■トランプとバイデンの決定的な違い
【渡瀬】ロシアとプーチン大統領について、どう思いますか?
【フライツ】「プーチンは独裁者で戦争犯罪者だ」と一般のアメリカ人はいえますが、大統領はそんなことはいえません。冷戦時代と同様に、アメリカ大統領はロシアの指導者との実務的な関係を維持しなければなりません。
トランプ大統領は、この個人的な関係がウクライナ戦争終結に役立つと考え、プーチンとの良好な実務関係を築こうと試みてきたのです。
トランプは、プーチンをただ非難するだけで対話への意思を示さないことを有益だとは決して思っていないのです。対照的に、バイデン大統領はウクライナ戦争についてプーチンと話し合うことにまったく関心を示しませんでした。バイデンはしばしばプーチンを戦争犯罪者と呼び、ハマスに例えたこともあります。
トランプのプーチンへのアプローチの究極的な目的は、ウクライナ戦争を超えて、5年後、10年後、20年後のロシアに対するアメリカの政策をどうするかを考えることにある、と私は考えます。その政策でロシアを欧州に組み入れ、良き一員として位置づけるよう導くことが望ましい。
■ロシアのアジア化が危険なワケ
ロシアはアジアの大国ではありません。ロシアは欧州の大国です。ロシアがアジアに広大な領土を持っていることは承知していますが、歴史的に見て、大多数のロシア人は自らをヨーロッパの一員と認識してきました。
なぜなら、ロシアと中国の新たな軸は、世界的な安全保障に対して信じがたいほど危険な脅威をもたらすからです。
したがって、トランプの政策は単にウクライナでの戦争を終結させるだけでなく、ロシアと中国の軸を終わらせ、ロシアを再びヨーロッパと西側諸国に、良好な関係にある国家として復帰させることにあると私は考えています。
■まとまりに欠ける新興国
【渡瀬】BRICS、特にインドの役割についてどう思われますか?
【フライツ】インドはBRICS諸国から距離を置き始めていて、脱ドル化やBRICS通貨の導入を否定し、中国の主導権に傾くことを避けようとしています。
BRICSグループには、さらに悪い知らせがありました。2025年7月にブラジルで開催されたサミットに、中国の習近平国家主席が初めて出席しなかったのです。これは、BRICSグループにとって重大な後退だと思います。
BRICSのコンセプトは当初からよい案ではありませんでした。中国の通貨を基にした新たな準備通貨に基づく代替経済システムを構築する、というものです。これは夢物語にすぎません。
さらに悪いことに、トランプはBRICS加盟国に対して制裁と関税を課そうとしています。BRICSはすでに衰退傾向にありましたが、トランプはそれでも追い打ちをかけるつもりです。
■あえて危ない橋を渡ったトランプの覚悟
【渡瀬】インドは西側や自由世界の味方だと考えますか。
【フライツ】インドはますます強力なアメリカの同盟国になりつつあります。トランプとモディ首相は良好な関係を築いています。これが、インドがBRICS協定から距離を置き始めた理由の一つかもしれません。非常に有望な状況です。
インドは中国と非常に複雑な関係にあり、トランプはこの点を活用しようとしています。トランプとモディの関係は、米印関係だけでなく、グローバルな安全保障にとっても大変前向きな兆候です。
残念ながら、2025年8月にトランプ大統領がインドがロシア産原油を購入しているために50%の関税を課したことで、米印関係に問題が生じました。米国がこうした制裁を発動したのは、インドのロシアからの原油購入が米国のウクライナ戦争関連制裁に違反したためです。多くの専門家は、トランプがこうした制裁を発動することでモディとの良好な関係を危険に晒すことに驚きました。
しかしこの決定は、トランプがウクライナでの殺戮を終わらせるための確固とした決意を示しました。トランプのインド関税決定はプーチンの注意を引いたようで、このひどい戦争の停戦合意を迫る圧力となることが期待されます。
■イランが核兵器を作っていると断言する理由
【渡瀬】トランプ政権のイランに対する政策をどう評価しますか?
【フライツ】トランプ大統領は、イランが核兵器を保有することは決して許さないと明確に表明し、イランに核兵器プログラムの終了を交渉するための60日間の猶予を与えました。これには核兵器プログラムの一部である濃縮プログラムも含まれます。イランが交渉を遅らせ、誠意ある交渉を拒んだため、トランプはイランを攻撃しました。
ウラン235を60%まで濃縮する国が、核兵器製造を計画していないはずがありません。イランが「これは平和利用を目的とする原子炉だ」と主張するのはナンセンスです。多くのグローバル主義者や欧州諸国がそのような主張をしていますが、トランプはそれを信じていませんでした。
トランプ大統領は、イランに核兵器計画を終了させる合意を交渉する機会を与えました。やむをえない場合を除き、軍事力を行使したくなかったからです。しかし、イラン側は誠意を持って交渉することを拒否しました。彼らは時間稼ぎをし、遅延を図りました。この大統領も他の大統領と同様に何の対応も取らないだろう、と思ったのです。
■トランプのイラン攻撃が持つ意味
【フライツ】イランはトランプ大統領の最後通告を無視しても何の報いもないと考えましたが、間違っていました。
トランプはイランとの交渉を再開する用意がありますし、私はイランがそれを受け入れることを望んでいます。しかしこの過激派イスラム国家は結局、核兵器保有の野望を放棄しないのではないか、というのが私の懸念です。ですから、これは解決不能な地球規模の安全保障上の脅威であり、管理せざるをえません。
イスラエルと米国はこの脅威を注視し続け、イランが再び核兵器製造を目的とした施設建設を開始した場合、さらなる軍事行動を取る必要があるかもしれません。
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フレッド・フライツ
アメリカ・ファースト政策研究所(AFPI)副所長
中央情報局(CIA)、国防情報局(DIA)、国務省、米下院諜報特別委員を経て現職。
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渡瀬 裕哉(わたせ・ゆうや)
早稲田大学公共政策研究所 招聘研究員
パシフィック・アライアンス総研所長。1981年東京都生まれ。早稲田大学大学院公共経営研究科修了。機関投資家・ヘッジファンド等のプロフェッショナルな投資家向けの米国政治の講師として活躍。創業メンバーとして立ち上げたIT企業が一部上場企業にM&Aされてグループ会社取締役として従事。著書に『メディアが絶対に知らない2020年の米国と日本』(PHP新書)、『なぜ、成熟した民主主義は分断を生み出すのか アメリカから世界に拡散する格差と分断の構図』(すばる舎)などがある。
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(アメリカ・ファースト政策研究所(AFPI)副所長 フレッド・フライツ、早稲田大学公共政策研究所 招聘研究員 渡瀬 裕哉)

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