左右する
仕事においては特に、ペース配分が結果を左右します。序盤から全力で走れば、すぐにスタミナを使い切ってしまう。逆に、あまりにもゆっくりでは流れに乗れない。だからこそ、ある程度は一定のリズムで、動き続けることが重要なのです。
マラソン選手が最後まで安定した走りを続けるように、自分の“心拍”を整えながら仕事を進める。これが持続的な成果を生む秘訣です。
自分のペースを保つことは「自分を大切にする」ことでもあります。無理を重ねて走り続けると、どこかで必ず反動がきます。体調を崩してしまったり、モチベーションが下がったりする。
一方で、自分のリズムを理解し、休むべきときに休む人は、心も体も長く持ちます。だからこそ、継続的に高いパフォーマンスを出せるのです。
過度に焦る必要はありません。他人のスピードに振り回されすぎず、自分のペースを保つこと。少し遅くても、確実に前へ進むこと。それこそが、結果を出し続ける人の共通点です。
■「忙しい」が口癖の人は“抱え込みすぎ”
「仕事が多すぎて休めない」と感じている人は、少なくないでしょう。しかし実際のところ、問題は仕事の量そのものではなく、「抱え込みすぎている」という点にあるのではないでしょうか。
「忙しい!」とこぼす人ほど、「頼むより自分でやったほうが早い」「他人にまかせると不安だ」と考え、結果として自分の時間を圧迫しがちです。抱え込めば抱え込むほど、心の中に“やり残し”は増え、これでは、いくら休んでも疲れは抜けず、いつも追われている感覚から逃れられないでしょう。
私が見てきた富裕層や経営者の多くは、驚くほど“手放す”のが上手です。
彼らは「人にまかせる」のではなく、「自分の役割を明確にする」ことを大切にしています。自分がやるべきことと、他人に託すべきことの線引きがはっきりしているのです。
たとえば、全体の方向性や方針を考えるのは自分の仕事、細かな実務や資料の作成はスタッフの仕事と割り切っています。すべてを抱え込まず、エネルギーを注ぐ場所を明確にしているからこそ、高い集中力を維持できるのです。
■タスクを任せれば、集中できるようになる
抱え込むクセがある人ほど、「自分がいないと回らない」と思い込みがちです。厳しいようですが、それは錯覚です。むしろ、その考え方こそがチームの成長を妨げ、自分自身を疲弊させる原因になります。まかせることは、怠けることではなく、信頼を育てる行為です。自分以外の誰かに役割を託すことで、チーム全体が自立し、仕事の質が安定していくのです。
タスクを他の人にまかせることで、自分の思考が整理され、より重要な判断に集中できるようになります。
これは、机の上を片づけるのと同じことです。散らかったままでは次の作業に取りかかれないからです。さらに手放すことは、状況の整理のみならず心の片づけにもつながります。
確かに、手放すという行為には勇気がいります。まかせた相手が失敗するかもしれない。思うように進まないかもしれない。
そうした不安があるのは当然のことですが、そこで苛立つままで終わらせてはいけません。自分の力のみで完璧を求め続ければ、いつか自分のキャパシティを超えてしまいます。
どうすれば次はスムーズにまかせられるかを考え、工夫を積み重ねることは、チームを成長させ自分の時間を取り戻すことにつながります。
■「他人にまかせて託す」ことから始める
ある経営者は、過労で倒れた経験をきっかけに、仕事のやり方を根本から見直しました。それまでは細部まで自分で確認しなければ気が済まず、結果的に休みを削ってまで働いていたそうです。
しかし、倒れたあとに「自分がいなくても回る仕組みをつくる」と決意し、権限を譲り、スタッフを信じるようにしました。すると、驚くべきことに、彼自身のパフォーマンスが上がるのはもちろん、組織全体のパフォーマンスも安定したといいます。「まかせることが、結果的に自分を守ることになるとは!」と、語っていたのが印象的でした。
「休む時間を増やしたい」と思ったとき、真っ先に考えるべきは“仕事を減らす”ことではありません。“抱え込まない”ことです。
すべてを自分の管理下に置こうとせず、他人にまかせて託す。それが、仕事と休みのバランスを整える第一歩になるのです。
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新井 直之(あらい・なおゆき)
執事、日本バトラー&コンシェルジュ代表取締役
明治大学 政治経済学部 卒業後、米国企業日本法人勤務を経て、日本バトラー&コンシェルジュを創業。自ら執事として大富豪・超富裕層など、国内外のVIPのお客様を担当する傍ら、企業創業家・資産家向け顧問サービス、企業向けにホスピタリティ・おもてなし・富裕層ビジネスに関する講演、研修を行なっている。著書にベストセラーとなった『執事だけが知っている世界の大富豪53のお金の哲学』(幻冬舎)、『執事のダンドリ手帳』(クロスメディア・パブリッシング)、『執事が教える至高のおもてなし』(きずな出版)など著作多数。著書は世界各国でも翻訳出版され、著者累計発行部数は50万部を超える。
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(執事、日本バトラー&コンシェルジュ代表取締役 新井 直之)

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