※本稿は、牧田善二『すごく使える栄養学テクニック』(日本実業出版)の一部を再編集したものです。
■健康のために牛乳を飲む必要はない
子どもの頃、給食などで飲んできたことから「牛乳は体に良い」と思い込んでいないでしょうか?
私は牛乳をおすすめしません。「牛乳は健康に良い」と思う人が多い一方で、前立腺がんとの関わりなど、牛乳に関するネガティブな指摘も根強くあるからです。そこで、牛乳の代わりに豆乳を飲むことを検討してみてください。豆乳は私も愛飲しています。
骨や体の成長に必要なカルシウムなどの栄養素が豊富なので、育ち盛りの子どもが牛乳を飲むことに異論を唱えるつもりはありません。ただし、大人になってまで「健康のため」に飲む必要はないということです。
それよりも大人に見直してほしいのは、同じ牛の話でいうと、肉類の選び方です。
皆さんは、肉類をどんな基準で選んでいますか?
脂ののり方や赤身の赤さなど「おいしそう」と感じるモノサシは人それぞれで良いのですが、共通していえるのは「ドリップに注意」ということです。
ドリップは、時間が経過すると肉から出てくる赤い汁のことです。赤いけれど血ではなく、タンパク質や旨味成分が含まれています。
■牛・鶏・豚は「飼育環境」で選ぶ
また、肉類は、育てられた環境を重視したほうがいいでしょう。
たとえば牛肉の場合、日本ではたいてい「グレインフェッド(穀物飼育)」という方法で育てられています。牛は狭い畜舎につながれ、輸入とうもろこしなどの穀物を与えられて育ちます。そのエサは遺伝子組み換え作物である可能性があり、そもそも安全なのかという懸念が払拭できません。
さらには、畜舎に閉じ込められていることで感染症に罹りやすいため、多くの牛が抗生物質を与えられて育ちます。そうした影響が、牛肉や牛乳に出ないとは言い切れません。
そこで、今、注目されているのが「グラスフェッド(牧草飼育)」と呼ばれる方法で育てられた肉類です。この飼育法では、牛は放牧され、牧草を自由に食べてストレスなく育ちます。
私自身、できる限りグラスフェッドの牛肉や乳製品を選んでいます。注意点があるとすれば、オーガニック食材を扱う店やデパ地下などに足を運ばないと、なかなか入手できないことです。
牛に限らず、鶏肉や卵も、ギュウギュウの鶏舎に押し込まれたブロイラー(短期間で出荷できるように、成長を促す方法で飼育された鶏)ではなく、平飼いされている鶏を選ぶことをすすめます。
そのほかの肉も、基本的な考え方は同じです。
今は、豚肉も「アグー豚」「TOKYO X」など、ブランド名がつくものが増えました。
ブランド肉は、飼育環境についても積極的に公表しているケースが多くあります。飼育環境を調べたうえで納得して買うようにすると良いでしょう。
■本当に頭が良くなる魚の食べ方
「魚を食べると頭が良くなる」は歌で有名になった言説かもしれませんが、事実だといえます。
頭が良くなるため、また、健康のためには、魚だけでなく貝も積極的に食べることをおすすめします。ここでは、そうした魚貝類のうれしい効果と、効果を得るための「食べ方のコツ」を紹介します。
魚に「良い効果」があるといわれるのは、オメガ3不飽和脂肪酸であるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)が多く含まれているからです。これらの成分は、脳の萎縮を抑えてアルツハイマー病を予防する働きがあるといわれています。
なかでも、サンマ、アジ、イワシ、サバなどの青魚は、不飽和脂肪酸であるEPAやDHAを多く含みます。これらは、最近の研究で認知症も予防することがわかりました。
「魚を食べると頭が良くなる」といわれるのは、こうしてEPAやDHAが脳に良い作用をもたらすことも一因としてあるのでしょう。
また、EPAやDHAの摂取量が多い人は、動脈硬化やがんのリスクが低いことも指摘されています。
■健康・美容効果が期待できる魚
