※本稿は、橘玲、大橋弘祐『難しいことはわかりませんが、1億円貯める方法を教えてください!』(文響社)の一部を再編集したものです。
■どの職場にも「モンスター社員」がいる
【大橋】日本の会社員は、専門性が磨かれず、できない仕事を割り当てられるので、うつ病になりすいってことですか……。
【橘】はい。しかしながら「フリーエージェント」という働き方なら、不向きな仕事をやらされずに済むだけでなく、いやな人間関係は自分の意思で切り捨てることができますから、精神的な負担は大きく減ります。
これは私の肌感覚ですが、職場には5%程度モンスターがいると思います。
フリーエージェント
会社などの組織に所属しない働き方。自分の仕事や一緒に働く相手、働く時間や場所を自分の責任で選ぶ。
【大橋】それはなんとなくわかります。うちの会社にもヤバイ上司がいますね……。
社員が作った資料を「あほかー‼」と空中に投げる管理職がいました。
【橘】会社員の大橋さんは、そのモンスター上司の直属の部下に配属されたら、それを耐えしのぐしかありません。
■離婚より「日々の通勤」のほうが幸福度↓
【橘】ところが、フリーエージェントになれば、上司はいませんし、いやな取引先だったら、仕事を受けなければいいだけです。煩わしい人間関係から解放されるのです。
わたしたちの悩みは、お金、健康、人間関係です。家族を選ぶことはできないとしても、仕事の人間関係を選択できるようになるだけで幸福度は劇的に上がるでしょう。
【大橋】パワハラにあって、会社を休んでいるという人は、僕のまわりでも何人か聞きますからね……。
でも、本当に会社を辞めたら、それはそれで競争が激しそうだし、職場に多少いやな人がいても、我慢して働いたほうがいいような気がします。
【橘】そうとも言えません。
幸福度の研究では、愛する家族を亡くしたり失恋や離婚で落ち込んだりするより、日々の通勤のほうが幸福度を下げるそうです。
どれほどつらい出来事でも「1回限り」であれば、いずれ幸福度は元に戻ります。
それに対し、「終わりの見えない嫌なこと」は、気持ちを切り替えることができないのです。
その証拠に、日本でも世界でも、自営業のほうが幸福度も高いという調査結果が出ています。
■会社の会議ほど無駄なものはない
【橘】また、フリーエージェントになれば、雑用仕事からも解放されるので自由な時間が増えます。その結果、やるべきことに集中できて専門性が身につけやすくなります。
【大橋】それはどういうことでしょう?
【橘】日本の企業では、部門間の「すり合わせ」によって業務が進められるため、会議に費やされる時間が多くなりがちです。資料作成や会議のための会議などにも時間を取られ、勤務時間の大半がこうした雑務に費やされてしまい、自分の仕事をこなすために勤務時間外に残業をするか、あるいは休日に自宅で対応せざるを得ない人も少なくありません。
【大橋】たしかに、会議の参加者の予定を合わせるだけで半日かかることもあります。
あと、4時間くらいの会議もあったりします。
【橘】それにもかかわらず、「会議ばかりで自由な時間が全然ないんですよ」とぼやくサラリーマンの表情は、どこか誇らしげです。
それは、予定で埋め尽くされたスケジュールが、「自分はこんなにも必要とされている」という安心感を与えてくれるからではないでしょうか。
【大橋】たしかに無駄な会議でも、それが終わると、少しだけ達成感のようなものを感じるんですよね……。
■橘玲が年間100日以上、海外旅行に行けるワケ
【橘】とはいえ、いくら会社の会議に出ても専門性は磨かれません。
そこでもし、大橋さんがフリーエージェントになり、無駄な会議や雑用仕事から解放され、自由になった時間をすべて専門性を高めることに投入したらどうでしょう。
仮にライバルが大橋さんより優秀だとしても、何年か経つうちに、つぎ込む時間が全く違うので、相手は大橋さんの専門知識に太刀打ちできなくなってしまうのではないでしょうか。
【大橋】ああ、なるほど。
フリーエージェントになって、会社で雑用に使っていた時間を、スキルアップに使えば、専門性が磨かれて、報酬も上がるということですね。
【橘】そうです。私は独立してから、1年の3分の1を海外旅行に行っていました。
「なぜそんなことができるのか?」
とよく聞かれましたが、通勤と会議で無駄にしていた時間を合計すると、サラリーマン時代と同じくらい働いても、3カ月の「休暇」が取れるのです。
【大橋】通勤とか、無駄な会議とか、飲み会とか、何も生産していない時間をなくすことができれば、仕事時間の3分の1も自由な時間が増えるってことですか……。
逆に言うとかなりの時間を無駄にしてるってことですね……。
【橘】そうです。フリーエージェントになれば、その時間で、専門性が磨けるということです(図表1)。
■老後の不安が一気に解決する方法とは
【橘】フリーエージェントになれば、そもそも1億円も貯める必要がなくなります。
【大橋】どうしてでしょう?
