※本稿は、牧田善二『すごく使える栄養学テクニック』(日本実業出版)の一部を再編集したものです。
■「目の疲れにはブルーベリーが効く」は本当か
「ブルーベリーが目に良い」といわれるようになったきっかけを知っていますか?
最初にブルーベリーと視力の関係が注目されたのは、イギリス軍のパイロットが、ものが見えにくいはずの薄暗い状況でも「良く見えた」と証言したことがきっかけでした。彼について調査してみると、好物のブルーベリージャムをたくさん食べていたことがわかったのです。
その後、ブルーベリーが視力にもたらす効果が各国で研究されていきました。
それだけではブルーベリーと視力の関係はデマのようですが、実際、ブルーベリーに多く含まれるアントシアニン(ポリフェノールの1種)には、眼精疲労を回復する効果が期待できます。クランベリー、カシス、プルーンなども同様に、アントシアニンが多く含まれています。
アントシアニンが「目に良い」といわれるのは、「ロドプシン」というタンパク質の再合成を助けるからです。目の網膜にあるロドプシンは、視覚情報の伝達など、ものを見るときに重要な役割を果たします。
ロドプシンは使われてもまた再合成されますが、加齢などでその能力は低下していきます。
そのため、年齢を重ねると、「目がしょぼしょぼする」「ピントを合わせにくい」といった症状が出るのです。
■健康に良い栄養素たっぷりで糖質も少ない
このとき、アントシアニンがあればロドプシンの再合成が進み、目の働きも保たれます。
果物は総じて糖質が多く推奨しにくい一方で、ブルーベリーは例外です。ブルーベリーの糖質量は100グラムあたり9.6グラムになっており、ほかの果物と比べるとかなり少ないのです。
また、ブルーベリーには、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB6、ビタミンK1、亜鉛、マンガンなど、健康に良い栄養素がたくさん含まれているのもうれしいですね。
ブルーベリーはそのまま粒ごと食べられるため、食物繊維もしっかり摂れますし、熱に弱いビタミン類も壊されることがありません。
果物としての旬は夏ですが、冷凍ブルーベリーなら1年中手に入ります。しかも、ブルーベリーは冷凍することで細胞膜が破壊されて栄養分が摂りやすいともいわれているので、ぜひ冷凍されたものを食べることをおすすめします。
冷凍庫に常備しておき、小腹が空いたときに食べるのも良いですね。豆乳に混ぜてスムージーにするのもおすすめです。
■ねぎを丸ごと食べて不調知らず
長ねぎ、玉ねぎ、にんにく、にら、あさつきなどねぎ類の野菜について、何となく「元気が出る食べ物」という印象を持っている人は多いでしょう。
「首に長ねぎを巻くと風邪が治る」と聞いたことがある人もいるかもしれません。実際に、風邪をひいたときや疲れが溜まったときなどに、ねぎ類を積極的に食べるのはおすすめです。
ただ、こうしたねぎ類は、不調を感じたときにまとめて食べるのではなく、日頃から何らかの形で食卓に乗せるようにすると良いでしょう。ねぎの健康成分が絶えず働いてくれるようにしておけば、病気知らずでいられるはずです。
そこで私は、味噌汁や鍋物の具、薬味などで、長ねぎか玉ねぎを1日に半分くらい食べることを習慣にすることをおすすめします。
「ねぎを食べると元気が出る」といわれる理由の1つは、イソアリインというファイトケミカルが含まれているからです。ねぎの辛味はイソアリインによるもので、抗酸化作用があります。
■長ねぎの緑色の部分は捨てないで食べる
また、ねぎは切られることで殺菌効果が高まります。ねぎが包丁で切られると独特の匂いが生じるのは、ねぎの細胞が壊れることで、イソアリインがアイリナーゼという酵素と反応して、イソアリシンという物質をつくるからです。イソアリシンは匂い成分であると同時に、強い殺菌効果を発揮します。
こうしたことから、ねぎ類はたしかに健康に寄与すると考えられます。ただし、生の状態で多食すると胃への刺激が強いので注意が必要です。また、匂い成分が残って口臭の原因ともなります。
生で用いるのは辛み成分を期待しての薬味程度に留め、基本的には加熱して食べることをすすめます。