魚では、鮭もおすすめです。ひと昔前の日本では、鮭といえばしょっぱい塩鮭が中心でしたが、今は塩気のない「生鮭」が売られています。生鮭を購入して薄味で調理すると、塩分過多を防ぎながら鮭の良い栄養を取り込めます。
鮭の良い効果はきれいなピンク色をした身にも表れています。このピンク色は、アスタキサンチンという天然色素からつくられており、非常に強い抗酸化作用を持っています。
また、EPAやDHAも豊富なので、鮭を食べることで、がんを予防したり、動脈硬化を防いだり、肌を美しく保ったり……という、さまざまな健康・美容効果が期待できます。
一方で、アサリなどの貝類には、マグネシウム、カルシウム、亜鉛などのミネラル類が豊富に含まれています。いずれも現代人に不足しがちなミネラルです。
とくに亜鉛は、欠乏症が出やすいミネラルとして知られています。
この亜鉛は牡蠣に多く、さまざまな食材の中でもトップクラスの含有量を誇ります。
なお、亜鉛は吸収されにくい栄養素としても知られますが、ビタミンCとクエン酸がその吸収を助けてくれるので、同じ食卓に並べると良いでしょう。レモンはビタミンCとクエン酸がたっぷりですから、生牡蠣にレモンをしぼって食べるのは非常に理にかなっています。
■ビタミン豊富な貝の酒蒸しは汁まで飲み干す
さらに、貝にはB群に代表されるビタミン類も豊富です。酒蒸しなどにして食べる場合は、汁に良い栄養成分が出ていますから、汁を飲み干してしまうと良いでしょう。もちろん、塩分を控えめにしたうえで、というのが条件ですが。
むき身で売られているホタテ貝などと違い、アサリやシジミなどは砂抜きの手間がかかります。身を水煮にした缶詰を利用して手間を小さくして、手軽に貝類を摂取できるようにするのがおすすめです。
さて、魚を食べてうれしい効果を得るためには、食べ方にも工夫が必要です。
まず、大型魚の切り身を食べるよりも、小魚を丸ごと食べること。
当然、骨も食べればカルシウムも摂れます。私の患者さんには、シラスを毎日食べていたら骨粗しょう症がきれいに治った人もいます。
なお、こうした小魚類や寄生虫が心配なものを除いて、魚はできるだけ刺身で食べてください。せっかくの優れた食材も、高温で調理すればAGEという悪性物質がつくられてしまいます。
また、天然魚と養殖魚が比較されることがあります。そして、養殖魚は天然魚よりも格下の扱いをされています。
■養殖魚が天然魚に劣るわけではない
しかし、アユ、マダイ、ヒラメの成分を比較した研究では、どれもタンパク質やミネラルには差がなかったものの、脂質に関しては、マダイやヒラメは2倍、アユで3倍も養殖魚のほうが多かったそうです。
こうしたことから、養殖魚について「油っぽい」と嫌う人が多いのかもしれません。でも、栄養素は、必ずしも養殖魚が天然魚に劣るわけではないということです。
魚貝類は種類と食べ方を工夫することで、「頭が良くなる」「健康に良い」以上の効果が実感できるでしょう。
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牧田 善二(まきた・ぜんじ)
AGE牧田クリニック院長
1979年、北海道大学医学部卒業。
2003年より、糖尿病をはじめとする生活習慣病、肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開業。世界アンチエイジング学会に所属し、エイジングケアやダイエットの分野でも活躍、これまでに延べ20万人以上の患者を診ている。
著書に『医者が教える食事術 最強の教科書』(ダイヤモンド社)、『糖質オフのやせる作おき』(新星出版社)、『糖尿病専門医にまかせなさい』(文春文庫)、『日本人の9割が誤解している糖質制限』(ベスト新書)、『人間ドックの9割は間違い』(幻冬舎新書)他、多数。 雑誌、テレビにも出演多数。
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(AGE牧田クリニック院長 牧田 善二)

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