※本稿は、風呂内亜矢『9割が知らずに損してる! スマホ決済「超」入門』(青春新書インテリジェンス)の一部を再編集したものです。
■使う決済の種類は、少ないほどいい
拙著『9割が知らずに損してる! スマホ決済「超」入門』では、還元率にこだわらないことや、どれか1つだけを試してみることをおすすめしました。基本的にその方針は変わらず、決済手段は増やさず、できるだけ少ない種類・グループの支払い方法に集約できたほうが好ましいといえます。
例えば、特定の店舗での還元率が5%であるものの、その他の店舗での還元率は0.5%であるカードAと、どこで使っても還元率が1%のカードBがあったとします。普段はカードBを使い、還元率が5%になる対象店舗でだけカードAを使うと、還元率がもっとも高くなる組み合わせになります。
しかしこの場合、たまに利用するカードAにたまった少額のポイントを使い切るために、予定していなかった買い物をしてしまうリスクが生まれます。また、カードAとカードBの引き落としタイミングが異なり、現在の自分の支出額全体が把握できなくなってしまうといった恐れもあります。
■最大の還元より「1つに絞る」を優先する
年間200万円を使う人を想定した場合、カードBを利用すると年間で還元されるポイントは2万円相当。カードAを利用する場合、対象店舗以外の買い物ばかりだと年間1万円相当の還元ですが、対象店舗でのお買い物が年間25万円でその他のお買い物が175万円の場合、年間の還元額は2万1250円(25万円×5%+175万円×0.5%)相当となります。このケースだと、対象店舗でのお買い物が年間25万円以上になるのであればカードA、そうでなければカードBに統一していくことなどが、1つの判断基準になります。
基本的にはこのように最大の還元を受ける組み合わせを考えて使うのではなく、どれか1つに絞ることを優先し、その場合、どちらに絞ると還元が多くなるのか、という指針で選定していきます。
ただ、特定の用途の時だけ利用する、サブの決済方法は保有してもよいでしょう。日常生活では使わないことで、自身の支出の総額がわかりにくくなることは避け、特定の用途の際だけ割引を受けるなどの恩恵を享受するケースもあります。また、海外へ出かける際の保険的な意味合いで、国際ブランドの異なるカードを所有するなどもあってよいと思います。
■自分に合ったスマホ決済を選ぶには
決済の種類を増やさないという視点だと、コード決済が使いやすいと感じたか、かざす決済が使いやすいと感じたかで、その他の決済手段の選び方が変わってくる可能性があります。
コード決済が使いやすいと感じた場合は、そのコード決済と相性がよいカード(クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード)をサブで利用することを検討します。PayPayを使う人は日常のお買い物はPayPayを利用し、保険料や通信料、光熱費などはPayPayカード(クレジットカード)を使うことで、たまるポイントをPayPayポイントに統一できる、といったイメージです。
かざす決済が使いやすいと感じた場合は、今までクレジットカードを使っていたシーンがスマホに置き換わっただけなので、シンプルにスマホだけで済ませられるシーンが増えたことにメリットを感じるかと思います。メインとして使うカードが今のカードのままでいいか、ためたいポイントによってカードを変えるか、複数使っている場合にうまく集約していくことはできないか、といった考え方は、通常のカードを選定する時と同じ考え方になります。
■スーパーの電子マネーで「予算管理」
日常のスーパーを基準に、使う電子マネーやスマホ決済を選定する視点もあります。イオンをよく使う人はWAON、イトーヨーカドーをよく使う人はnanacoを使って毎月の食費の予算管理を行うイメージです。現金で1カ月の食費を1週間ずつの金額に封筒で分けて、予算管理をするご家庭もあるかもしれません。その封筒の代わりにWAONやnanacoを使うイメージです。
代表的な共通ポイントはPayPayポイント、dポイント、Pontaポイント、楽天ポイント、Vポイント、銀行系ポイントとしてグローバルポイント(エムットポイント)などが挙げられます。流通系の電子マネーとしてはWAONやnanacoが候補になります。
これらのポイントプログラムや電子マネーのうち、我が家の決済を統合しやすいのはどれなのかを考えます。
スーパー、ネットショッピング、通信料金など、ひと月に一番お金を使っているところと相性がよい決済手段に集約していくという観点と、どれか1つしか使わないとした場合に自分の生活においてカバー範囲が広い決済手段はどれなのかという観点で整理していくイメージです。
■還元される「ポイント」を負担しているのは誰?
ところで、キャッシュレス決済を利用して得られるポイントは、いったいどこからやってくるのでしょうか。
これは、店舗がカード会社に支払う手数料などが原資となっています。店舗としてはキャッシュレスで支払う人と現金で支払う人の割合や、支払うことになる決済システムの手数料を加味して、商品・サービスの価格を決める部分もあるでしょう。つまり現金で支払っている人は、キャッシュレス決済で支払っている人の手数料や還元されるポイントなどの分も按分して負担しているという側面があります。
まず、店舗が支払う手数料は、帳簿管理などの手間が省けたり、その決済手段を導入することでお客さんの人数が増えたりするのか、によって価値が変わります。決済システムを構築・維持することにも人は動き、コストはかかります。システムを利用するための費用と、利用することによる効果で、その意義を捉えることになりそうです。
もし、按分で間接的に決済手数料を支払っていた現金派の顧客もキャッシュレス決済で支払うようになり、全員の販売に決済手数料がかかるようになった場合、店舗としては、商品やサービスの値段を上げることになるかもしれません。つまり、みんながキャッシュレス派になると商品やサービスの値段が上がる可能性があるということです。
■手数料を払う側から「恩恵を受ける側」へ
一方で、会計処理が効率化できたことで削減できた人件費や、現金管理のセキュリティーにかかっていたコストなどが軽減され、商品やサービスの価格を維持できる可能性もあります。一般的には、現金を扱うことにもコストがかかるといわれています。ということは、みんながキャッシュレス派になることでコストが下がる側面もあるということです。
ちなみに、クレジットカードの3回以上の分割払いで発生する手数料や、リボ払いで加算される手数料も、ポイント還元の原資になっているといえます。つまり、もったいない使い方をしている人の支払った手数料が、上手に使った人が得るポイントにつながっているという構図があるわけです。逆にいうと全員が上手に使えるようになると、ポイント還元のお得の度合いは少なくなっていく可能性があります。
個人が支払う分割払いやリボ払いの手数料としては、支払いペースをならす効果や、支払いを遅らせるというサービスを受けているため、その対価として支払っているという位置付けになります。
海外でキャッシングを利用して帰国後にすぐ返済する場合、現金で外貨を両替することなどに比べて手数料が抑えられるケースもあり、こうした使い方であれば、個人が手数料を支払う意義もあるかもしれません。
いずれにしても手数料を支払う側になる時には、その金額と引き換えに得られる恩恵を把握して、納得できるものなのかを考えたいところです。個人消費者の基本方針としては、手数料を支払う側になるより、ポイントなどの恩恵を受ける、「相対的に得をしている側」を目指したいですね。
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風呂内 亜矢(ふろうち・あや)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者
企業勤務の際にマンション購入やお金の勉強を始め、その後不動産会社に転職。2013年にファイナンシャル・プランナーとして独立し、各媒体で活躍中。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者。『やってはいけない「ひとりマンション」の買い方』『マンガでカンタン!NISA・iDeCoは7日間でわかります。』など著書も多数。
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(1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者 風呂内 亜矢)

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