なお、長ねぎの緑色の部分は捨てないで食べましょう。緑色の部分はほぼ空洞になっていますが、内側に白いヌルヌルしたものがついています。あのヌルヌルはフルクタンと呼ばれる水溶性食物繊維で、腸内細菌のエサとなり腸内環境をととのえてくれます。
■「バテたらうなぎ」は理にかなっている
夏バテするような暑い季節になると、「うなぎでも食べようか」という気持ちになるかもしれません。
うなぎを食べる日として知られている「土用の丑の日」は、江戸時代の蘭学者・発明家である平賀源内が広めたといわれていますが、栄養学的にも「バテたらうなぎ」という発想は理にかなっています。
それは、うなぎには、「イミダゾールペプチド」の1種であるカルノシンという成分が豊富だからです。
イミダゾールペプチドとは、体をつくるアミノ酸が集まってできた物質で、体の疲れをとったり元気を保ったりするために役立ちます。魚や鳥、人間にも存在しています。
イミダゾールペプチドには、カルノシンのほか、アンセリン、バレニン、ホモカルシノンなどいくつかの種類が存在します。その中で、とくにカルノシンとアンセリンは体を酸化から守り、疲れを取り去ってくれる効果が高いと考えられています。
基本的にイミダゾールペプチドは、肉や魚に多く含まれます。なかでも、うなぎや鶏肉にカルノシンが多く、マグロ、カツオ、鮭などにアンセリンが多くなっています。
うなぎは、日本から2500キロメートル以上離れたグアム近海のマリアナ海溝付近で生まれ、はるばる日本まで泳いで来て、その間に大きく成長します。つまり、それだけの距離を泳ぎ切るすばらしい運動能力を持っています。
■活性酸素を取り除き疲労回復効果が得られる
そのほか、鶏の胸肉にはカルノシンが多く含まれます。とくに渡り鳥は何万キロメートルも飛ぶため(最も長距離を飛ぶ鳥キョクアジサシは、1年間に地球2周ぶんを飛ぶといわれています)、休まず飛び続けるための疲労回復物質が必要だからでしょう。
マグロやカツオなどの回遊魚は、ずっと泳ぎ続ける能力に長けており、その活力の源はアンセリンにあるのではないかと思われます。
バテてしまいそうなときには、「動き回る」生き物を食べましょう。私たちはこうしたものを食べることで、そこに含まれるイミダゾールペプチドを摂取できます。
その強い抗酸化作用によって、体内に発生する活性酸素が取り除かれ、疲労回復効果が得られます。「バテたらうなぎ」は正しいのです。
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牧田 善二(まきた・ぜんじ)
AGE牧田クリニック院長
1979年、北海道大学医学部卒業。地域医療に従事した後、ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで、糖尿病合併症の原因として注目されているAGEの研究を約5年間行う。この間、血中AGEの測定法を世界で初めて開発し、「The New England Journal of Medicine」「Science」「THE LANCET」等のトップジャーナルにAGEに関する論文を筆頭著者として発表。
2003年より、糖尿病をはじめとする生活習慣病、肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開業。世界アンチエイジング学会に所属し、エイジングケアやダイエットの分野でも活躍、これまでに延べ20万人以上の患者を診ている。
著書に『医者が教える食事術 最強の教科書』(ダイヤモンド社)、『糖質オフのやせる作おき』(新星出版社)、『糖尿病専門医にまかせなさい』(文春文庫)、『日本人の9割が誤解している糖質制限』(ベスト新書)、『人間ドックの9割は間違い』(幻冬舎新書)他、多数。 雑誌、テレビにも出演多数。
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(AGE牧田クリニック院長 牧田 善二)

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