【橘】多くの人の願いは、老後もお金の心配をせずに生活していくことかと思いますが、フリーエージェント戦略なら老後の年金問題が解決するからです。
【大橋】老後の年金問題って、ちょっと前に2000万円かかるって政府が試算して、騒ぎになったやつですよね……?
※金融庁の報告書では、「無職の高齢者世帯は年金だけでは2000万円不足する」と述べて社会問題になり、報告書が撤回されました。
【橘】はい。フリーエージェントなら60歳で会社を定年退職する必要はなく、何歳まででも働けますからね。
【大橋】それって、60歳以降も働くってことですか……。そんな働きたくないですよ。
【橘】医療の高度化によって、私たちは100歳まで生きる可能性があります。
働きたくないからといって、60歳で定年退職をしたら、40年もの間、それまで貯めた資産と年金だけで暮らさないといけません。
■老後資金は5000万円必要という試算
【橘】そのため、ファイナンシャルプランナーなど一部の人たちは「安心して老後を過ごすためには、60歳で退職する時点で、持ち家と5000万円の金融資産が必要」というふうに言っています。
【大橋】5000万も必要なんですか……。ファイナンシャルプランナーが金融商品を売るために煽ってるだけなんじゃないんですか……。
【橘】いえ、この試算は、それほど間違ってないと思います。
というのも、人生100年を前提にするならば、60歳からの「老後」は40年、夫婦2人なら計80年です。5000万円を80年で割れば、1人当たりわずか年62万5000円、1カ月当たり5万2000円にしかなりません。
金融資産5000万円というと富裕層をイメージするかもしれませんが、年金にこれを加えたお金で長い老後を生きていかなくてはならないとしたら、余裕はありません。
■欧米諸国では「長く働く」が人生設計の前提に
【大橋】でも……、本当にそんなに長生きしますかね。
【橘】平均寿命というのはゼロ歳からの平均ですから、若いときに亡くなった人たちがそれを押し下げます。
日本人の平均寿命は男が81歳、女が87歳ですが、60歳まで生きると、平均寿命は男が84歳、女が89歳です。70歳、80歳まで生きれば、余命はさらに延びます。そう考えれば、大橋さんが100歳まで生きる可能性は十分にあります。
90代になって貯金が枯渇し、おまけに年金制度が破綻したら、いったいどうやって生きていけばいいのでしょうか。これが超高齢社会を生きる日本人の根源的な不安です。
【大橋】考えたくもないですね……。
年齢別の平均寿命
・60歳まで生きた人 男性:約83.7歳 女性:約88.6歳
・70歳まで生きた人 男性:約85.7歳 女性:約90.0歳
・80歳まで生きた人 男性:約88.9歳 女性:約91.8歳
※平均なのでこれ以上長く生きる可能性も十分ある
※出典:厚生労働省「令和5年簡易生命表」
【橘】これにはシンプルな解決方法があります。それがフリーエージェントになって定年後も働くことなのです。
60歳の定年後も、専門性を活かして年収300万円の仕事があるとすれば、70歳までの10年で3000万円、80歳まで20年働けば6000万円も生涯収入が増えます。
老後問題というのは「老後が長すぎる」という問題なのですから、生涯現役なら「問題」そのものがなくなってしまいます。
実際、定年のないアメリカやイギリスをはじめとして、欧米諸国ではすでに「長く働く」ことが人生設計の前提になってきています。
【大橋】年収が少なくても、働き続けることが大切ってことですか……。
【橘】はい。そういうことです。
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橘 玲(たちばな・あきら)
作家
1959年生まれ。早稲田大学卒業。2002年、国際金融小説『マネーロンダリング』でデビュー。同年、「新世紀の資本論」と評された『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部を超えるベストセラーに。05年の『永遠の旅行者』が第19回山本周五郎賞候補に。『言ってはいけない 残酷すぎる真実』で2017新書大賞受賞。著書に『「読まなくてもいい本」の読書案内』(ちくま文庫)、『テクノ・リバタリアン 世界を変える唯一の思想』(文春新書)、『スピリチュアルズ 「わたし」の謎』(幻冬舎文庫)、『DD(どっちもどっち)論 「解決できない問題」には理由がある』(集英社)など多数。
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大橋 弘祐(おおはし・こうすけ)
作家・編集者
立教大学理学部卒業後、大手通信会社の広報、マーケティング職を経て現職に転身。初小説『サバイバル・ウェディング』(文響社)が日本テレビの地上波ゴールデンタイムでテレビドラマ化。『難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』(文響社、山崎元との共著)など「難しいことはわかりませんがシリーズ」が70万部を超えるベストセラーになる。『漫画 バビロン大富豪の教え』の企画・脚本も手掛ける。
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(作家 橘 玲、作家・編集者 大橋 弘祐)

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