お金を貯めるために、何をやるといいか。金融教育活動家の横川楓さんは「月単位で貯金目標を定めると、守れなかったときに罪悪感を抱き、だんだんと貯金をあきらめてしまうようになる。
『今月はちょっと使いすぎたから、来月はちょっと減らそう』と考えていくといい」という――。
※本稿は、横川楓『散財さんのお金の増やし方』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
■散財さんの家計管理は「1年スパン」で
本稿では「年間の目標貯金額を決める」を解説していきます! これには自分の収入と支出から、「いくらなら貯金できるか」を算出してみてください。
マネー本には「収入の○%を貯金しましょう」などと書いてあることが多いようです。ただ私が推奨する方法は、ちょっと違います。
というのも、私を含む散財さんは、月によって使う金額がけっこう変動すると思うんです。
趣味のイベントがあれば出費が増えますし、海外旅行が好きな人だと、「1年のうち11か月は節約できそうだけど、残りの1か月で給与の2か月分くらい使う予定がある」ことだってあるかもしれません。
ですから私は、「月単位」ではなく「年単位」で貯金目標を定めてほしいと思います。具体的には、年間目標貯金額を設定し、1年をかけてその目標を達成していくのです。
毎月の目標額を決めてしまえば、それを守ろうとするあまりに欲しいものが買えなくなったり、欲しいものを買ってしまって「自分で決めた設定を守れなかった」と罪悪感を抱いたりするかもしれません。
極端な節約は心も体も蝕みますし、だんだんと「どうせ守れないんだから、もういいや」と貯金をあきらめてしまうようになるかもしれません。
けれど、1年単位で考えれば、「今月はちょっと使いすぎたから、来月はちょっと減らそう」と考えられます。

■手取り20万で年100万超の貯金目標はNG
給料が少ないうちはそこまで無理する必要はありません。
このフェーズでは自分の人生を楽しみつつ、「貯金をする習慣」をつけることが重要です。給料が上がっていけば、徐々に貯金額を増やしていきましょう。
「手取り20万だけど、1年で100万円以上貯金する」といった、高すぎる理想だけを持たない方がいいと思います。高すぎる目標を掲げてしまうと、到達点が遠すぎてすぐにイヤになるからです。
高すぎる目標を持つこと自体は否定しないのですが、その場合には同時に、「自分の年収はこれくらいだから、現実的に貯金に回せるのはいくら」と、現実的な目標も決めることが必須です。
またこの際、臨時収入については、あらかじめその使い方を考えておいてください。
人によって、「毎月の給料からしっかり貯金する。その代わり、ボーナスでは好きなものを買う」と決める場合もあれば、「ボーナスは全部貯金する。その代わり毎月の給料は全部使いきる」など、自分に合ったやり方を模索してほしいと思います。その配分さえ決めておけば、迷うことはなくなるはずです。
■貯蓄と消費を両立できる「散財口座」
次は、「貯金の癖をつける」大切さについてお話しします。

大多数の人は、口座をわけずに「残った額がそのまま貯金」になっているのではないでしょうか。
でもそうすると、通帳の残高が多く見えるときについ気が大きくなり、「こんなにあるし、ちょっとくらいいいよね」と、ガッポリ引き出してしまうのです。
これだと口座の残高が増えたり減ったりをくり返すので、貯まり具合がわかりにくくなります。
これでは、なかなかお金が増えていく実感がありません。
そこで、原則として給与を受け取ったり生活費を引き落としたりする生活用の口座のほかに、右肩上がりに増えていくだけの「貯金口座」を持つことで、「こっちの口座には手をつけないでおこう」と思えるようになるのです。
さらに、毎月「給与の一部を貯金口座に送金する」という手順を踏むので、貯金に対する意識が高まり、貯まるスピードが速くなるかもしれません。
なおこの際、振込手数料がかかるのはちょっとイヤですよね。
■少額のお金の移動なら、「ことら送金」も
ですから振込手数料が無料の口座を使ったり、同じ銀行内で複数の「つかいわけ口座」が作れる銀行を利用したりするといいでしょう。今はネット銀行のほうがそのようなサービスが充実している傾向にあります。
また、今は「ことら送金」というサービスを利用すると、1回10万円以下であれば、個人の口座宛に手数料無料で送金できるサービスもあります。私は少額のお金の移動なら、「ことら送金」を使うことが多いです。
ちなみにですが、私の場合には、給与受け取り口座から貯金用口座にお金を動かす際、なるべく端数が出ないようにしています。
絶対にこうしなくちゃいけないというものではありませんが、たとえば残高が「1,502,673」となっているより、「1,500,000」と0が揃っているほうが(実際の金額はともかく)、「貯まっている!」という感じがしてテンションが上がるんですよね。
■生活用の口座はメガバンクの利用も
そして、「貯金口座」の次に用意してほしいのが「自由に使っていいお金を入れておく口座」。これを「散財口座」と呼びたいと思います。
悪い散財さんは懐具合を見ないようにして買い物することもあるかと思いますが、散財口座を作ると、「この口座に入っているお金は自由に使っていい!」と思えるので、精神的にかなりラクになると思います。
つかいわけ口座を使わない場合には、生活用の口座はメガバンク、散財口座はネットバンク、といった使い分けもありかもしれません。
最近は、とくに若い人ほど、メガバンクよりもネットバンクを選ぶケースが増えているように思います。
ネットバンクはメガバンクより金利が高く、手数料が安いので、やはり人気がありますね。
ただネットバンクは実店舗がないので、「万一のときに対面でサービスを受けたい」といった気持ちが強い場合には、メガバンクの利用を検討してもいいでしょう。

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横川 楓(よこかわ・かえで)

金融教育活動家

1990年生まれ。経営学修士(MBA)、ファイナンシャルプランナー(AFP)などを取得し、「やさしいお金の専門家/金融教育活動家」として活動。「誰よりも等身大の目線でわかりやすく」をモットーにお金の知識を啓蒙、金融教育の普及に取り組んでいる。日本金融教育推進協会代表理事。
著書に『ミレニアル世代のお金のリアル』(フォレスト出版)。

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(金融教育活動家 横川 楓)
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