※本稿は、吉川ゆり『なぜ、あなたは時間に追われているのか』(日経BP)の一部を再編集したものです。
■経営者なのに週3日しか働かない人たち
「無我夢中で何かに没頭している状態」をフロー状態といいます。フロー理論を応用して私が実践しているのは、難しい、やりたくないと思っている仕事を1日で一気に片付けてしまうという方法です。この方法を最初に試したとき、私は衝撃を受けました。「1カ月はかかるだろうな」と考えていた仕事が、たったの1日でサクッと片付いてしまったのです。
この方法に出合ったのは、まだ新型コロナウイルスのパンデミックが続いていた頃です。当時は米国でも、在宅での生産性向上に悩む人が多く、私も非常に悩んでいました。そんななか、副業としてコーチングを始めていた私は、ビジネスの参考にしようと、米国のミリオネア(富裕層)たちが集まるコミュニティーに参加しました。すると、そこで出会った経営者たちから「会社の経営を週3日、あるいは1日3時間といった短い時間でこなし、高い成果を上げている」という話を聞いたのです。
■1カ月かかると思っていた仕事が…
なぜそんなことが可能なのか。驚きながら彼らの話をよく聞くと、「フローの理論」の活用でした。
彼らは、そうして生まれた余白の時間を、家族との時間やスキルアップのために使っていました。
そんな夢のような働き方が、本当にできるのか。半信半疑で私が試してみたのは、オンライン講座のプログラムの組み立てと教材の作成でした。何モジュールもあるような講座で、レッスン数は全部で20ほど。それぞれに1本5~10分の動画教材と、5~6ページのワークブックを用意する必要がありました。企画、組み立て、教材作り、さらに撮影なども含めると、完成までに1カ月はかかるだろうと考えていました。
しかし、この方法を使い、朝起きた瞬間から仕事に取りかかったら、1日で講座を完成させることができたのです。その日は午後早くに仕事が終わったので、夕方に子どもを学校に迎えに行くこともできました。さらに、教材の完成が早まったことで、予定していた時期より2カ月も早く、講座の募集をスタートさせることもできたのです。
■究極の集中状態をつくる3つのコツ
この方法には、特別な能力は必要ありません。ただ、少しだけコツが必要です。
①朝イチで90~120分のフローに入る
フロー状態に入るのに最も適している時間帯は、多くの場合、朝の起床直後です。朝一番にフローに入ると、休憩を取った後も、その状態を取り戻しやすいことが分かっています。
私の場合は、朝5時から7時まで作業をします。朝イチのフレッシュな脳の状態を最大限に生かしたいので、着替えや歯磨きなどもすっ飛ばして、すぐに机に向かって作業を開始します。お子さんがいらっしゃる方は、お子さんが起きてくるまでは集中して作業できるでしょう。
我が家では子どもが7時くらいに起きてきます。家族が起きてきたら、朝食を作ったり、着替えさせたり、送り出したりと、普通の家事をします。通勤している人は、この時間が通勤時間に当たると思います。そして9時から再び作業を開始し、11時まで2時間のフローに入ります。
■「仕事以外の決断」は一切しない
②やることは前日のうちにすべて決めておく
この方法で重要なのは、当日、仕事以外の決断を一切しないことです。その日にやることは、前日のうちにすべて決めておきます。
それでも、子どもから「ママ(パパ)、これは○○なの?」などと質問されることがありますよね。私はそんなときパートナーに答えてもらうよう促していました(笑)。これは毎日ではなく、集中したい日だけです。とにかく、自分では考えないようにします。
■休憩は普段より長く90分
③90~120分フローに入った後、最低90分は休む
9時からの作業も、同じように、すでに決まっていることをひたすらこなします。ここで大切なのは、90分~120分間フローに入ったら、必ず休憩を取ることです。休憩時間は普段より長く、最低90分。
次のフローに備えてしっかりと脳を回復させることが目的なので、動画を見るなど脳を疲れさせる行為はやめるべきでしょう。じっと目を閉じる、自然の中を散歩する、適度な運動をするなどがおすすめです。軽い食事を取るのもいいでしょう。最低90分の休憩時間が終わったら、再び90~120分の集中タイムに入ります。
私がコーチングの講座を作った時は、午後の早い時間に、動画の撮影やワークブック作りなどを含めた大半を完成させることができました。
■ひらめきが生まれて動き出せる
この方法を実践した日は、さすがに疲れました。ただ、クタクタになって寝込むような疲労感ではなく、夕方も普通の仕事、例えばメールやチャットの返信などはできる程度の疲労感でした。
私が講座を作るのに1カ月はかかるだろうと思っていた理由の1つは、どんなカリキュラムを組み立てればいいかのアイデアが、なかなか出てこないだろうと思っていたからです。
一般的に、作業の組み立て方が見えていないと、腰が重く感じられます。ただ、組み立て方が分かっていなくても、フロー状態に入るとクリエイティブになり、「こうすればいいんだ!」というひらめきが生まれ、急に動き出せる場合があります。例えば、企画書用のリサーチは終わっているがどう形にすればいいか分からない、といった場合にも、急に組み立て方が見えてきて、スルスルと手が動くことがあります。
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吉川 ゆり(よしかわ・ゆり)
エグゼクティブコーチ
Mental Breakthrough Coachingスクール代表。社会を変える土台としての「人の変化の構造」を体系化し、経営者・リーダー・医療者・教育者・芸術家など変化を起こす人材を育てている。サンフランシスコ在住、大阪大学人間科学部卒業後、米国に留学し国際行政学修士号取得。ハーバード大学エクステンション・スクールで認知神経科学を履修。米国金融業界にてメガバンクのヴァイスプレジデント、フィンテック企業のシニアディレクターを歴任後、コーチとして独立。現在は国内外の管理職・経営者・専門家に向けて、変容型リーダーシップと人間成長の技術を提供している。
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(エグゼクティブコーチ 吉川 ゆり)

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