お金が貯まらない人の特徴は何か。金融教育活動家の横川楓さんは「散財には『良い散財』と『悪い散財』がある。
例えば、Amazonセールで『安い』と思わず買ってしまうのは、『悪い散財』だ。20%引きの表記がされていても、実は安くなっていないことがある」という――。
※本稿は、横川楓『散財さんのお金の増やし方』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
■「良い散財」と「悪い散財」の違い
「お金をしっかり使いつつ、貯める」。
これを実現するためには、“ムダ”なお金を使わないことが肝心です。
私自身、好きなことにたくさんお金を使う人間として、さまざまなものにめちゃくちゃお金を使ってきました。推し活や旅行、洋服など、これまでに使ったお金をすべて貯金に回していたら……けっこうな額になったと思います。
はたから見れば、私のことを「そんなものにお金を使わなければ、もっとお金が貯まるのに」と感じるかもしれません。
ですが私にとっては必要経費なので、決して“ムダ”ではありません。むしろこれは、私を元気づけ、社会を元気づける「良い散財」と言っていいと思います。自分が心から満足し、明日への活力になるのであれば、それは立派な投資だからです。
一方で、本当に使わなくてもいいものにお金を費やすこと、これは「悪い散財」です。

「ストレス発散のために買ったけど、一度も使っていない」「安いから買ったけど、すぐに壊れてしまった」……そんな経験は誰しもあるはずです。
「散財」にはそもそも「ムダに金銭を費やす」という意味もありますが、「はたから見るとムダに見えても、自分にとってはムダじゃない」ことが世の中にはたくさんあるので、ここでは「良い散財」と「悪い散財」にわけて考えたいと思います。目指すべきは「良い散財さん」で、「悪い散財さん」にならないようにします。
■どのタイプ? 「散財さん度」診断
それでは、良い散財と悪い散財にはどのような違いがあるかを知るために、まずは、次の「悪い散財さん診断」を確認してほしいと思います。
「いくつ以上当てはまると『悪い散財さんです!』」とはっきりと言えるものではありません。
ただ、一つでも当てはまるものがあるようであれば、「悪い散財さん」あるいは「悪い散財さん予備軍」と言っていいでしょう。
「これ、私のことかも……」と思い当たる節があれば、そこがあなたの「お金の落とし穴」になっている可能性があります。
「え、Amazonセールで買うのはお得じゃないの?」

「送料無料も駄目?」
と思った人もいるかもしれません。本稿では代表的な3項目について解説していきましょう。
■「なんとなく」で出すお金は安くない
気づけば「カフェ」に立ち寄る
最初に言っておくと、
「私はカフェで過ごす時間が大好き」

「あのカフェのあの雰囲気が好きすぎる」
などの理由があるのであれば、それは「良い散財」です。
また、歩き回って本当に疲れたときや、隙間時間ができたときに「家に帰るよりカフェに入ったほうが安いし、時間も効率的に活用できる」といった状況なのであれば、これも問題ありません。
たとえば、ドトールのブレンドコーヒーはMサイズで300円以上。
その休息にコーヒーの値段以上の価値があるのなら、全然カフェを利用して問題ないのです。
ここでのポイントは「つい」です。そんなこだわりもないのに「いつも行っているから、つい」「カフェで仕事をしているとなんとなくおしゃれな気がするから、つい」といった理由でカフェに行くのはかなりもったいないです。
だって、スーパーでコーヒーを買えば、500ミリリットルのペットボトルで100円とかですからね!
それが、スタバに行って「あ、この期間限定のフラペチーノ飲んでみたい」と思ったら約700円。さらにフードも追加すれば、あっという間に1000円を超えてしまいます。
「なんとなく」で出すお金としては、安いとは言えません。
また、「MサイズよりLサイズのほうがお得」と言って大きめのサイズを頼む人もいますが、これも悪手です。
確かにLサイズのほうがお得かもしれませんが、Mサイズよりは絶対に高いですよね。
本当に自分に必要な量を、ぜひよく考えてみてほしいと思います。もし「自分はMサイズで十分だな」と思うのであれば、どれだけ割安でもLサイズを選ぶことはムダな出費です。
■普段から本当に欲しいものを決めておく
「Amazonセール」で不要なものまで買う
Amazonでは、定期的にセールが開かれています。
とくに大々的に行われているのが、プライム会員を対象としたプライムデーや、11月に開催されるブラックフライデー。
このときにAmazonを覗いてみると、「20%引き」などの言葉が並んでいて、かなり購買意欲をかき立てられます。
でも、「安いから」と言ってカートに入れてしまい、到着してから「別に買わなくてもよかったな……」と思った経験がある人も少なくありません。
また実は、「20%引きの表記がされていても、実は安くなっていない」ことがあるのです。
どういうことかと言えば、セールの直前に商品価格を値上げするのです。そして、「20%引き」と大々的に宣伝して、セールの前とまったく同じ値段で売るのです。もちろん良心的な業者はこんなことはしませんが、このような悪どい商法を実践する業者もあとを絶ちません。
私も含めて、人は「SALE」「割引」「お得」といった言葉に弱いものです。
Amazonのセールでのムダな買い物を避けるためには、まずは普段から本当に欲しいものを決めておくこと。
そしてセールになったときに「本当に安くなっているか」を確認してみてください。実はほかの通販サイトのほうが安いこともよくあります。買う前に、いくつかのサイトを確認してからでも、遅くはないと思います。
「安い!」と思って思わず買いそうになったとしても、ワンクリックで注文を確定するのではなく、いったんカートに入れ、買う前に「これって本当に必要だっけ?」と確認してほしいと思います。

■300円×週2回は1年で3万円の出費に
「ついで買い」をしてしまう
コンビニに行って、ついレジ横に置かれている商品を手に取ってしまった経験、ありませんか?
確かに一回一回は数百円の出費だから、そんなに痛くはないかもしれません。
けれど、たとえば毎日のようにコンビニに行く人が、300円のついで買いを週2回行っていたら……。4週間で2400円、1年で3万円ほどの出費です。
「本当に欲しいものじゃなかった」ものへの出費のために1年で3万円使ってしまうのは、ちょっともったいないですよね。基本的には、「これが欲しい!」と思ったものだけを買うようにしましょう。
どうでしたか?
自分に当てはまるものはありましたか?
ただし当てはまるものがあったとしても、それはこれから改善していける余地が大きいということ。今よりもっとお金を貯められる可能性が高いということなので、ぜひポジティブに考えてみてください!

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横川 楓(よこかわ・かえで)

金融教育活動家

1990年生まれ。経営学修士(MBA)、ファイナンシャルプランナー(AFP)などを取得し、「やさしいお金の専門家/金融教育活動家」として活動。「誰よりも等身大の目線でわかりやすく」をモットーにお金の知識を啓蒙、金融教育の普及に取り組んでいる。日本金融教育推進協会代表理事。著書に『ミレニアル世代のお金のリアル』(フォレスト出版)。

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(金融教育活動家 横川 楓)
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